フェンタニルを使って中国がアメリカに仕掛ける麻薬戦争
画像:同様の効き目を得られるのに必要な量のヘロインとフェンタニルとの比較
フェンタニルとはどのような麻薬か
フェンタニル(Fentanyl)は鎮痛や麻酔に使われる合成オピオイド。手術の麻酔薬やがんの鎮痛薬として注射またはパッチで使われる。
非合法ドラッグとしては近年安価で少量で効くので他のドラッグの混ぜものとして急激にアメリカで出回っている。
上の画像でもわかるように同じ効果を出すのにヘロインと比べていかに少ない量で済むかが見て取れる。ヘロインの50倍と言われている。
だから純粋なヘロインと偽ってフェンタニルを混ぜて正規のヘロインの値段で売るともっと儲かるということで麻薬カルテルは好んで混ぜている。
最近のオーバードーズでは覚醒剤やヘロイン単体でのものはほぼなく、フェンタニルが一枚噛んでいるものがほとんどとなっている。それだけ人々がフェンタニルと知らずに薬物乱用をしているということだ。
アメリカでの麻薬オーバードーズでの死者は年間9万人
2019年9月から2020年の9月の12ヶ月での米国麻薬オーバードーズの死者は9万人と過去最多を記録した。
コロナパンデミックに入って2万人増えた計算になる。先行きの見えない経済、解雇、休業、失業などによる不安や精神状態の悪化をドラッグによって食い止めようとするものが増えている証拠だ。貧困に拍車がかかる悪い状態。
米国国立薬物乱用研究所のNora Volkow博士によると麻薬を使用しているとコロナにかかりやすく重症化しやすい。つまり死にやすい。
麻薬使用により健康状態が悪く免疫システムも弱体化しているといのがコロナにかかりやすい理由である。がしかし、死に至りやすいという面に対しては麻薬乱用者は麻薬の使用が発覚するので病院に行きたがらないというのが関係している。
だからコロナに罹患し我慢して悪化したのちに救急医療に繋がるというケースもある。コロナの症状を緩和させるためにドラッグを使用しオーバードーズで病院に行かずに死ぬというケースもあろう。
アメリカのフェンタニルは中国産。米中麻薬戦争状態にある
フェンタニルが非合法ストリートドラッグとしてアメリカに出回り始めたのは2013年頃とされる。
中国はフェンタニル生産の最も多い国の一つでアメリカに入るフェンタニルのほとんどが中国産。個人ユーザーがネットで注文し国際郵便で届くという。中国からの郵便物は多く全てを税関検査することは難しいが押収量は年々増加している。
またメキシコの麻薬カルテルが中国からフェンタニルを仕入れヘロインに混ぜてアメリカに密輸している。
中国のフェンタニル製造業者も中国から直でアメリカに郵送すると怪しまれるので、いったんメキシコやカナダ、カリブ海諸国に送り、そこから郵便で米国内に発送しアメリカ政府の監視をかいくぐっている。
これらの状況をしっかりと理解していたトランプ前大統領は2019年に郵便局と宅配業者に対してフェンタニルの探知を強化して配達拒否するように命令を出した。またそれ以前にも習近平に対して規制物質としてきちんと取り締まれと要請をだしていた。
コカイン中毒の息子を持つ親中派バイデン政権に変わり中国からのフェンタニル流入に歯止めがかかっていない。
イギリスが清朝をアヘン漬けにしてアヘン戦争をしたように今、中国がアメリカをフェンタニル漬けにしてフェンタニル戦争になっている。