韓国の貧困問題ドキュメント。掘っ立て小屋生活からホームレスまで

2021年4月19日

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韓国経済発展のおさらい

上の動画は2016年のもので今から5年前です。韓国というか朝鮮半島は長きに渡って中国への朝貢国でしたが、日清戦争の下関条約によって大日本帝国は清に対して朝鮮を独立国家として認めさせました。

1897に朝鮮は中国の冊封体制から抜け出すことができ、大韓帝国と名乗るも不甲斐なく1905年に日本の保護下に置かれ、1910年には韓国併合。以来1945年の大日本帝国降伏までの35年間日本の植民地でした。

1945年8月ソ連が日ソ中立条約を破って満州に攻め入り北緯38度線で朝鮮半島が分断されることになりました。

韓国は1950年から53年まで約3年間続いた朝鮮戦争で荒廃し経済もどん底となりました。

しかしその後アメリカによる莫大な経済的技術的支援と日本と韓国の条約(日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約)によって大きく経済発展することとなりました。

ここからの驚異的な韓国経済発展は第二次大戦後の西ドイツの経済復興時の「ライン川の奇跡」になぞられ「漢江の奇跡」と呼ばれています。


資料:U.S. Bureau of Labor Statistics

GDPも50年間で2.63ビリオンドルから1.84トリリオンドルと驚異的な伸びを示しました。

韓国社会に見捨てられスラム街に住む老人達

このような経済発展ができたのは欧米と日本の支援でしたが、その下で働いた人々の働きによるものでもありました。

そして彼らは今は高齢者となりその半数が貧困状態にあるといいます。動画では政府が出す生活保護費は2万円ほどと言っていますが、現在は4万7000円ほどであるようです。これでも十分な生活ができるレベルではありません。

そして生活保護を受けている貧困者は全体のわずか35%という少なさです。生活保護を受ける条件が非常に厳しいようです。

韓国は1997年通貨危機でIMFに支援要請をしました。救済の条件は新自由主義のシステムを導入することで、資本の自由化及び雇用を正規から非正規にシフトさせることでした。結果大量の失業者をだすことになります。福祉を厚くする必要性がありますが、日本ほど手厚くはなっていません。

そもそも誇れるような文化や伝統が韓国にはないというのもあるでしょうが、韓国人はいつも最新のものに飛びつく傾向があります。

経済が傾き、両親の老後の世話をするという儒教文化も急速に消滅しつつあり、両親の面倒をみる人が2016年時点で過去に90%だったものが37%にまで減少しています。

その意味するところは親の世話をするよりも自分や自分の子どもたちにお金を使う人々が増えたということです。

韓国の高齢者自殺の割合はOECD加盟国の中でトップです。社会から見捨てられた老人がスラムに住み、それすらにも住めなくなるとホームレスになり、そしてついには自殺するという高齢者地獄が韓国にはあります。

映画「パラサイト半地下の家族」でも話題になった半地下。対北朝鮮との戦争にそなえて防空壕代わりの地下室を備えなければならない時代があったとのことです。じめじめして使いみちがないところを安値で貸し出すことが流行ったわけですが、そんな半地下住宅でさえ今では高値で取引されているということです。

韓国最大のスラム街九龍村(구룡마을=Guryong Village)の様子

韓国最大のスラムである九龍村は江南地区にあり、1988年のソウルオリンピックのために急速に進んだ都市化で立ち退きにあった低所得者層の逃げ場所として不法占拠された土地が出発点です。

詳しい人口統計調査がこれまでに行われていないのですが、2500~4500人の住人がここにいると推測されています。

2025年までに再開発をしアパートをここに建設する予定があるとのことです。現在の住民のほとんどが60歳以上の高齢者です。

掘っ立て小屋が立ち並ぶ中、普通自動車もところどころにあり、ここから通勤している人もいるようです。このような掘っ立て小屋でも家賃は発生しますが2万円以下の物件があるようなので屋根があれば良いと思えれば暮らせないこともないようです。

この地域から見える高層マンションに息子夫婦が暮らしていて、自分は掘っ立て小屋に住んでいるという人もいるでしょう。

子供からの援助がなければいくら掘っ立て小屋暮らしであろうとも働かないと生活できないので住人はなんらかの職業についていると思われます。

掘っ立て小屋暮らしもできなければホームレスになるしかない高齢者達

ストリートではおばあさんもダンボール集めをして生計を立てています。

マイナス10℃にもなる寒さの中、男女問わず高齢者が炊き出しに長い列をなしています。

その中には家で一人で何もしないでいると食欲もなくなり鬱になってしまうので炊き出しに何時間もかけて来て同じような境遇の老人たちと一緒に食事を取ることを好む人もいるといいます。

動画のNGOは1992年にボランティアの若者によって設立され今では26もの支店が韓国で活動しています。