香港デモ。香港の光と闇。貧困世帯の住宅事情が酷すぎる超格差社会

2019年9月5日

逃亡犯条例に反対して連日香港で大規模なデモが起こっていますが、この記事を読めば本質はそこだけではないことが分かると思います。上の画像は香港の貧民街。

非常に長文になっております。デモが何故起こっているのか香港の全体像を俯瞰してからニュースをみるとより一層理解できるようになります。お時間のある方はお付き合いください。

アヘン戦争からさらっと香港の歴史のおさらい

1840年に勃発したアヘン戦争に勝利したイギリスは清朝と不平等な南京条約を結びました。

サッスーン財閥のサッスーン商会が清にインド産のアヘンを大量に売りつけて清国民を堕落させていました。

阿片中毒者の数は1200万人いたとの見方もあります。

他国に麻薬を売りつけて、禁輸したら武力に打って出る。流石悪の枢軸国イギリスです。

戦費、清朝が焼却したアヘンの賠償金などを含む2100万ドルを4年分割で支払うことに。そして香港島がイギリスに割譲されました。

ここから100年後に一時4年弱(太平洋戦争時の1941年~1945年)日本に統治されましたが戦勝国のイギリスにまた戻り、1997年に中国に主権が移るまで約150年間イギリスの支配下にありました。

超富裕層の人口がニューヨークを上回ったリッチな都市香港

超富裕層=ultra-high-net-worth individuals (UHNWIs) の定義は総資産30億以上とされています。

2017年の時点で香港には総資資産30億円以上の人々が1万人も出現しました。(Wealth-X社調べ)

急速な中国経済の発展の恩恵をビジネスや株式市場で得た人々です。中国本土から移住してくるスーパーリッチもいますし、不動産の値上がりからの収益も味方しています。

香港でナンバーワンの大富豪・李嘉誠(りかせい)

TYCOONは日本語の大君が由来の英語で大物・実力者を意味します。

李嘉誠氏はコングロマリット長江実業グループの創設者であり、2019年3月時点のフォーブス長者番付では世界28位にランクインしています。(総資産額約3兆円)

港、通信ネットワーク、エネルギー産業を手掛け莫大な富を蓄積していますが、その資産を香港からヨーロッパにかなり移しており、中国から撤退中で大変な注目を浴びています。

大金持ちインスタグラマーでインフルエンサーの優雅な生活

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中国本土から移住して繊維会社を経営している超富豪の父親の娘。彼女とコラボしたいという企業はたくさんいます。

親の金で買ったハンドバッグや靴や洋服をインスタグラムで見せびらかし香港でも1,2を争うインフルエンサーとなり本人も企業案件でお金を稼いでいます。

車を何台も所有し、父には運転手、そして家にはお手伝いさんがいます。

動画の後半では上海から2つのバスケットに宝石を詰めて香港に移り住んだ父を持つ宝石商の超富裕層おじいさんも登場します。

所有するフェラーリ2台のうちの1台を楽しそうに運転する宝石おじいちゃん。会員権が5億円のゴルフ場の横をドライブします。おじいちゃんが会員かは不明。

このおじいちゃんは貧困層の子供達のために少しは支援しているようです。

香港島の7割は自然のままで全体の7%のみが居住地として解放されています。そこに人口750万人がひしめいています。慢性の住宅不足です。

香港で46平米の1LDKの高層マンションを購入しようとすると1億5000万円ほど必要になります。こんな小さな物件にこんな価格はありえません。しかも頭金50%必要です。

この物件の一ヶ月の賃料は30万円ほどです。

お金持ちの子供として生まれない限り香港でマイホームをを所有することはできません。

若き政治家で活動家のネイサン・ロー氏によると、メインランドチャイナマネーが香港に流れ込んできて不動産投資として物件を買い人が住んでいない場合も多く、そのことが住宅不足を悪化させている原因にもなっています。

