商工中金の不正融資と人員削減。政府系金融機関の汚職は許せない
日本政策金融公庫の危機対応円滑化業務とは
日本政策金融公庫(日本公庫)は非上場ですが、株式会社であり、主要株主は97%が財務大臣という財務省管轄の特殊会社で政府系金融機関です。
他の株主も経済産業大臣、農林水産大臣、厚生労働大臣が残りを占め、100%日本政府が株を所有しています。
2008年設立と歴史は浅いですが、以前からあった国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫が統合した形となります。
この日本政策金融公庫が指定した金融機関に金融混乱や災害時に国が利子の一部を負担して融資します。デフレ不況も立派な金融混乱として利用されています。
国の負担率は約0.2%。血税が投入されているわけです。
これが日本公庫の危機対応等円滑化業務です。
日本公庫が指定する金融機関とは日本政策投資銀行と不正融資で問題になっている商工中金です。
株式会社商工組合中央金庫は経済産業省のおいしい天下り先
天下りは米口語でrevolving-doorといいます。英語力をつける記事はこちら
長いこと経済産業省の人間がトップについて来ており2017年の組織ぐるみの不正融資でトップが民間出身に挿げ替えられました。官僚が甘い汁をすってきたのです。
不正発覚時の社長は安達健祐氏で元経産事務次官です。ほとんどまともな仕事をせず、高齢者なのに年収2000万円で退職金も1000万円越え。素晴らしいですね。
安達氏は退官後も、日本生命特別顧問、旭化成取締役、東洋エンジニアリング取締役などに天下り、それぞれから給与と退職金を貰っていますよね、当然。退官してからも余裕で億単位稼げるのはさすがエリート官僚です。
このような人材育成のために我々の税金が使われていると思うとやるせなくなりますね。
商工中金の危機対応融資を使った不正の手口
先程上で説明した危機対応融資を使って商工中金は不正融資をしていました。
危機というほど危機ではない会社には融資することはできません。
それで売り上げを改竄して儲かっていないように見せかけたり、経営状態がよくないように見せかけて融資できるようにしていました。
2017年、、経済産業省、財務省、金融庁、農林水産省から行政処分を受けています。
天下り元である経済産業省や財務省からの行政処分とは何か腑に落ちないものを感じます。
半官半民の政府系の政府系金融機関が不正に手を染めたその目的
2001年から2006年まで総理大臣を務めた小泉純一郎氏の小泉内閣で推し進められた行政改革のもと、商工中金も段階的に民営化が進められてきました。
しかし2008年リーマンショックに端を発した世界金融危機で完全民営化は危険との官僚都合の意見がまかり通り、半官半民で落ち着いていました。
おいしい天下りの一つですから商工中金の存在意義を示すために融資をバンバンやって実績を作っておけば経済産業省のドル箱を維持できます。
そういう意味合いでノルマを課して組織的に不正融資をしていたのではないかという指摘もあります。
その後2018年には業務改善計画を出し、人員削減や融資の見直しとこれからの取り組みを発表して、商工中金のホームページで進捗具合がPDFファイルで見られるようになっています。
一応完全民営化する流れにはありますが今後商工中金がどのようになっていくのかはまだ不透明であります。
商工中金社長 関根正裕氏と江上剛氏との銀行についての対談
商工中金の現在の取締役社長は元プリンスホテルの常務だった関根正裕氏と元みずほ銀行築地支店長で現作家の江上剛さんの対談です。
業績を上げ続けないといけないというプレッシャーで不正に手を染めてしまったところがあるので、関根氏は支店ごとに目標を割り振ることと支店の営業担当者に個人のノルマを課すことをやめたのだそうです。
新社長体制で悪からの体質改善がなされるか注目です。