イギリス・ロンドンの貧困家庭が失業率上がり激増。子供の貧困も深刻

2021年1月16日

クリスマス色に染まるロンドンアイ(観覧車)周辺の様子。

ロンドン・エクレストンスクエアホテル周辺のクリスマス電飾

キリスト教国なのにクリスマスと無縁なイギリスの貧困家庭

ニューズウィークによるとロンドンの子供のうちの37%である70万人が相対貧困にさらされ40%がクリスマスのプレゼントを一個ももらえず、33%が真冬なのにお金がなく暖房を使えない状態で暮らしているということです。

上の画像のようにクリスマス一色となりきらびやかなシーズンは1年で最も貧困で喘ぐ人々に惨めさを再認識させる残酷な時期となります。

隣の子のお弁当は豪華で綺麗なキャラ弁なのに私のお弁当は冷凍食品の茶色弁当とか。そんなのが霞んで見えるくらいの格差をこの夜の電飾を見て子供は感じることでしょう。

コロナ禍でイギリスの失業率は2021年、7.5%まで伸びると予想されている

2020年9月時点でのイギリスの失業率はここ2年間で最悪の4.9%でしたが、2021年の半ばには7.5%を突破する可能性があるとガーディアン紙は伝えています。

2020年3月から6月の半年間で70万人が失業したとイギリス政府は発表しています。

欧州航空大製造会社エアバス15000人の従業員削減

コロナ禍の2020年7月、欧州航空大製造会社エアバスは向こう1年間で1万5000人の従業員を削減することを発表しました。

約5万7000人いる従業員のうちの1万5000人削減なので約25%の人員カットとなります。大変な規模のリストラです。

イギリスレストランチェーンアッパークラスト従業員5000人削減

Upper Crustはイギリスの駅や空港内でパン屋コーヒーなどの軽食を扱うキヨスク的レストランチェーンです。

イギリス国内だけではなく、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、スペイン、エジプトでもビジネス展開しています。

コロナで人の移動が制限されアッパークラストは大打撃を受けています。2020年の5月は前年同月比で95%マイナスというビジネス存続レベルでの危機に瀕しました。昨年6月の発表で従業員5000人カットです。

イギリス航空会社イージージェット従業員3割削減

1995年設立のイギリスLCCイージージェット(easy Jet)が従業員4500人の削減を発表。

ロンドン・スタンステッド空港、ロンドン・サウスエンド空港、ニューキャッスル国際空港からの発着の路線を廃止しました。

コロナ前の収益レベルに戻るのは2023年以降になるだろうと会社は表明しています。

フォーチュン・グローバル500のコンサル会社アクセンチュアも900名削減

フォーチュン・グローバル500にも選ばれているアイルランド本社の経営コンサルティング会社アクセンチュアですが、イギリス国内の従業員900名を削減することを発表しました。

グローバルでも人材の5%を削減すると2020年8月に発表しています。世界で約1万人が解雇される予定です。

日本にも法人があり(アクセンチュア株式会社)社員があ1万5000人います。

イギリスの若者の失業率は20%で過去40年で最悪

イギリスは2020年3月からこれまで3回のロックダウンが行われ、雇用面では若者がより簡単に首を切られ、失業率も若者に限っては20%になっています。

2020年の4月から5月までのわずか1ヶ月間で210万人もの人々が失業保険の申請を申し込んだとのことです。この驚異的な申込者の数は1971年以来です。

18歳~24歳の若者の3人に1人がコロナの影響で以前より減収になっています。

若者は社会でのキャリアが短いため経験も少なく転職がうまくいかない傾向があり、失業期間が長期化しています。

両親と同居している場合はまだ援助があるためマシですが、一人暮らしで失業した場合、次の家賃のあてもなく途方にくれている若者も多くいます。

簡単な仕事でさえ奪い合いの状態になっているので、競争が激化し、弱者は面接にすら至らないという状況になっており、就職できない上に将来の不安でうつ病になる若者も増えています。

コロナ以前2018年イギリスのワーキングプア状況

動画で保育士のヴィッキーさんはシングルマザーで週16時間働き生活保護と合わせて月1600ポンド(約22万円)の収入があります。その3分の2つまり14万円ほどが家賃に消え(ロンドンの賃貸はとても高い)、残りは一日2400円ほどで生活しないといけません。

おむつも子供の洋服も買う余裕はなく、地域のチャリティーで賄っています。生活保護を受けずにフルタイムで働くと子供を預けるお金が物凄くかかるのでヴィッキーさんはそうできません。

1人親の家庭から明日食べるものに困るような状況がコロナ前からイギリスではおきています。

コロナ禍においては被雇用者・個人事業者共に休業補償はサラリーの8割ほどイギリス政府が保証してくれるようです。

コロナウイルスが変異してロックダウンを繰り返すイギリスは収束する見込みがありません。

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