香港に住んでいる人々にとって香港は生活のための労働時間が長く、楽しくなく、希望が持てない都市となっています。

香港の18歳から29歳の若者の60%が香港から脱出したいと考えています。そして香港で子供を持ちたくない。それは賃金の問題だけではなく、子供を育てるスペースがないという住宅事情も関係しています。

香港の土地は全て香港政府の所有となっています。ですから香港にある全ての建物の所有者は香港政府と賃貸借契約を結んでいます。

この契約からの収入が莫大なので香港は法人税率16.5%(所得3000万円までは8.25%)という低率で外国企業誘致にも成功してきました。

このことが貧困層の住宅不足問題に拍車をかけるわけですが、香港政府は気にしているようには思えないと女子大生が述べています。

この女子大生は老人達に食事を与えるボランティアをしています。年金などで生活し、子供に面倒を見てもらえず食事も作れないのでこのような炊き出しに参加している老人が大勢います。

なぜ自炊できないのでしょうか。安く上がる自炊をせずもっぱら外食している人がたくさんいます。

パーテーションで区切られた違法アパートに住む香港人貧困層

香港の一人当たり平均居住スペースは2.5畳と言われています。しかし上の画像のような部屋は1畳ちょいしかないように見えます。coffin cubicle(棺桶小部屋)と呼ばれています。

アパートの大家が区切って小部屋をたくさん作り多くの人間に貸して収益を上げるという違法ビジネスです。

一時中国からの日本工場への出稼ぎの人々がアパートを借りて大勢で住んでいたことがありましたが、独り者の個人はプライベートも必要なためこのような部屋でも仕方なく借ります。

1部屋まるまる一人に貸すよりも安くしても小分けにして多くに貸すほうが儲かります。

先ほどの動画の中にでてきたおばあさんは上の画像よりも少し広い部屋にすんではいますし簡単な調理ができるスペースがありましたが、上の画像の部屋では調理器具を置くスペースがありませんから自炊は無理です。

寝るためだけのスペースです。このような部屋に住んでいると家賃は安いですが(月15000円から18000円程度)自炊ができず、毎食外食にしないといけません。

そうなるとなけなしの収入が全て家賃と食費に消えることになるのでこのような生活から抜け出すことは不可能になってしまいます。

このような非人間的な棺桶小部屋に住む人数は10万人ほどいるようで、そのうちの3万人が高齢者です。排水設備も悪く非衛生的です。

一つの部屋を三部屋にして使っているようなものですが、一部屋一部屋は一応独立しています。ですが、コンセントは一つしかありませんから3人がそれぞれそのコンセントから蛸足配線して電源をとっているのでいつ火事になってもおかしくない危険な状態で生活しています。

3Dプリント住宅で住宅ローンから解放される未来

人口750万のうち120万が貧困ラインの香港。好んでホームレスになる人の理由は?

公共住宅に当選するのを待つ間(彼はも10年以上待っています)、橋の下でのホームレス生活をするベトナムからの移民男性。

若い頃は肉体労働の仕事もありましたが、年を取ると仕事がなくなり密輸タバコを売って5回刑務所に入りました。妻子とも離れ離れ、そして無一文にもなりここで生活しています。

香港は亜熱帯に属しているので湿気が多く、1年の気温は16度から29度の間です。

ですから格安だけれど不衛生な棺桶小部屋は熱帯南京虫の心地よい棲家になってしまいます。もう一人のホームレス男性は橋の下の方が棺桶小部屋よりも南京虫が少ないし涼しいのでちゃんと眠ることができるといいます。

2017年には香港に1000人と少しのホームレスがいることが政府によって報告されましたが、実際はその倍はいるだろうとのことです。

20万人いるとされるワーキングプア層の月収は6万円以下。3畳とかのワンルームでも月5万円ほどしますし、6万円では人権無視の超小部屋にしか住めません。

先ほどのベトナム人男性は福祉で4万円ほど受給しているので小部屋には住もうと思えば住めるのですが住環境が悪すぎるのでホームレスをしているようです。

現在70000人の独身者と17万家族が公営住宅に入居を希望していますが、独身アパートは年間2000人分世帯アパートは1万5000しか確保できずこのベトナム人男性のように10年以上待っている人々もいます。

