見るに堪えないアフガニスタンの貧困。臓器を売って一時しのぎ。麻薬で死を待つ人も。

アフガニスタンの現在の貧困を理解するためにちょっとだけ歴史を知っていたほうがよいです。
こちらのアフガニスタンの歴史ページを先に御覧ください。

2022年のアフガニスタンの貧困率は90%を超えている?

2021年の8月にアメリカはアフガニスタンから完全撤退し、それからすぐに20年ぶりのタリバン政権が復活しました。

同年10月のAP通信によると「アフガニスタンは2022年半ばまでに貧困率が98%に達し、現在の貧困率72%から悪化すると予想されると、国連開発計画(UNDP)が報告書で発表した」とありました。

ウォールストリートジャーナルがアップロードした2021年4月ごろのアフガニスタンを伝える動画を見てみましょう。

アフガニスタンの銀行では現金が不足し国民は米や植物油なども買えない貧困に陥っています。一家を支えるために臓器を売る父親もいます。

米一袋に30ドルも払える人はほとんどいません。アフガン政権復活でこれまでも世界最貧国の一つでしたが状況は更に悪化しました。

国際連合世界食糧計画(WFP)によると95%の世帯が十分食料がない状態にあるといいます。これは1年前のUNDPの予想が合っていたことを意味します。

長年の干ばつとウクライナ戦争により穀物価格が上昇して国民に食料が行き渡りません。

加えてタリバン政権が国内外の送金を規制しているので貧困が加速しています。現地通貨の信用力がないため原材料輸入にも支障をきたしています。

腎臓の値段は一つ2000ドルから4000ドル

若くて健康な腎臓であれば4000ドルということでしょう。動画に登場している医師によると腎臓提供者の99%が経済的困窮者でわずか1%が本来の目的である疾患のある身内への腎臓提供とのことです。

生活のため家族を養うために自分の腎臓を売る。そんなことが横行しているアフガニスタンはこの世の地獄といっても差し支えないでしょう。

40歳のグラムさんは物乞いはしたくなくて2300ドルで彼の腎臓の一つを売ることにしました。このお金で娘たちを養育するために一息つけるようです。日本円で30万円ほど、これで何ヶ月ほど持つのでしょうか。そしてそのお金が尽きた時、他に売る臓器はありません。

アフガニスタン中央銀行で現金が不足している

70億ドル分のアメリカに有るアフガニスタン中央銀行の資産は凍結されているので国内の現金は限られています。

預金を持っているアフガニスタン人もアフガニスタン中央銀行が一日に引き出せる額をコントロールしているので長蛇の列に並び現金を小額引き出さなければなりません。

タリバン政権復活前はアフガニスタンの公共消費は主に外国の支援のもとなされていました。腐敗した政権に抜かれまくった後のものではありましたが現在よりはマシな状態でした。

ところがタリバン政権が復活したため人道支援団体などもアフガン国内にお金を引っ張ってくることが難しくなりました。どの国もタリバン政権を認めていないので支援も難航しています。

タリバンは中学以降の女性教育を禁止したり女性の仕事を制限していたりするので女性の収入が限定され経済に悪影響を与えています。そのことが国のGDPの5%低下の原因とされています。

アフガニスタンでの子供の労働問題

アフガニスタンの5歳から14歳の子どもの4分の1は、生きるために親から働きに出されています。

露天商、ポーター、靴磨き、店員、路上での紙や金属の回収などをしている子どもたちもいます。また、レンガ工場やカーペット産業で働く子供たちもいます。

カーペット織りはアフガニスタンで長い伝統を持ち、同国の最も重要な輸出品の一つです。

カブールでは、子どもたちがレンガ工場で働くことが一般的な仕事となっています。

1日1.40ドル程度で12時間働いている子供達がいます。

働く子供たちの多くはほとんどの場合、病気や呼吸困難、怪我をしやすい過酷な労働環境におかれています。大人と違って成長過程に有る子供へのダメージは大人より大きくなります。

子供は遊ぶことで脳が発達するものですが、小さいうちから労働をしていると心、脳、身体のいずれにおいても健やかな発達が妨げられてしまいます。アフガニスタンが平和な国に将来なったとしても児童労働の代償は生涯払い続けなければならなくなるでしょう。

TBSニュースディグの須賀川記者のアフガニスタンレポートが地獄すぎる

あまりの酷さに動画には年齢制限が設けられています。死体も紛れてカメラに写り込んでいるからでしょう。

アヘンやヘロインの世界最大の生産地であり、今や覚醒剤の主産地となったアフガニスタンでは、薬物中毒が長く問題視されてきました。薬物使用は、根強い貧困と、数十年にわたる戦争で傷つかずに済んだ家庭がほとんどないことが原因となっています。

2021年8月のタリバンによる政権奪取とそれに続く国際的な資金調達の停止により、国の経済が崩壊して以来、さらに悪化しているように見えます。

かつては何とかやっていけた家庭も、生計を断たれ、多くの人がかろうじて食料を買うことができる状態です。何百万人もの人々がタリバン政権復活後に困窮者の仲間入りをしてしまいました。

薬物使用者はカブールのあちこちで見かけられ、公園や下水溝、橋の下、開けた丘の上などで生活しています。須賀川記者がいた橋以外にもあのような光景が各所で見られるのです。

世界に見捨てられているアフガニスタン。そしてアフガニスタンの社会からも見捨てられた人たちがここを死に場所として来ているのでしょう。

国連による2015年の調査では、その年に薬物を使用した人は最大230万人と推定され、これは当時の人口の約5%に相当する。7年後2022年の数字は不明ですが、増加の一途をたどっていると考えられています。

タリバンはケシ栽培を根絶するため、積極的な麻薬撲滅キャンペーンを開始しましが同時に、国際的な支援を受けた追放された旧政府の、薬物使用者を強制的に収容所に入れるという政策を受け継いでいます。

2022年の初夏、タリバンの戦闘員は麻薬使用者が頻繁に訪れる2つの地域である丘の上と橋の下を襲撃しました。当局は約1,500人を集めたと発表しました。薬物中毒者達は、元米軍基地のアビセンナ薬物治療病院に運ばれました。

そこはカブール周辺にいくつかある治療キャンプの中で最大のものです。そこで住民たちは剃毛され、45日間バラックに収容されます。禁断症状が出ても、治療や投薬は一切受けられない。粗末な食事を与えることしかしません。

このようなキャンプは、依存症の治療にはほとんど役に立ちません。45日経てばまた元の地獄に戻るだけですから。