大学生400人の学生ローンを卒業式で代理返済すると約束したビリオネア

2019年5月23日

アメリカの黒人一の富豪と言われているロバート・スミス氏は何者か

総資産額約5000億円でアメリカ一の黒人ビリオネアと言われているロバート・スミス氏は投資会社ビスタ・エクイティー・パートナーズの創業者兼CEOで現在56歳です。

2019年5月19日に行われたモアハウスカレッジ
ジョージア州アトランタ)の卒業式で卒業生約400名の学費ローン約44億円を援助する旨を発表しました。

因みにアメリカ一の黒人女性大富豪はオプラ・ウィンフリーさんです。

オプラさんも多く寄付をしている慈善家ですが、今回のスミス氏の学生ローン助成はオプラさんがケチに見えると報道しているニュースもあります。

ロバート・スミス氏は寄付金のハードルを上げてしまったのです。

リチャード・ブランソン氏は富裕層に重税すべきだと主張しています。

富裕層が儲けてもトリクルダウンしないことは証明されてしまいました。

自分がお世話になった地域社会において持つものが持たざるものへの寄付や施しが必要な時代です。

モアハウスカレッジ卒業式スピーチbyロバート・ブラウン

情報を得るための英語学習

アフリカから移り住んだ8世代の私の家系を代表して、学生ローンを帳消しするための助成金を出します!

そう彼が言った後、会場がざわめきどよめきMVP!のコールに変わります。

このような行為を次にあなたがた卒業生にもしてほしいこと(ペイフォワード)、アメリカンドリームをかなえられるようなコミュニティーを共に言動一致で達成しようと呼びかけました。

モアハウスカレッジは黒人のための男子大学です。卒業生にはマーティン・ルーサー・キング牧師や映画監督のスパイク・リーなどがいます。

借金して大学に行く価値はあるのか

ビスタ・エクイティ・パートナーズとは

この会社は2000年にロバート・スミス氏とブライアン・シェス氏によって創設されたプライベート・エクイティ、ベンチャーキャピタル投資会社です。

主に金融系、テクノロジー系、ソフトウェア系の企業に投資しています。

オフィスはテキサス州オースティン、イリノイ州シカゴ、カリフォルニア州サンフランシスコにあります。

2018年にはビスタは50を超えるソフトウェア会社を所有し総合的にはマイクロソフトオラクル、SAP(ドイツ)に次ぐ第四位の座にいます。

ロバート・スミス氏の生い立ちと経歴

ロバート・スミス氏は両親が共に博士号を持つ学校の先生です。

1962年12月1日にコロラドシ州デンバーで生まれます。

1963年8月28日、まだ乳児だった彼を母親が抱いて、ワシントン大行進に参加しました。

人種差別反対を求める20万人にも及ぶデモでした。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の有名な演説アイハブアドリームもこの時行われました。

高校時代にフィンランドのノキアが運営していたBell Labsのインターンシップに応募しますが大学生向けのプログラムであったため断られました。

それでも納得がいかず参加させてくれと毎日電話していました。結果MITの生徒が出席しなかったためその代わりとして参加が認められました。

その夏、彼は半導体の実験をそこでしました。

職業キャリアはAir Products & Chemicals社、グッドイヤー・タイヤアンドラバーカンパニー、Kraftフードでは化学技術者として働きました。

1994年から2000年までゴールドマンサックスに席を置き、後半はシリコンバレーの会社の吸収合併アドバイスをアップル、マイクロソフト、テキサスインスツルメンツ、eBay、Yahooなどの会社にしてきました。

彼が興したビスタ・エクイティ・パートナーズは関連会社を含め世界に6万人の従業員を擁します。

慈善家としてのロバート・スミス氏

現在カーネギーホールの理事長をしており、黒人として初めてその地位についた人物です。

2014年、the Fund II Foundationという公共チャリティー団体を立ち上げ、150億円以上の寄付や助成金を様々な団体にしています。

他にも人権団体の議長をしていたり、大学の監督官をしていたりします。

2018年には City of Hope というカリフォルニア州にある非営利の臨床研究センターに個人として最大の献金者となりました。

アフリカ系アメリカ人の人権向上にもお金をつぎ込んでいます。

お金を稼ぎながら社会貢献も徹底して行っている彼のような人間が増えれば世の中も良い方向に向かっていくと
多くの人に希望を与え続けています。

困っている人にただお金をばら撒くのでは根本の問題は解決しません。

例えばアフリカの子供の飢餓問題など、都市部にいるアフリカ人は見て見ぬ振りをして経済的自由を謳歌しています。

本来その国の人間が取り組むべき問題であるのに、飢えている子供に物資を届けるだけであれば永久に寄付し続けなければいけません。

しかも物資を現地のずるい連中に横取りされたり問題は山積しています。折角一般から募った募金が困っている人に届いていないことも多々あります。

学生の借金を帳消しし、借金返済のための人生から開放し次世代のリーダーを作るような彼のお金の使い方は有益だと思います。

クリントン財団のように内外から巨額の寄付を受けつつ一体世の中の何に役立っているのか不明な似非慈善団体とは大違いです。