18歳以下の人口は112万人でそのうち27万人が貧困ライン。実に24%。日本の6人に一人というのは16%。それでも住居スペースは確保できているはずなので香港よりはましと言えるでしょう。

所得格差ランキング世界第一位の香港

香港は国連のデータによると先進国の中での所得格差ランキング1位です。

富裕層20%の富の合計は全体の富の57%を占めるのに対し、貧困層20%の富は全体の2・9%しか占めません。

貧困と不正の根絶をテーマに活動している非営利団体オックスファム・インターナショナルによると収入の上位10%と下位10%の格差はなんと44倍にもなっていることが判明しました。

下位層10%の年収を仮に120万円とすると44倍は5280万円になります。

先ほど出したワーキングプア層20万人は香港人口の2.6%ですが、彼らの月収6万を年収72万にして44倍しても3000万円を超えます。

日本では年収750万円で上位5%に入りますから、香港の上位層の桁違いの金持ちぶりに驚愕します。

ロサンゼルスのホームレス街スキッド・ロウ

クーロン城がなくなったからといって貧民の行き場が出来たわけではなかった。

九龍城砦(くーろんじょうさい)は1950年代から中国とも香港政府とも関与しない無法地帯として、中国や外国からの移民のスラムとして拡大して行きました。

建物の上に建物をさらに増築するという違法建築で巨大化します。1993年から1994年にかけて取り壊しが行われ住民は立ち退き料を貰って(不満がでるような金額)散り散りになりました。

日本語で検索してもユーチューブ動画があまり見つからず、コメントにももっと中の様子を詳しくみたいとありました。「Kowloon Walled City」で検索するとドイツのテレビ局が作った40分を超える大変貴重な長編動画がありましたので貼っておきます。

最盛時6.4エーカーの敷地に33000人が住んでいました。6.4エーカーは約2.6ヘクタール。正方形にすると一辺が約500メートルの面積です。このような単位は大きさが掴みにくいです。

東京ドームは4.7ヘクタールですから、東京ドームの半分ちょっとの敷地に15階建てのビルがぎっしりつまったような街ということになります。

動画の上空からは道らしき物が見えないのですが、実際には230近い通路が内部にあったようです(wikipedia)

通路は幅2メートルに満たないものが多く、町中というか巨大ビル郡の中の移動は徒歩に限りましたが、上のほうの階も建物同士が繋がっており、一番下の道路まで降りることなく移動できたようです。

移民、犯罪者、麻薬中毒者、売春婦が身を隠す場所としても恰好の場所でした。もちろん香港での家賃が払えない貧民たちも家賃の安いクーロン城で普通に生活していました。

1950年代から70年代にかけてはチャイニーズマフィアが支配して売春、麻薬、賭博天国でしたが、1980年代にはそれほど危険な場所ではなくなっていました。しかしマフィア時代での悪評は取り壊されるまで付きまとったのでした。

中国から移住してきた医者や歯医者などの資格保持者も香港での資格は認められなかったので、九龍城内で働かざるを得ませんでした。

食品店、精肉店、床屋、など様々な仕事が保健所や役所などの検査等が全くない状態で不衛生かつ無秩序で営まれていました。

配管や水道その他様々な管が縦横無尽かつ適当に設置されていたため下の階層では常になにかの滴がしたたれている状態で、上層の階より湿度が高く蒸し暑かったようです。

解体開始時の1993年より5年前から徐々に人々は立ち退き、立ち退き料が安すぎると抗議していた人も含め最終的には33000人全員がこの場を去りました。

仕事をしていたにしてもクーロン城内でのみ通用する事でお金を稼いでいた人も多かったでしょうから、合法地帯での香港では思うような仕事にもありつけなかったでしょうし、記事内で書いた棺桶小部屋のような住居に住まうハメになり、新しいスラムを形成していったのだと思われます。

