アイラ・レナートの大邸宅は地域を公害で汚して建てられた。こんな金持ちにはなりたくない

2019年6月27日

アイラ・レナートとはいかなる人物か

アイラ・レナート氏(ira rennert)はポーランドとルーマニアのユダヤ人である両親から1934年にニューヨーク・ブルックリンで生まれました。

ブルックリンカレッジを卒業、レナード・N・スターン・スクールで修士を取得したのちウォール街でクレジットアナリストとして働き始めました。

御歳85歳のアイラ・レナート氏

1986年投資会社レンコグループを立ち上げ現在の総資産額3800億円の礎とします。

創立初期にはジャンクボンドによる資金調達で会社の規模を大きくしました。

レンコグループはアメリカ国内と南米に多くの工場や鉱山を所有しているので付近におびただしい公害を撒き散らし、訴訟を数多く起こされ多額の賠償金を支払っていることでも有名です。

アイラ・レナートの大豪邸を上空から

63エーカー(約7万7000坪)の敷地とその中に立てられた建物全体の資産価値は200億円ほどと言われています。

この不動産に対する財産税は2007年に約4000万円でした。

29のベッドルーム、39のバスルーム、バスケットボールコート、ボーリング場、テニスコート2面、スカッシュコート2面、1500万円のホットタブなどがあります。

住居というよりは宮殿と言った方が相応しいです。

これはベルサイユ宮殿の上空写真ですが、八角形の池や幾何学式庭園はベルサイユを真似ていると思われます。

強欲な公害王アイラ・レナートの悪行

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アイラ・レナートの所有しているDoe Run Companyの鉛製錬工場から出るヒ素やカドミウムで子供を含むミズーリ州エルクラネウムの地域住民が汚染にさらされていました。

土壌には鉛が染み込み地下水にも潜り込みます。

EPA(米国環境保護庁)はアイラ・レナートをアメリカ史上最悪の個人環境破壊者であると糾弾しました。

この動画は2008年に公開されたものです。2013年にこの会社はエルクラネウムでの操業を中止しました。

ペルーの町でもDoe Run社が環境汚染しまくる

ペルーは鉱産物資源が豊かな国で銀、銅、亜鉛、鉛、モリブデンなどの埋蔵量が世界のベスト5に入っています。

ペルーの国債格付けはこちら

ですが国民は貧しい。一人当たりGDP約60万円。コカイン生産に手を出さないと食べていけない農家や極左テロ勢力のセンデロ・ルミノソ(ペルー共産党)の存在。

上の画像は南米ペルーにあるLa Oroyaは人口35000人ほどの小さな町です。

1922年に最初の銅製錬所が、1928年に鉛、1952年には亜鉛の製錬所が次々と出来ました。

これらの昔からある製錬所のいくつかを1997年にDoe Run社が購入し、4000人もの労働者を受け入れているということもあり、この町の権力は同社に牛耳られているも同然でした。

政治家も誰もアイナ・レナートがペルーのこの町を汚染することを止められませんでした。

有害物質が煙として放たれ、それが雨になって降り注ぐので町中全てが汚染されてしまいました。

崖に囲まれた町で盆地状になっているので煙が町から出て行きにくく、町全体が毒ガス室と化したのです。

ゆっくりと体を蝕んでいく現代のアウシュビッツです。

その結果町に住んでいる12000人の子供のほとんどが、米国の基準値の数十倍の鉛を体内に蓄積しました。

この町では健康な人と比べて約2000倍の発ガンリスクがあります。

鉛は脳と肝臓に蓄積される傾向にあり、子供達の脳の発達にも悪影響を与えています。

動画の中でも記憶したり理解することが難しいと子供自身がインタビューに答えています。脳の発達が悪いと勿論よい仕事には就けませんから、肉体労働に頼る人生を強いられます。

まだ産まれていない母親のお腹の中にいる胎児の血液にも既に鉛が混入している最悪の状態です。

人々の金属中毒の症状にたいしてアイラ・レナートは工場由来のものではなく衛生問題が関係していると自分の非を全く認めませんでした。

環境汚染を減らすことを条件にペルー政府から土地などを購入したアイラ・レナートですが、利益が上がらないことを理由に環境汚染対策着手を遅らせてきました。

他の外国資本の製錬所はそれなりに汚染対策をしていたのにも関わらずです。

このようにして何の罪もない人々に健康被害を与えて得た巨額の利益で先ほどの大豪邸を建設したのです。

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自分だけの利益を追求する大金持ちにはなりたくありませんね。