世界の金山と金採掘会社~ゴールド産出量ベスト10ランキング

世界の金山と金採掘会社~ゴールド産出量ベスト10ランキング

2023年4月14日、田中貴金属の金の店頭価格が1g9609円を記録し現在も9000円を突破した状態にあります。いつまで金高騰が続くのでしょうか。

景気がグローバルに減速していることから現金の一部を金で保有する動きが注目されています。世界の金山の場所と規模を確認しておきましょう。

その前にまだゴールドのオンライン取引をしていない方はブリオンボールトで口座を作っておきましょう。スイス・チューリッヒに金を置いておけるので預金封鎖の時でも国に没収されません。

規模第1位 インドネシアのグラスベルグ鉱山

上の画像がインドネシアのグラスベルグ鉱山です。世界最大の金鉱山です。産出量は2018年で約76トン。

ニューギニア島パプア州で一番高い山であるプンチャック・ジャヤの近くにこの鉱山があります。海抜4100メートの場所にあり、3万人の従業員が現場で採掘に従事しています。

赤い十字らへんがグラスベルグ鉱山の位置です。

管理会社:フリーポート・マクモラン(アメリカ・ニューオーリンズ)環境保全を考慮しない鉱山開発で地元インドネシアで忌み嫌われています。

2位ウズベキスタンのMurunatau鉱山

このように坑道を掘らずに渦巻状に削っていく方法を露天掘りといいますが、そのなかでもダンプとショベルカーで突き進むタイプをオープンピットマイニングといいます。

このMurunatauは世界最大のオープンピットマイニング鉱山となっています。なんと発音したらよいかわかりませんが、最後が金の元素記号であるauになっているのが面白いです。

2018年の産出量は約68トン。

管理会社:ウズベキスタン国営ナヴォイ鉱山精錬コンビナート

ウズベキスタンの一人あたりGDPは1500ドル前後と貧しい国ですが、金をはじめ銅、鉛、亜鉛、タングステン、モリブデン、ウランなど天然資源には恵まれた国です。

ウズベキスタンという国がちょっとだけ分かる4分動画(8K)

3位 アメリカ・ゴールドストライク鉱山群

ゴールドストライク金鉱山はネバダ州の北西部に位置しています。

露天掘りと坑内掘りがなされています。2018年の産出量約59トン。

管理会社:世界最大の金採掘会社BARRICK Gold(カナダ)とNewmont Goldcorp(アメリカ)のジョイントベンチャー。

2008年頃のゴールドストライク鉱山での作業の様子動画です。(音楽大きいので注意してください)

ダンプトラックは米国キャタピラー社ですが、大型ショベルは日立建機のものが使われています。

露天掘りは原始的な手法でしたが、このような大型重機の発達とともに効率よく鉱物の採掘ができるようになりました。

4位 ロシア・オリンピアーダ鉱山

ロシア・クラスノヤルスクの北540キロに位置するオリンピアーダ金鉱山。

1996年から金の採掘を始めました。比較的新しい金鉱山です。2018年の産出量は約36トン

管理会社:ロシア最大の採掘会社Polyus

オリンピアーダ鉱山の場所。クラスノヤルスク地方は天然資源が豊富。

オリンピアーダ鉱山での作業の様子動画

5位 パプアニューギニア・リアール鉱山

リアール鉱山はパプアニューギニアの首都ポートモレスビーから北東に900キロ離れたリアール島にあります。

ニューギニア島の西はインドネシア領、東はパプアニューギニア。ニューギニア島は日本の国土の約二倍と島としてはグリーンランドの次に大きいです。

この島は金産出量1位のグラスベルグ鉱山と5位のりアール鉱山を抱えて黄金の島と呼んでも過言ではないですね。

産出量は2018で27トン

管理会社:オーストラリアのニュークレストマイニング(Newcrest Mining)

6位 ドミニカ共和国・プエブロビエホ鉱山

プエブロビエホ鉱山はドミニカ共和国の首都サントドミンゴから北西に約100キロ離れたところに位置しています。

2018年の産出量は約27トンです。

管理会社:BARRICK Gold(カナダ)

プエブロビエホ鉱山の工場がまだ稼働前の2011年に撮られた建設の様子が分かる貴重な動画です。

7位 Carlin(カーリン鉱床)ネバダ州アメリカ

コロラド州の採鉱会社Newmont Goldcorpが管理しているネバダ州のカーリン鉱床。

2018年の産出量は約26トン。

8位 コンゴ共和国・キバリ金鉱(Kibali)