香港チョンキンマンションのタンザニア人ビジネス

2019年6月16日の逃亡犯条例撤回要求デモの参加人数200万人

香港での刑事事件の容疑者を中国本土へ引き渡す「逃亡犯条例」の撤回を香港政府に求めるデモとマスコミでは喧伝されています。

メインランドチャイナが香港に押し付けているこの条例の意図は殺人などの凶悪犯の引渡しではなく資産を持って香港に移り住む中国人を取り押さえることだと言われています。

前述した大富豪・李嘉誠氏もそれを察知して資金をヨーロッパに移しているのかもしれません。

加えて中国本土政府にとって気に食わない活動家や個人などを中国の法律に基づいて裁き本土に収監するということもこの条例で可能になります。

香港の政治の長は香港特別行政区行政長官

現在の行政長官は女性の林鄭 月娥(りんてい げつが=Carrie Lam=キャリー・ラム)氏ですがこの行政長官は一般市民が選出するのではありません。

1200名いる選挙管理委員会が選出します。そしてその1200名は中国共産党の息のかかったものが多い。

つまり香港の政治というものは端から香港人のためのものではなく非民主的であるものと言えます。

香港の底辺貧困層の人々も、言葉は通じるのだから中国本土へ行けば少なくとも現在よりは広い住居スペースだけは最低限確保できるようにも思えるのですが、香港人は自分達のことを中国人ではなく香港人だと考えマナーの悪い中国人を軽蔑しているのでそのような発想には至らないことが多いようです。

中国本土政府の言いなりになっているといずれ言論の自由もままならない社会になる可能性があります。政治は本土よりであっても民主化されている社会の存続をかけてのデモということになります。

デモ隊はキャリー・ラム氏の退陣も求めています。

「逃亡犯条例は死んだ」と曖昧な言葉を発するキャリー・ラム氏に対して「撤回という文言を含んでいない」と香港人は納得していないのでデモは継続されています。

市民のデモ隊に突っ込んで暴力を振るう犯罪組織三合会が警察と癒着している証拠動画

香港での暴力団を意味する三合会ですが、7月21日、白いTシャツを着た暴徒が中国の国境とも近い元朗(Yuen Long)区の元朗駅でデモ帰りの民衆を襲いました。

デモが行われている香港のエリアから約30キロ離れた元朗駅で事件は起きました。

この元朗という街は三合会が暗躍する土地としても有名です。三合会のチンピラどもは金さえ支払ってもらえば誰からの依頼であれ何でもします。

このチンピラ達は過去にも反政府デモに参加した人に暴行しています。

通報から警察が到着するまでに1時間もかかり、意図的に暴力団のデモ参加者襲撃を容認した節もあるとのことです。何者かがお金を払っているわけですが、メインランドチャイナ政府以外にに考えられません。

夜10時ごろ駅に白シャツの三合会が集まりだし、反政府デモを支援している議員のラム・チュックティン氏がそれに気付き10:22分ごろに警察に通報し、駅の中の人々に注意を喚起します。

10:40分ごろにはより多くの白シャツ軍団が駅に集まりだします。デモに参加した人が駅に戻ってくる時間を狙ったものと思われます。

そしてついに駅内に進入してきます。この時二人の警官が現場から立ち去る様子がカメラに収められています。警察は後にこの二人は応援を求めるために一時撤退したと述べています。

警察官二人が現場を離れたことで暴力が始まります。女性リポーターも殴られて倒れこみます。デモ帰りの人々は蜘蛛の子を散らしたように逃げますが一人捕まえ複数人で囲み木や竹の棒で叩いたり蹴ったり殴ったり膝蹴りしてぼこぼこにしています。

