2019・アジアインフラ投資銀行(AIIB)の目的は習近平の中華帝国建造と世界制覇なのか
アジアインフラ投資銀行とはわかりやすく
上の画像からも分かりますようにアジアインフラ投資銀行のAIIBとは Asian Infrastructure Investment Bankの略であります。
本部は中国北京。中国主導のアジア地域を中心とする投資開発銀行です。
住所はB-9 Financial Street, Xicheng District, Beijing 100033, China
大変立派なな建物となっています。
創設の目的はアメリカと日本が主導しているアジア開発銀行に対抗するためです。アジア開発銀行は設立1966年と50年以上の歴史と実績があります。
しかし中国・習近平は2013年にAIIBの構想を発表、翌2014年には一帯一路構想も発表。AIIBで資金を集め、陸上シルクロード・海上シルクロードを中国の国益のために推し進めています。
AIIBのホームページでは自らを、「多国籍参加の開発銀行であり、アジア地域を社会的経済的に発展させるために活動している」と形容しています。
アジアインフラ投資銀行の参加国は100に達した
中国の経済発展のおこぼれを狙って多くの国が参加しています。投資すれば利子が、参加すればインフラ整備などに自国の企業が進出する場合多少有利に働きます。(AIIBはプロジェクトを参加国のみに開いているわけではない)
ヨーロッパ先進国で最初に参加の名乗りを上げた国はイギリスです。それを見たフランス、ドイツ、イタリアが4日後に参加を素早く表明しました。
最初から参加する気のなかったアメリカ(オバマ政権)はイギリスを含む同盟国に参加しないよう言っていましたが、イギリスは言うことを聞かずに参加したということになっています。
トランプ大統領は2019年6月4日に当時のイギリスメイ首相に対して「イギリスとアメリカは世界最強の同盟国だ」というような発言をしています。
まあそれはそうなのでしょうということにしておいてアメリカの他の同盟国はどのような国なのでしょうか。これは難しい質問です。
アメリカの一般人はアメリカの同盟国は2017年のニューヨークタイムズが発表した記事によると1位から10位まで順番に、カナダ、イギリス、オーストラリア、フランス、アイルランド、イタリア、ドイツ、ニュージーランド、スウェーデン、ノルウェーとなっています。
赤字はAIIB参加国です。カナダとアイルランドを除く全ての国が参加。ちょっと笑ってしまいます。同盟国と目される国にほぼ裏切られています。カナダは流石に隣国なのでバツが悪すぎたのでしょうか。
日本は勿論アメリカ様を立てて参加していません。ですが、アメリカは最強の同盟国であるイギリスから情報はふんだんに入ってくるでしょうから、実は日本だけが蚊帳の外なのではないでしょうか。
韓国は中国にしっぽを振って参加しています。
AIIBの承認プロジェクトは63投資総額12ビリオンUSドル
承認日順これまでの全プロジェクト
プロジェクトの内容を知ることでAIIB及び中国がアジア地域で何をしているかを包括的に知ることができます。詳しい情報はリンク先に個別ページでまとめます。
【2016年6月24日 4プロジェクト承認】
●タジキスタン:ドゥシャンベーウズベキスタン国境道路改善プロジェクト
●バングラデシュ:配電力強化拡大プロジェクト
●パキスタン:高速道路M-4プロジェクト
●インドネシア:貧民街改善プロジェクト
【2016年9月27日 2プロジェクト承認】
●パキスタン:タルベラ第5水力発電所拡張プロジェクト
●ミャンマー:ミンヂャン発電所プロジェクト
【2016年12月8日】
●オマーン:ドゥクム港の商業ターミナル開発プロジェクト
【201612月21日】
●アゼルバイジャン:アナトリア横断天然ガスパイプラインプロジェクト
2016年トータル9プロジェクト
【2017年3月22日 3プロジェクト】
●インドネシア:地方インフラ開発プロジェクト
●インドネシア:ダム安全プロジェクト
●バングラデシュ:天然ガスインフラ効率改善プロジェクト
