イギリスの子供の貧困はブレグジットで更に悪化してしまうのか

2019年10月23日

1日1.25ドル以下で生活している絶対貧困と国民所得中央値の半分以下で暮らす相対貧困。発展途上国での絶対貧困が減少しているなか先進国の相対貧困が広がっている背景には何があるのでしょうか。

イギリスの貧困とフードバンクの状況

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最初に登場する美しい若い女性シャーロットはフードバンクのボランティアですが、もともとはここの利用者でした。

21歳で大学在学中で子供もいないため行政から住宅支援、所得補助(英国で失業者や高齢者に補助金を与える制度)、生活保護が受けられない状態にあります。

ボランティアの仕事が終わった後、彼女はベーグルや各種パイ、オレンジやポテトサラダなど約4日分の食料を貰って岐路につきました。

15歳と乳飲み子を持つシングルマザーは二日間何も食べていないといい、スナックをかじる息子とプリングルスの空き箱が部屋に見て取れます。

スナックは栄養価が低く安価ですが、カロリーがあるので少しでも腹のたしになるのでしょう。

マクドナルドで働く次の母親の話を聞いていて思ったのですが、マクドナルドなどのいわゆるマックジョブと呼ばれるファーストフード企業は低所得者を雇い、低所得者にサービスを提供するという貧困ビジネスなんだなと。

スナックメーカーもそれがおやつであった時代はよいのですが、主食になってしまうと健康を徹底的に害する反社会的企業に成り下がってしまいます。

一寸先は闇。明日は本当に我が身なので困った世の中です。

イギリスの若者の貧困について

イギリスという国を再認識しておきますと人口6400万。名目GDP世界第六位。

軍事費世界第六位。

因みに軍事費ベスト10は一位からアメリカ、中国、ロシア、サウジアラビア、フランス、イギリス、インド、ドイツ、日本、韓国です。

BBCの以下の動画は3人の10代少女達の貧困問題についてとりあげています。

分かりにくいイギリス英語ではありますが、お時間のある方は是非ご覧下さい。

イギリスの若者の5人に1人は失業中。10代の30万人が生活保護を申請中。一日収入が8ポンド(1000円程度)の若者が大勢いる。

このようなショッキングなタイトルから映像は進んでいきます。

<一人目ロザラム出身17歳ブライディーの場合>

刑務所から出所したばかりの彼女が友人の家を訪ねること自体が大変なリスク。その通りの出入りが禁じられているため。近隣の住人は彼女を目撃して警察に通報。すぐ捕まってしまう。

<二人目ブラッドフォード出身16歳アンバーの場合>

シングルマザーの元で育つアンバーは16歳で妊娠。どちらが母親か容姿からは判断できない。つまり母親も相当若い。妊娠中にもかかわらず母親にたばこをせびるアンバー。

<三人目グラスゴー出身17歳シェルビーの場合>

12ヶ月生活保護を受けた後はじめての仕事を得た17歳のシェルビー。コンビニのような店での仕事は6ヶ月間の期間限定。慈善団体が見つけてくれた仕事だ。

三者三様出口の見えない貧困にさらされ喘いでいます。

大変なご苦労であると思います。

イギリスの美人ホームレス女性の話はこちら

イギリスがEU離脱を決めた年2016年10月のBBCの記事・ブレグジットの経済的影響

ブレグジットが決定された2016年BBCニュース10月13日によりますと、6月の国民投票前のエコノミストの予想ではEU離脱後に即甚大な影響がイギリス経済に与えられるだろうとう予想は外れたとしています。

国民の消費も経済成長も際立った変化は見られない。しかし今後、
来年と将来においての不安は拭い去れない。

ウォールストリート筋はイギリスEU離脱で今後金融業界にダメージを
与える可能性が高いと見ている。

英通貨ポンドは6月の国民投票後暴落し、10月7日にはポンド米ドル
で1985年以来の最安値を更新した。

EUの移民政策にに対してNOといったのが今回のイギリス国民の総意(高齢者中心)でもあると思うのですが、国民投票後に人種差別での事件発生率が上がっています。

移民の受け入れを拒否した後に国内の移民に対してもバッシングが強まっている模様です。

ポンド安で輸出業者が有利になり、イギリス旅行の割安感がでて観光業は潤うようですが、国民、とくに若者にまでその恩恵が回るかは定かではありません。

移民の受け入れを拒否することで低賃金労働を求める競争率は下がるかもしれませんが、それもロボットの技術が進めば関係なくなる可能性があります。

かつての大英帝国がこの体たらく、アメリカも日本もしかり。

強欲な多国籍企業だけがイナゴの大群のように利益を貪り食い散らかした後その地域を捨てて次の目的地に向かう。

他者を思いやり慈しむコミュニティーをいまこそ全世界に流布させないといけませんよね!

ブレグジットをわかりやすく解説