元朗警察署に逃げ込んで助けを要請した人もいましたが、警官はドアを閉めて対応を拒否したように見えます。

また別の警察署では市民が窓口で助けを求めているにもかかわらず、奥にあるテーブルから腰を上げようとせず、話を聞きに近寄ってきません。

電車内に逃げ込んだ人々を白シャツは追っかけまわし、お願い殴らないでと両手を合わせ懇願している青年の顔面をパンチします。年齢性別関係なしに棒で叩きまくっています。

先程のラム議員も口から出欠、腕は骨折してしまいました。

11時15分になり警官がちらほらやってきますが、チンピラを抑制しようとはせず、デモ参加者たちに対応の悪さを非難されます。「腐敗警察!腐敗警察!」と連呼されます。

そして白シャツは逃げ、警察官も駅を後にし、駅のゲートは閉じられます。

がしかし、深夜12時26分。また白シャツたちが駅に戻ってきました。自力でゲートを開きまた人々を襲います。

12時34分のダッシュボードに置かれたカメラ映像で、白シャツたちは余裕で警察車両の間をすり抜けています。なんのお咎めもありません。

駅周辺では武器を持ったままの白シャツと警官が話している映像も撮られています。警察は白シャツは武器など持っていなかったと発表しているのでこの映像は重要な証拠となります。

中国共産党が三合会にお金を払いデモ参加者たちに暴行を加えさせ、警察にはそれを黙認するようにという指令が下されていたとしか考えられません。

このようなこともあり香港の人々は中国政府も香港政府も警察も信用していない情況に陥っています。

新唐人NTDTVジャパンによりますと香港警察の内部告発がネット掲示板に流れているそうです。

やはり三合会のデモ参加者無差別襲撃事件には警察のトップが関わっており、事件があった当日は元朗駅周辺に意図的に警察官がいない配備をしていたとのこと。

警察のトップダウンの中で性接待などもあり、やはり親中派が警察腐敗に大きく関与しています。

新唐人テレビは本部をアメリカ・ニューヨークに置き、北米に住む中国人にニュースを流していますが、メインランドチャイナに買収されておらず、香港の自由を応援しているメディアです。

新唐人ジャパンのユーチューブチャンネルはこちら

公務員や銀行員たちもデモに参加してきている

8月2日の夜には公務員による政府批判デモ大会が開催されました。

夜7時から2時間に渡って逃亡犯条例改正案に対して反対の決起集会に1万人以上集まったとのことです。

ライブ中継をユーチューブでやっていたのですが、中国語がわかならないのでちんぷんかんぷんでしたけど、熱気は伝わってきました。

香港人に嫌われている警官の中にも本当はデモに参加したい人もいるでしょうね。

人民解放軍駐香港部隊がテロ鎮圧動画を公開

中国の人民解放軍約6000名が香港に駐留しており(PLA)、香港政府の要請があればいつでも出動することになっています。

PLAが公開したデモ鎮圧動画は様々な銃器を撃ちまくり、ヘリコプターも出動させ、車を爆破したり、警防やゴム弾を撃ちながらデモ隊を押し返す演習風景が写されいています。

機関銃を連射しているシーンもあります。ターゲットにロケット砲をぶち込む練習も。

中国は天安門事件をもう一度起こそうとしているのかもしれません。

1万以上が殺されたとも言われている天安門事件。香港の人々も決死の思いでデモをしているのだと思います。

8月13日には中国の人民日報が中国の武装警察が中国シンセンに集結している映像を公開しました。人民解放軍と並び武装警察は習近平が直接コントロールする準軍事組織です。

デモがおさまらないのであれば、力でねじ伏せるというアピールも最終段階に入っているようです。

中華人民共和国は毛沢東により1949年10月1日に建国されました。この建国記念日の10月1日までにはデモを鎮圧して反乱分子がいない状態で祝いたいのです。香港の灯火が消える日も近いのでしょうか。悲しくて涙がでてきます。