【2017年5月2日】
●インド:アーンドラ・プラデーシュ州電力プロジェクト
【2017年6月15日 3プロジェクト承認】
●ジョージア:バトゥミ・バイパス道路プロジェクト
●インド:インフラ基金プロジェクト
●タジキスタン:ヌレーク・水力発電所復旧プロジェクト
【2017年7月4日】
●インド:グジャラート州地方道路プロジェクト
【2017年9月4日】
●エジプト:光電池ソーラー発電第ラウンドプロジェクト
【2017年9月27日 3プロジェクト承認】
●インド:送電システム強化プロジェクト
●アジア新興国IFCファンド
●フィリピン:メトロマニラ洪水管理プロジェクト
【2017年12月8日 3プロジェクト承認】
●インド:バンガロールメトロプロジェクト
●オマーン:ブロードバンドインフラプロジェクト
●中国:北京大気質改善及び石炭代替プロジェクト
2017年トータル15プロジェクト
【2018年2月9日】
●バングラデシュ:ボーラIPPプロジェクト
【2018年4月11日】
●インド:マディヤ・プラデーシュ州道路整備プロジェクト
【2018年6月24 3プロジェクト承認】
●インド:国際投資インフラプロジェクト
●トルコ:トゥズ湖ガス所蔵所拡張プロジェクト
●インドネシア:灌漑近代化プロジェクト
【2018年9月28日 3プロジェクト承認】
●インド:アーンドラ・プラデーシュ州道路整備プロジェクト
●エジプト:郊外衛生管理プロジェクト
●トルコ:エネルギーインフラプロジェクト
【2018年12月7日 2プロジェクト承認】
●インドネシア:マンダリカ観光インフラプロジェクト
●インド:アーンドラ・プラデーシュ州水道整備プロジェクト
【2018年12月18日】
●アジア:AIIBアジアESGクレジットマネージポートフォリオ
2018年トータル11プロジェクト
【2019年3月26日】
●バングラデシュ:電力アップグレード拡張プロジェクト
【2019年4月4日 3プロジェクト承認】
●ラオス:国道整備プロジェクト
●スリランカ:地すべり削減プロジェクト
●スリランカ:都市再生プロジェクト
【2019年5月21日】
●ネパール:トリシュリ川水力発電プロジェクト
【2019年7月11日 5プロジェクト承認】
●バングラデシュ:都市部水供給と衛生管理プロジェクト
●カンボジア:光通信網プロジェクト
●インド:緑化推進プロジェクト
●トルコ:地熱発電拡張プロジェクト
●アジア:アジア投資ファンド
【2019年7月22日】
●インフラプライベートキャピタル動員プラットフォーム
【2019年8月28日】
●複数国:アジア天候ボンドポートフォリオ
【2019年9月26日 3プロジェクト承認】
●パキスタン:カラチ下水道改善プロジェクト
●インド:タタ・クリーンテクノロジープロジェクト
●インド:都市部交通プロジェクト
【2019年11月11日】
●パキスタン:カラチ高速バスプロジェクト
【2019年11月12日 2プロジェクト承認】
●トルコ:TKYB再生可能エネルギープロジェクト
●複数国:SUSIアジアエネルギーファンド
【2019年12月6日】
●インド:ラージャスターン州太陽光発電所プロジェクト
【2019年12月12日 9プロジェクト承認】
●北京・天津・河北省・低炭素エネルギー化プロジェクト
●インド:西ベンガル洪水管理プロジェクト
●エジプト:エジプト銀行インフラプロジェクト
●カザフスタン:ジャナタス風力発電所プロジェクト
●ロシア:トランスポートセクターローン
●ウズベキスタン:村繁栄プロジェクト
●トルク:イスタンブール地震危機管理プロジェクト
●複数国:CITICキャピタルパンユーラシアファンド
●ネパール:電力分配システムアップグレードプロジェクト
2019年トータル28プロジェクト
インド、バングラデシュ、インドネシアが特にお多い印象を受けます。アジアから確実に地固めしていきトルコからヨーロッパ、エジプトから全アフリカとその触手を伸ばしていくのでしょう。
地球が漢民族、インド人、イスラムの3種族だけになってしまうのを食い止めなければなりません。