キバリ金鉱は中部アフリカにあるコンゴ民主共和国の交易都市キサンガニから北西560キロに位置します。

アフリカ大陸で最大級の金鉱の一つです。2018年の産出量は約22トン。

共同管理:AngloGold Ashanti(アングロゴールドアシャンティ=南アフリカ共和国=45%)、Barrick Gold Corporation=45%、SOKIMO(コンゴ政府=10%)となっています。

9位 オーストラリアCadia East(カディア)鉱山

シドニーがあるニューサウスウェールズ州にオーストラリア最大級のカディア鉱山はあります。国内最大の坑内掘りでもあります。

2018年の産出量は約21トン。

管理:ニュークレストマイニング

10位 オーストラリア・ボッディントン金鉱(Boddington)

カディア鉱山は東海岸にありましたが、このボッディントン金鉱はオーストラリア西海岸パースから120キロ東南に位置しています。

2018年の産出量は約20トン。

管理:ニューモント・ゴールドコーポレーション(アメリカ)

以上参照:mining.com

日本で稼働鉱山は鹿児島県の菱刈鉱山と串木野鉱山だけ

かつては日本にも佐渡金山(新潟)や鴻之舞金山(北海道)など多くの金山がありましたが、現在稼働しているのは菱刈鉱山と串木野鉱山(鹿児島)だけです。

菱刈鉱山は住友金属鉱山、串木野鉱山は三井串木野鉱山です。

今回の記事にある鉱山会社の一覧と株価

フリーポート・マクモラン(Freeport-McMoRan)
アメリカ・アリゾナ州フェニックス
主力:銅・モリブデン・金

採掘国:アメリカ(アリゾナ州)、ペルー、チリ、スペイン、フィンランド(コバルト精製所)、インドネシア

フリーポート・マクモラン株価

バリック・ゴールド(Barrick Gold)
カナダ・トロント
主力:金・銅

採掘国:カナダ、アメリカ、アルゼンチン、チリ、ペルー、ドミニカ共和国、パプアニューギニア、サウジアラビア、タンザニア、ザンビア

バリック・ゴールド株価

ニューモント・ゴールドコープ(Newmont Goldcorp)
アメリカ・コロラド州
主力:金・銀・銅

採掘国:アメリカ、メキシコ、ペルー、オーストラリア、インドネシア、ガーナ

ニューモントゴールドコープ株価

S&P500の銘柄に鉱山会社としては唯一入っています。

ポリウスゴールド(Polyus
ロシア・モスクワ
主力:金

採掘国:ロシア国内6箇所(クラスノヤルスク地方:2、イルクーツク州:2,サハ共和国:1、マガダン州:1)

ポリウス株価

ニュークレスト・マイニング(Newcrest Mining)
オーストラリア・メルボルン
主力:金・銅

採掘国:オーストラリア、インドネシア、パプアニューギニア、フィジー

ニュークレストマイニング株価

アングロゴールド・アシャンティ(アングロゴールドアシャンティ)
南アフリカ共和国・ヨハネスブルグ
主力:金・銀

採掘国:南アフリカ共和国、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、オーストラリア、タンザニア、ガーナ、ギニア、マリ、コンゴ民主共和国

アングロゴールド・アシャンティ株価

歴史に残るカナダの金鉱山会社ブレックスの詐欺事件

かつてカナダのカルガリーに本部を置いた鉱山会社でブリエックス社(Bre-X Minerals Ltd)というものがありました。

2003年に完全消滅したのですが、その理由がインドネシア・ボルネオ島のブサン金鉱山でおきたスキャンダルです。

1993年ブリエックス社はボルネオの土地を買い、1995年にそこで大量の金を発見したと発表します。

そしてペニーストックだったブリエックス社の株価が高騰します。1996年にはトロント証券取引所で286カナダドルをマークしました。

しかし1997年ブサン金鉱山で採取されたという金サンプルが偽造されたものであることが判明し、株は紙切れと化しブリエックス社も1997年に崩壊してしまいます。

これはカナダ株式市場、そして鉱山市場で最大のスキャンダルです。

このいわゆるブリエックス事件は2017年に映画にもされました。タイトルは「ゴールド/金塊の行方 」です。

興味のある方は是非ご覧になってください。

金投資に興味がある方も多いと思います。まず世界の金鉱山や採掘会社についてお伝えしました。