フェンタニルを超える脅威 ― 新型合成オピオイド「ナイタジン」とは?

フェンタニルを超える新型麻薬「ナイタジン」とは?

カナダの公共放送CBCニュースが最近取り上げたのは、いま世界中で急速に広がっている新型麻薬 「ナイタジン(Nitazenes)」 です。

これは1950年代に製薬会社が開発したものの、あまりに強力すぎるため医薬品化されずに葬られた薬物でした。ところが近年、違法市場で「フェンタニルを超える効率の良いドラッグ」として再登場し、欧米を中心に深刻な被害を引き起こしています。

以下に日本語の要約を掲載しておきます。



驚異的な強さ ― フェンタニルのさらに上を行く

まず、麻薬の強さを比較すると以下のようになります。

  • モルヒネ:基準値1

  • ヘロイン:約2倍

  • フェンタニル:最大40〜100倍

  • ナイタジン類(特にイソトニタジン):最大500倍

つまりフェンタニルを超える致死性を持ち、ほんの数ミリグラムで命を奪うことができます。CBCの取材では「たった1錠で死亡した」との事例も紹介されました。ナロキソン(解毒薬)が効きにくい場合があるとも指摘されています。


カナダで広がる被害

CBCの調査によれば、2021年以降カナダで300人以上がナイタジンにより死亡、またはその疑いで死亡。警察の押収記録では、ケベック州で摘発された2件の事件だけでも、100万錠を超える偽造医薬品にナイタジンが混入していました。

つまり、一般人が「睡眠薬」や「鎮痛剤」と思って手にした偽造薬が、実際には命を奪う毒薬だったのです。


犯罪組織にとっての“魅力”

なぜフェンタニルではなくナイタジンが選ばれるのか?
背景には 「効率性」 があります。
強力な薬物であれば、少量を混ぜるだけで十分に中毒効果を得られるため、輸送量を減らし利益率を高められるのです。


出どころは中国、そして世界の闇市場へ

CBCの調査では、ナイタジンの約75%は中国から供給されていることが判明しました。インド経由の取引も確認され、オンライン市場には「Nitazene」関連の広告が氾濫。
X(旧Twitter)、Reddit、LinkedIn、Google検索、さらにはAdobe傘下のBehanceやインドのECサイトにまで出品が確認されました。

調査班が接触した14の売人は、インド・中国・イギリス・アメリカにまたがる国際ネットワークに属しており、すべてオンライン広告を通じて数分でコンタクト可能でした。


巧妙すぎる密輸ルート

押収例や売人の証言からは、驚くべき密輸手口が明らかになりました。

  • ペットフードに隠す

  • 洗剤や香辛料として偽装

  • バスケットボールに詰め込む

  • 中国の漢方薬や急須の中に隠す

さらに国境越えには「デトロイトからウィンザーへのトンネル」が頻繁に使われ、わずか10時間でカナダに届くケースもあるといいます。


CBCが掴んだ決定的証拠

記者が売人に「カナダに送った証拠を見せろ」と迫ったところ、彼らは過去の出荷記録を提示しました。
FedExの追跡番号付きの実際の配送履歴や、「真珠光沢顔料」と偽装した輸出証明まで存在していたのです。

ここまで堂々と組織的に展開している事実は、ナイタジンが単なる新薬物ではなく、すでに世界規模の巨大市場を形成していることを示しています。


専門家と警察の警鐘

「これはもはや商品ではなく、死そのものを取引しているのだ
カナダの警察関係者は強く警告します。

ナイタジンは一部の国で規制が進みつつありますが、対策が後手に回ればフェンタニルを超える規模で世界の麻薬禍を拡大させかねません。


日本にとっての警告

日本ではまだ「フェンタニル危機」が十分に認知されていません。
しかし、すでに海外ではその先に「ナイタジン危機」が進行中。
水際で防げなければ、日本にも偽造医薬品や粉末として入り込む可能性は高いでしょう。


まとめ

  • ナイタジンはフェンタニルを超える強力な新型合成オピオイド

  • カナダで300人以上死亡、世界中で拡散中

  • 出どころは中国やインド、ネット広告で氾濫

  • 巧妙な密輸手口(食品・雑貨に偽装)

  • 日本での認知度はほぼゼロ → 早期の警戒が必要

フェンタニル同様にまた中国が出所のメインとなっています。
とんでもなく邪悪な国ですね。

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