一国二制度で2047年までは香港行政に口を挟まないと中国は言っていますが、、、。

香港がイギリスから返還された1997年から50年間は一国二制度に基づき中国本土からは切り離し一定の自治を中国は認めています。

このことは鄧小平とマーガレット・サッチャーにより決定されました。

しかし中国が2047年までのんびり待つはずがありません。虎視眈々といち早く香港を本土に取り入れようとしています。

その手始めとして造られたのが港珠澳大橋(こうじゅおうおおはし)です。海上橋としては世界最長の55kmを誇ります。杜撰な工事はしているようですが。

香港とマカオそしてメインランドの珠海市を繋ぎます。

これまでは香港から珠海市まで内陸部に迂回して車で4,5時間かかっていたのですが、この橋のお陰でわずか30分に短縮され、トラックドライバーや物流関係の会社は時間と燃料短縮で喜んでいます。

1993年、香港はこの小さな区域で中国全体の経済の4分の1以上を占めてました。

ですがその後の中国の経済発展により上海、重慶、北京、広州、深センなどがメガシティーとして繁栄し、中国のGDPとくらべると香港はその27%の規模を90年代初頭に誇っていたものが、2017年では3%となってしまいました。

それだけ中国経済の成長が凄まじかったということです。

これまで香港の自由市場での成功に恩恵を受けようと放任気味だった中国も自国に早く取り込むのが良いというような考え方に変わりました。

かつてヨーロッパや世界へのゲートウェイとして貴重だった香港も中国からみるとそこまで羨ましい存在ではなくなっています。

港珠澳大橋の建設で本土と香港が物理的に近くなったことは国境の消滅と中国がより香港をコントロールしやすくなることを意味しています。

現在この橋は許可制で誰でも自由に通ってよいわけではありません。

香港では天安門追悼集会が毎年行われています。

毎年6月4日、1989年に起きた、民主化を求めたデモ隊を武力で殺傷した天安門事件の追悼集会が香港で行われていますが、こんなこと本土でやったらどうなるかわかりません。

中国にとっては目の上のたんこぶ以外の何物でもありません。一刻でも早くこのような行為をやめさせたいことでしょう。

逃亡犯条例が成立していたら天安門の追悼に参加した人も、今回のデモに参加した人も本土の刑務所にぶち込まれるのかもしれません。

日本でも注目される学民の女神周庭(アグネス・チョウ)氏

デモを先導したということで8月30日に逮捕された周庭(アグネス・チョウ)氏ですが、即日釈放されました。

香港立法会への出馬が無効であることが不適切だったという判決が出た後でのアグネス・チョウ氏の日本語での会見です。

この素晴らしい語学力は日本のアニメで鍛えたとのことです。

香港政府は中国本土の意向に沿う人間しか政府機関で働けないようにしているので、彼女が立候補できるとは到底思えないのですが、香港人のために闘っている彼女を日本人も応援したくなるのではないでしょうか。

しかし事実上香港が中国本土に取り込まれるのは時間の問題であり、キャリー・ラムは正式に逃亡犯条例を撤回しましたが、それでどうなるというものでもありません。

今度は米国議会に香港人権・民主主義法案を可決させるためのデモ集会

香港のアメリカ領事館があるチャーター・ガーデンで逃亡条例改正案の撤回後新しいデモが9月8日に開始されました。

アメリカのナンシー・ペロシ下院議長が言い出した香港に十分な自治権があるかどうかを審査する香港人権民主主義法案を是非可決してほしいと数万人が領事館を取り囲んで訴えました。

中国の香港や台湾に対する姿勢を注視していなければなりません。

香港デモの死亡者が二人に

11月8日に香港科技大学の22歳の男子学生さんがビルの3階から落ちて死亡、11月13日は清掃員の70歳の男性がデモ隊と警察のれんがの投合に巻き込まれレンガが頭にあたり死亡しました。

香港理工大学での立てこもりも鎮圧化されっつあり実弾の拳銃も警察は使うと警告し圧力を強めています。事実11日には21歳の男性が警察官に打たれて重体になっています。

中国のウイグル人弾圧に関しても世界はもっと注目すべきですし、この厄介な国に対して包囲網を敷かなければ世界中が漢民族になってしまうかもしれません。

中国包囲網は完成するか?