消費税は金持ちより庶民の負担が大きい。国別消費税一覧も公開
世界的に格差社会が広がっています。
いいか悪いかは別として、資本主義というのはお金を稼いだものが勝ちというマネーゲームであります。
ですから政府も中央銀行も富裕層のための政策を日々練らないと自らの存続にも影響がでるわけです。
所得税、法人税、相続税などの引き上げは彼ら富裕層の利益を守るために絶対してはなりません。
それで私たち庶民に消費税という形でしわ寄せがくるのです。
金持ち、貧乏人とも同じ額を消費した場合全資産に対する支払った税金は金持ちには微々たるものでも貧乏人には凄い割合となります。
まあ金持ちと貧乏人が同じ消費のわけありませんが。
財務省の消費税増税の理由とメリット
財務省はホームページで「なぜ所得税や法人税ではなく消費税の引き上げを行うのか」という国民の疑問に対して説明しています。
①少子高齢化で高齢者が増えていて、それらの社会保障の財源を特定の者に負担が集中しないように考えた場合国民全体で負担できる消費税が妥当であること。
②そして景気に左右される所得税や法人税での税収よりも消費税のほうが安定した税収が見込めているとのことです。
①についてですが、確かに消費という行動は国民全員がするものです。
しかし家計に占める消費の割合を考えないといけません。
月に10万稼ぐ人はその全てを消費に回さないといけませんが、月1000万稼ぐ人は10%程度の100万くらいではないでしょうか。
極端な例で書きましたけれど、そういうことです。
富裕層と庶民とでは消費に回すお金の割合が全然違うのです。
消費税が上がると庶民はダイレクトにダメージを喰らいますが、富裕層は所得税、法人税を上げられないどころか下がるのであれば消費税の増税など痛くも痒くもないのです。
というわけでして、消費税増税というのは富裕層を除く特定の人々を苦しめる政策といえます。
②について財務省は法人税、所得税の税収が減少しているのに対して消費税が安定しているグラフを示しています。
消費税は上がる一方で所得税、法人税は減税されているので当然のグラフです。
完全に国民をバカにしていますね。
所得税、法人税は不景気の時に税収減少していると言っていますが、減税したら税収減るのは当然です。
こんなグラフ見せて国民に納得しろというのは随分私たちも舐められたものです。
2019年10月から本当に消費税を10%にしてもよいのかどうか。
7月の参院選が最後の砦となります。野党で消費税増税反対を表明しているのは立憲民主党、国民民主党、共産党、日本維新の会、社民党などです。
3%の消費税が始めて導入された1989年、3%から5%になった1997年、5%から8%になった2014年、過去三回いずれも増税後に景気が悪化しています。
今回はどうなるでしょうか。
主要国の消費税一覧とその国の経済
国税庁のホームページを参考に消費税率が高い国順に書いて行きます。(国税庁のホームページにないものも記載しています)。
【ハンガリー 27%】
小麦などの穀物は18%の軽減税率。
肉、卵、ミルクなどの食品、本や薬の類は5%の軽減税率。
レストランなどの飲食店での食事も5%となっています。
所得税は一律15%。累進課税が適用されていないところにやや不公平感を抱きます。
オーストリア=ハンガリー二重帝国、王制廃止でハンガリー人民共和国、ソ連ゴルバチョフのペレストロイカにより急速に民主化され現在のハンガリーとなりました。
GDPはドイツの半分以下でEU頼みの経済。
巨額の財政赤字がありますが、公務員の数は多く、福祉にも力を入れているようですが、貧富の差が広がり国の舵取りがうまくいっているとは思えません。
【デンマーク 25%】
食料品や生活必需品は消費税が低く抑えられている場合が多いですが、デンマークはなんと食品も同率消費税で25%かかります。
加えて所得税も25%。一定額を超えると所得税は累進課税になります。
富裕層だけを優遇している税制ではないことが分かります。
その代わり福祉サービスが大変充実しています。教育費、医療費、出産費用など全て国が持ちます。
【スウェーデン 25%】
高福祉国家としてまず思い浮かべてしまう北欧の国スウェーデン。
教育費無料!羨ましい!なんて思ってしまいがちですが、教師不足に喘いでおり、質の良い教師に当たる確率が非常に悪く均一な教育を受けられないことが問題と
なっているようです。
移民の受け入れをしたことから2013年の段階で人口の15%が外国人となっていました。
移民申請を受理されればその人達にも様々な福祉サービスを提供しないといけなくなります。
受理されなくとも違法移民として居座り続けてしまいます。その結果治安の悪化や暴動が起きたりしています。
