貧困ビジネス、特に生活保護ビジネスとしての無料低額宿泊所の問題点を解説。ホームレスや生活困窮者が搾取される現状、そしてそれに対する具体的な改善案について詳しく説明します。

無料低額宿泊所という悪質な貧困ビジネスが横行する日本という国

2021年4月21日

無料低額宿泊所とは

貧困記事を読んでいると無低という言葉が良く出てきます。これは無料低額宿泊所の略で、生活困難者が無料もしくは安い料金で宿泊できる福祉施設です。

この無低の運営ハードルはとても低く、都道府県知事への届出で企業だけでなく個人でもこの福祉事業をしてもよいことになっています。

事業形態は「宿泊のみ」と「宿泊+食事」の2つのパターンがほとんどです。このパターンに加えてソーシャルワーカーによる入所者への生活相談や就労指導がある施設が優良施設である可能性が高いです。

しかしそのような相談を謳っていても実際に何もしていない悪質な施設もあるので注意が必要です。

2018年の厚労省の発表では全国に無料低額宿泊所は570あり、入所者の人数は17000名にのぼるということです。

生活保護の申請の仕方

貧困ビジネス・生活保護ビジネスとしての無料低額宿泊所

ホームレスの人や生活困窮者の人々を援助するような口ぶりで生活保護を取らせてそのほとんどを搾取するヤクザまがいの手法が生活保護貧困ビジネスです。車上ホームレスの実態はこちら

駅や公園などホームレスの人が多いところに出向き、部屋とごはんに毎日ありつける上にお小遣いもあげると甘い言葉をかけ、生活保護申請をして生活保護費を一旦全額取り上げます。

ホームレスの場合は生活保護費は10万円前半くらいです。その中からベニアで仕切った2~5畳の部屋代(二人部屋二段ベッドなどもある)、粗末な食事代、共同トイレ・シャワーの利用料金、洗濯代として不当に搾取し、お小遣いとしては数千円~1万円ほど渡します。

このように理不尽にぼったくられたとしても雨露防げる屋根があり、毎日食事にありつけるのであれば、ホームレスよりましではないかと考えてしまいがちです。

私もそう思っていました。しかしホームレスの方にも当然ながら自由に生きたいという希望があり、月数千円ではタバコ銭にもならないしお酒も飲めないということになります。働いていればタバコやお酒は嗜んでよいが、ホームレスはダメ!なんてことはないのです。ホームレスの方だって勿論娯楽や嗜好品は必要なのです。同じ人間ですから。

しかし一旦生活保護を受けることができたならば本来はこれよりもっと良い暮らしができる筈なのです。

仮に12万円の受給があれば、5万で風呂付きのアパートを借りて3万円の食費、光熱費1万円としても9万円。残り3万円の余裕があります。

生活保護ではアパートの敷金も支給されるのでそのような心配をすることなくアパートを借りられます。

ずっと生活保護状態でいるもよし、自立できるように努力するもよしと自由が生まれます。

しかし悪質無低囲い込み業者に捕まってしまうと劣悪な環境に閉じ込められ一生その生活を強いられる現在と未来しかありません。他の入居者との会話を禁じられたり外出に制限があったりするところもあります。刑務所ですね。

トイレや風呂掃除をしなければいけないのは当然かもしれませんが、別の入所者(病気や認知症)の世話をさせられるところもあります。これは度を越しています。

そこには自由と希望がなく、ホームレスの方がましだと逃げ出す人もいるのは頷けます。

役所も安易に無料低額宿泊所を勧めてくるのが問題

自治体によって住宅扶助の限度額は決まっています。それを相談員の方に教えてもらい。賃貸物件を決めます。

良い物件があったら詳細と見積もり(初期費用を含む)を相談員に提出します。役所は住宅扶助の上限を超えていないか、物件のある場所は役所の管轄地であるかなどチェックされたら後日連絡が来ます。そして賃貸契約日を決めます。

契約が結べたら契約書と領収書を相談員に提出します。

このように少なくとも(引越し業者を使わないのであれば)3回は相談員と接触しなければいけません。

反対に言えば相談員はホームレスの方を最低3回はやり取りしないといけません。しかし無料低額宿泊所を推薦すればそれでおしまいです。無低の様子を見に相談員が後でくるようですがアパートも同様なのでやはり間のやり取りを無低に送れば省略できます。

生活保護の相談員やケースワーカーの方も安い給料の契約社員であることが多いので負担は軽いにこしたことはありません。申請者を水際で追い返す指導は公務員上司からくだされます。無低に放り込めという指示も公務員上司からななのでしょうか。

なにはともあれ、住むところがない場合無低に放り込まれるという状況が現在も横行しているようです。

ストリートで手配師に声をかけられて悪質無低にぶちこまれ搾取される。もしくはちゃんと役所に出向いて生活保護を受け、悪質無低に行くように言われる。手段は違ってもゴールが同じという悲劇です。

悪質でない無料低額宿泊所はこんな感じ

実際に生活保護を受けているユーチューバー(首都圏)の方が入居されていたきちんとした無料低額宿泊所です。彼は現在はアパートで部屋を借りられたようです。大変有益な情報を提供してくださっています。

部屋は狭いですが綺麗ですし、足を伸ばして寝られるのでネットカフェよりずっと良いです。新品のエアコンも完備されています。

布団もふかふかで温かいそうです。悪質なところだと前の逃げ出した入居者の汚い布団があてがわれることもあります。

4階建ての施設だそうですが、各階にトイレがあり、当番制でトイレや廊下階段を入居者で掃除し清潔に保たれています。

食事は朝7時と夕方6時の2回。洗濯機もあります。この施設は2,3,4階が入居用で全45室あります。

一室が内部で2部屋に区切られて個室となっており鍵もあります。悪質な場合は個室でもベニア板で区切られている場合や2名1室二段ベッドなどもあります。

1階には食堂、浴室、洗濯ルームがあります。

こちらの動画は埼玉の施設だそうです。利用料金は居室使用料が45000円、光熱水費11000円、共益費5500円、朝食9000円、夕食20000円基本サービス費7000円の合計97500円。

この方は23000円が手元に残ったそうです。ごはんと味噌汁がおかわり自由でおかずも美味しいそうですが、昼食なしで月29000円の食費は高いと思います。

一時はタコ部屋のような無料低額宿泊所も多くありましたが、社会問題になったので今では少し改善しているようです。

その分無届けで運営している無低も随分とあるようで本当に注意しないといけません。どう注意してよいかわからないのですが、、。この動画のにーちゃ様に相談するのもありだと思います。コメントで親切に色々教えてくださいます。

生活保護をきちんと受けられることになったら無料低額宿泊所よりも安いアパートで暮らす方がよいです。

しかし役所に無低を強く勧められ拒否できない場合でも最低限、施設名とその評判をインターネットで検索して判断する必要があります。