バングラディシュのグラミン銀行は貧民借金問題解決の一助になっているのか

2019年3月10日

アジア最貧国の一つバングラディシュのおさらい

面積は日本の半分以下ですが人口は約1億6000万人います。

BC4世紀からインドのマウリヤ朝やグプタ朝の属領でした。

この頃は仏教が盛んだったのですが、13世紀から北インドにできたデリースルタン朝がイスラム系であったので現バングラデシュもあるこのベンガル地方にイスラム教が入りました。

そして18世紀後半、悪の枢軸国であるイギリスの東インド会社によってベンガル地方は植民地化されてしまいました。

インドが1947年にイギリスから独立し、1971年バングラデシュはパキスタンから独立しました。

1日2ドル以下で暮らす人が1億人を超える国

一人当たりGDPが900ドル台といわけでして、これを365でわると1日あたり約2.5ドル。国民の殆どが2ドル以下でも全く不思議ではありません。

しかし人口の六割ほどが農業に従事しているので食べるものに困っている人はそこまでおらず、2ドル以下で暮らしているから猛烈な貧困状態にあるとは言い切れないようです。

イギリス人美人ホームレスのお話

周りのみんなが平等に貧しい状態であれば不満もそこまででないかもしれません。

家族と一緒に過ごす時間を大切にしており日本なんかよりずっとバングラデシュの国民は幸福であると述べているブロガーの方も散見されます。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)の送電線整備の融資や天然資源、インドと中国へのアクセスのしやすさで世界から注目されています。

日本はバングラデシュが独立した1971年からODAや海外青年協力隊,JICAなどを通して様々な援助を継続しています。ですからはかの国はとても親日国家と言えます。

人口1600万人のメガシティー・ダッカの日常風景

都市の喧騒と言うにはカオスすぎる2014年の動画。とにかくうるさいです。

鳴り止まないクラクション、人々の怒声、馬車にリクシャー。

私なら命がけだが手馴れた様子で道路を横断する人々。

「生命力」という言葉を思い出さずにはいられない動画でした。この9分の動画を見ている後半のほうでは、もはやクラクションの音が「オレハココデイキテル!」「オレモダ!」にしか聞こえなくなってきました。

マイクロクレジット。貧困層向けの銀行、グラミン銀行

普通の銀行から融資を受けられない失業者や貧困者向けに小額融資するマイクロクレジット。バングラデシュでは多くの貧困女性がグラミン銀行から融資を受けて何らかの個人事業を行い生活の足しにしています。

グラミン銀行の創設者ムハマド・ユヌス氏にノーベル賞

ムハマド・ユヌス氏はグラミン銀行を興しマイクロクレジットを始め、2006年にはノーベル平和賞を受賞しています。

宝石商の息子として生まれダッカ大学卒業後フルブライト奨学金をもらいアメリカの大学を卒業。州立大学で助教授をした後1972年にバングラデシュに帰国(パキスタンからの独立の翌年)、貧困問題に取り組みはじめます。

そして1983年ムハマド氏はグラミン銀行を創設しました。

マイクロクレジット、マイクロファイナンスは貧困ビジネスなのか

貧窮している方々の暮らしを少しでも楽にするために生まれたマイクロクレジット。何も問題がなさそうに思われます。

しかしエコノミストであり、マイクロファイナンスにも関わってきたヒュー・シンクレア氏の「世界は貧困を食いものにしている」を読むと大変暗い気持ちにならざるを得ません。

この本で説明されているグラミン銀行は、バングラデシュ通貨のタカによる自己資金で運営され、地域社会の富を構築するために利子と利益は地元で再循環されるとしています。

ですからグラミン銀行は地域の貧困の解決に繋がっているといえます。

何が問題かというとグラミン銀行をビジネスモデルとしマイクロファイナンスで金儲けを目論む外資系金融業者の
暗躍です。

利子と利益が地元で再循環せず、海外の経営者と投資家の手に渡るのであれば地元の経済が潤うことはありません。

この本ではマイクロファイナンス業者が行っている蛮行をメキシコ、モザンビーク、ナイジェリア、モンゴルという国々でしている事実が詳細に書かれています。

マイクロファイナンスは700億ドル産業なのだそうです。ほぼ7兆円産業。

結びに近いところ(P305)で筆者はこう書いています。

「世界から貧困をなくすという目的でマイクロファイナンスの700億ドルの使われ方が効果的なものであるのか?」

残念ながら数少ない例外を除いてこのビジネスは利益追求のためになされています。資本主義ですものね。

貧困を撲滅するという大義名分のもとあまり批判されずに堂々と搾取できることにうまみがあったのでしょう。

人間というか白人の資本家は本当に恐ろしい人種ですね。

企業へ貸すファクタリングという手法について