ミャンマーの貧困 電力普及率3割 過酷な児童労働と麻薬問題。

↑ミャンマー北西部の町タムーの様子

アジア最貧国ミャンマーで軍事クーデター

2021年2月1日、ミャンマーでミャンマー国軍がクーデターをおこし軍が国家権力を握りました。1年間の緊急事態宣言を出し軍が直接統治するとの発表がありました。

アウン・サン・スー・チーさんはまた自宅軟禁されることとなります。

ロヒンギャ虐殺を黙認しているように思われるミャンマーの国家顧問アウン・サン・スー・チー氏は欧米諸国にかつて貰った賞や名誉市民権を剥奪されています。

背後に見え隠れする中国共産党。非常にきな臭くなっているミャンマーですが、コロナも相まって国民はますます貧困に喘ぐこととなります。

最大都市ヤンゴンの様子を見てもあまり貧しさは伝わらない

2020年のヤンゴンの町の様子をドローンで撮影したものです。アジアのラストフロンティアと呼ばれただけあって、近年の首都ヤンゴンの成長は中国資本も入り目覚ましいです。

上空から見るとビルもニョキニョキ生えていてモダンな感じもしますが、ストリートは屋台や路上販売が多く東南アジア特有の光景となっています。

因みにミャンマーの首都はヤンゴンではなくネピドーです。

ミャンマーは人口約5400万人。最大都市ヤンゴンに約500万人、第二の都市マンダレーに120万人、首都ネピドーに110万人住んでいます。

車はほぼ日本の中古車で、日本と逆の右側通行で左ハンドルなのにそのまま日本車を右ハンドルのまま使っているカオス状態の道路事情となっています。

大都会ヤンゴンから川一本超えた南のダラ郡は未開の貧困地帯

フェリーでヤンゴン川を渡るとそこはヤンゴン市ダラ郡区です。かろうじて舗装道路があるといった風で、商売用の小型トラック以外車は見当たらす、自転車と原付バイクばかりになります。

この地区にヤンゴンから来るための橋がないので未開の地となっています。将来橋は韓国企業が作る予定だとのことです。

日本はフェリーを数隻寄付しているようなので日本人がダラに行くためのフェリー代は無料だそうです。ですがダラには悪質なぼったくり自転車タクシーが多くあまり日本人は行かないほうが良いとのことです。

人々は掘っ立て小屋に暮らしています。電気はきているようですが、上下水道はいまだありません。汲み取り便所に井戸水生活です。洗濯は川。

川一本隔てて橋がないとここまで原始的になっています。

ストリートの女性が顔に塗りたくっているものはタナカという化粧で、木からできた粉で美容に効果があるとされるミャンマー伝統のものです。

ミャンマーの農村部の貧困が凄まじい

動画は2015年世界銀行が制作したものです。

ヤンゴン管区のブウタルス村の状況です。この村には電気が通っていません。2015年の時点ではミャンマー全体の30%にしか電力は行き渡っていません。

田舎の地方では84%が電力へのアクセスができていない状況です。

子どもたちはテストが近いとろうそくの明かりを頼りに勉強しないといけませんが、ろうそくも高くて買えないと勉強もできません。

子供の帰りが遅く心配していたらようやく帰ってきたけれどヘビに噛まれた状態。車も何もないので病院に走って連れて行ったが間に合いませんでした。

街灯もないので真っ暗中を歩かねばなりません。日が落ちた後はとても危険なのです。

ミャンマーでの一人当たりの平均年間電力消費量は160キロワット時で、世界平均の20分の1です。

世界銀行がミャンマーの電力化を支援するプログラムでは2020年までの全世帯の50%電力アクセス、2025年までに75%、そして2030年までに100%にすることになっています。

計画通りにいったとして全国民が電力を享受するまでにまだ10年もかかるというのです。

ガソリン車の販売を2030年までにゼロにしようという動きが日本にもありますが、そんな頃になってやっと電気が町にくる!なんてことになるのですね。

ミャンマーでは120万人の子供が働いている

13歳の男の子が建築現場で働いています。家族をサポートするためにこの少年は10歳で小学校に行くのを辞めました。

学校に行くのは好きだったし数学も得意だった。お父さんの稼ぎだけでは学校に通い続けることはできなかったそうです。

ミャンマーでは120万人以上の子供が働いています。若いと5歳から何らかの労働をしています。

法律上はフルタイムの仕事は16歳下らですが、目覚ましい経済発展が理由で労働力の73%が未登録ビジネスに雇用され法律もあってないに等しい状態となっています。

よって子供も屋台の売り子、ゴミ収集、炭鉱、工場労働、喫茶店の店員などありとあらゆる職種についてお金を稼いでいます。

小さい子どもなのでミスはよくするでしょうが、大人に暴力を受けたりもしますし適正な賃金を支払われないことも頻繁にあります。

15歳で家政婦として都会に出稼ぎに行かないといけない女の子。母親は都会で娘が人身売買されないか心配ですが、15万円の借金があるので仕方なく娘を見送ります。

政府は16歳未満の子どもにフルタイムの仕事をさせた業者を罰金と3ヶ月の懲役に課すことを決めました。

しかし検査官が来たら子どもは隠れたりしてやり過ごしています。万一見つかったとしても賄賂を支払えば見逃してもらえると思います。このような発展途上国にはよくあることです。

シャン州・カチン州の麻薬問題

ミャンマー、タイ、ラオスの三国は麻薬のゴールデントライアングルと呼ばれています。ヘロインの原料であるケシの生産世界一はアフガニスタンですが、2位がミャンマーです。

ミャンマー北部のカチン州、シャン州は中国と接しており、そこで作られたヘロインや覚醒剤が中国を通して韓国、日本、オーストラリアに流入しています。

北部ではミャンマー軍と少数民族勢のカチン独立軍とが60年以上に渡って紛争状態にあり、そのどさくさに紛れてケシや覚醒剤などの合成麻薬の製造が盛んになっています。武装グループによって管理されています。

政府もケシ畑撲滅のキャンペーンを続けており、多少ケシ畑の耕作面積は減っていますが、2021年現在もケシの生産は世界2位であります。そしてケシ畑が潰されても良いように覚せい剤生産にシフトする動きもあります。

純度の高い良質の覚せい剤は国外に輸出し、純度の低い安いヤバ(yaba)と呼ばれるものはローカルの貧しい人々に売られます。

翡翠の採掘とトウモロコシ農業くらいしかまともな働き口がなく、そのような貧しい大人に麻薬業者は無料でヤバを配り、中毒にしてから料金をとり始めます。

麻薬を得るために我が子を売る親もいます。中国人もミャンマーの子どもを買っているようです。

また親の麻薬の借金がかさむと結婚年齢に達していない娘を武装グループのリーダー格の70のじじいに嫁がせたりすることも横行しています。

児童労働で長時間働いている子どもが疲れを癒やすためにヤバを利用していることもあります。

北部貧困地帯はこの世の地獄と化しています。

ミャンマー全土に普通の暮らしが訪れるには今から30年以上かかるような気がします。