ストックホルムに次ぐ規模のヨーテボリでは約3500人のホームレスがいるといわれています。
ストックホルムのホームレス人口はもっとでしょうか。
【ノルウェー 25%】
スカンジナビア半島のもう一つの福祉国家ノルウェーをみてみましょう。
一人当たり名目GDPがなんと70500USDおよそ1000万円ですね。日本は38800USD。日本の2倍に迫ろうとしています。
日本の平均だとノルウェーでは低所得者層ですね。これだけの年収があれば消費税高くても公平な気がします。
一人当たりGDPは1位ルクセンブルク、2位スイスで3位にノルウェーが来ています。
【アイスランド 24%】
2014年までは25.5%と世界で最も高かったですが2015年から24%となっています。
アイスランドはEUに加盟していないので、通貨はアイスランド・クローナです。
2008年の金融危機の時はあわや国家破綻まで追い込まれました。
銀行が国有化されアイスランド・クローナの暴落で輸出産業と観光が賑わい、景気が回復しました。
ヨーロッパで消費税が20%を超えている国残り5カ国
【イタリア 22%】
2015年の失業率は役12%。人口約6000万人とヨーロッパ第五位ですから、失業者の数も凄いことになりますね。
因みにヨーロッパの人口一位はロシア1億4千万、二位、ドイツ8千2百万、三位イギリス6千5百万、四位フランス6千4百万となります。
重要な食料品に関しては4%の税率に押さえられています。
2010年の欧州債務危機の際にイタリアは不名誉なPIIGSの仲間入りをしてしまいました。
財政金融部門の回復が自国の力では無理だろうと判断された国の頭文字がPIIGSです。
ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインの頭文字です。
2017年のイタリアの経済成長率は2%近くになる見込みであるとジェンティローニ首相は昨年度末に豪語していましたがいったいどうだったのでしょうか。
【オランダ 21%】
オランダの人口は1600万人ほど。
経済状況は悪くないようです。概ね3%の経済成長を続けています。
オランダは鎖国時代の日本とも貿易していてなんとなくなじみがあるようで、現在は積極的に取りにいかないとあまり日本には情報が入らない国ですね。
しかしたったこれだけの人口で経済規模が世界17位というのは驚きです。
ハイネケン、ユニリーバ、フィリップス、ロイヤルダッチシェル、など強力な企業を持っています。
ですが2014年10月のダッチニュースによりますと国民の14%である250万人が貧困ライン以下の生活を送っているそうです。
格差社会の問題はオランダでも例外ではありません。
【ベルギー 21%】
九州くらいの面積で人口1000万人。
こんな小さな国にも南北問題があります。
サービス業・工業が発展しているオランダ系のフランデレン地域が北。
鉄鋼業(石炭含む)のフランス系のワロン地域が南。
移民も流入して格差が広がっています。
【フランス 20%】
経済規模、世界でドイツに次ぐ5位。
EU最大の農業国でありながら軍需産業から宇宙航空産業、化学産業そして自動車と幅広い産業に強みを見せています。
そのうえ観光においては常にトップで観光産業もいつも潤っています。そしてフランス国民自らもバカンス取得率がヨーロッパで最も高く30日も年間とってバカンスに出かけています。
しかし高所得者と低所得者ではもちろんバカンスで取る日数が異なりここでも格差は見られます。
フランスにはイスラム系の移民だけで500万人ほどいるといわれています。他からの移民もあわせると700万人ほど。人口の10%を超えています。
マクロン大統領は露骨に富裕層を優遇しています。
そりゃテロや暴動も起こります。黄色ベスト運動も長引いています。
【イギリス 20%】
ロンドン・シティーの記事はこちらにもかきましたが、
イギリスのEU脱退で金融の恩恵が受けられなくなるため(単一パスポート制度)多国籍企業がシティー離れする可能性があります。
日産もエクストレイルのイギリス工場生産を止めましたね。
多国籍企業の従業員が地域に落としていたお金も企業が他の国に逃げてしまっては失われることとなります。
そしてイギリスはアメリカや日本と同様に子供にまで貧困が押し迫っています。
消費税が高い国のまとめ
国全体が割りと豊かな国では構わないのですが、格差や貧困の問題がを抱えている国ほど、食料品については軽減税を導入しているとはいえ、裕福層に有利となっているのは否めません。
格差が広まれば広まるほど、権力は一極集中しますから政治の流れも変えられる見込みは少なくなります。