車上生活というホームレスの形態は車検も考えての短期決戦で!長期は日本では厳しい

日本でも車上ホームレスが増えていることとその理由

ホームレスといっても完全な路上生活からネットカフェ難民、知人の家を渡り歩いたり、車上生活と形も様々です。

当ブログも世界のホームレス事情を取り上げていますが今回は日本の車上生活者状況にスポットライトを当てます。

ここ10年位で地方を中心に増えているようです。都会では車を保つ必要がなかったりしますが、地方では車がないと通勤できない場合が多いので貧しても車は所持しているケースがほとんどです。

コロナの影響で無職になり、車上生活を余儀なくされる方もじわじわ増えているようです。派遣で働いていて辞めると社員寮をでないといけません。派遣でなくてもアパートの家賃を払えなくなる人もいます。

2019年のHNKクローズアップ現代で放送された「車上生活社会の片隅で」では人間関係が原因で仕事が長続きせず車上生活になってしまった人、夫のDVから逃れてしている人、痴呆症の妻を他人の迷惑にかからないように車上で介護している人などが上げられていました。

車中泊をするための車を停める場所の確保がなかなか難しい

営業のさぼリーマンが人目につかずリラックスできる場所に営業者を停めるのもなかなか難しいものです。

仕事の合間のさぼりと違って車上生活の場合、生きるためつまり車中泊をするために駐車場所を確保しないといけません。

大型スーパー、ドラッグストア、パチンコ店などの駐車場は広く停めやすいですが、夜間は閉鎖されています。

そして何より一箇所に長時間あるいは日をまたいで駐車し続けることはお店に不審に見られますし、通報される恐れもあります。

ですから車通りの殆どない森林地帯やど田舎の広い駐車スペースがある場所をなんとか探し、水が必要な時は24時間駐車できる「道の駅」が重宝されています。トイレもありますし食料も買えますから。

このように絶えず移動していないといけませんから国も車上生活者の実態や人数などを把握できていません。

仕事がなくなるか貯金が尽きれば車は動かなくなる

車があることは通勤の足は確保できているということです。日雇いの仕事やアルバイトがあれば車上生活は雨露を凌げ、家賃もかからないので収入が少なくてもなんとか生きのびることができます。

しかし何日も働けない状態が続いたり貯金が底をつくとガソリンよりも食料を優先してしまいます。仕事がない状態での車中泊はいずれ車の移動ができなくなることを意味します。

車上生活ホームレスは車検の問題をどうクリアするか

そして気をつけなければならないのは車検です。中古車の車検は2年ごとです。車検専門会社の激安車検でも4万円ほどはかかります。

お金の前にそもそも車検を受けられるかという問題があります。それは車検を通すには自動車税納税証明書が必要だからです。そもそも納税をしたのか、そしてしていたとして納税証明書が本人に届いているのかということです。

ホームレス状態にいるため納税証明書が本人に届いていないかもしれません。とはいえ2015年からは納税証明書は車検を通す上で必須ではなくなりました。ですから納税していることが重要となります。

2年に1回の車検代4万円と軽自動車でなければ3万円~の自動車税年一回分をよけておかければなりません。

これをクリアできなければ車上生活というホームレス形態は車検が切れる前までしか合法的に成立できず、中古車だと2年以内に車上生活から逃れないといけません。

車検切れの状態でガソリンもなく車は動かない。そうなるともう雨露をしのぐ場所でしか車はなくなるわけですが、誰も来ない場所、警察に職務質問もされない場所が最後に停まった場所でないと揉めたり問題になります。

そのような全く人目につかない場所に停められたとしても今度は食料調達など生活が全くできなくなります。

困ったら迷わず生活保護を受ける準備はしましょう。

短期決戦でも車中泊ホームレスの車内に必要なもの

【まずは虫よけ対策】

生活の場を車にするので家の中と違い様々な虫に苦しめられます。夏はエアコンをかけたまま寝るわけにもいかず(経済的および近所迷惑)窓を開けて寝ないと眠れません。

虫除けのネットは要ります。車内で電気をつけると虫がめちゃめちゃ入ってきます。車用でも1000円ちょいと安いものが出ています。

【夜間照明・ランタン・懐中電灯】

LEDソーラー充電式ランタンです。USB充電もできます。3000円を切る価格で大変明るく携帯電話の充電もできます。

室内のメイン電灯としてランタン。そして外にトイレに出る時に真っ暗闇では怖いのでトイレ用の懐中電灯が一つあれば良いでしょう。

2個セットで1600円。安くて丈夫。スペアもあると安心です。

【水タンク】

命の水です。飲料水以外にも洗顔、歯磨き、調理などに水は必要です。特に冬場は寒いので水の確保が億劫になります。

18Lポリタンク。1080円と安いです。

【簡易シャワー】

黄色い部分のシャワーとポンプのみです。ポリタンクは上の青いものの口に合います。20回ポンプアップして水圧をかけると1.5Lの水がでます。人力なので電気は要りません。

【扇風機】

冬の寒さは着込めばなんとかなりますが、夏の暑さは耐えられません。かといってエアコンをつけて寝るとガソリンがどんどんなくなります。

窓を開けて扇風機をかけて寝るしかありません。上の扇風機はシガーソケットではなくUSB充電です。先程あげたソーラーランタンでも充電することができます。

【車内専用炊飯器】

安いお米を買ってご飯は自分で炊いて食べたいところです。野菜などを細かく切ってめんつゆ少々と一緒に炊くと炊き込みご飯ができます。栄養もとれます。

【カセットコンロ】

3800円で薄型、狭い車内では少しでも場所を取らない方が良いです。

少しでも自炊できればお金を節約できます。鍋でなくてもフライパンでパスタは茹でられます。パスタは安いので安い野菜と炒めて食べたいところです。

災害避難用の車中泊であればポータブル電源とソーラーパネルもあると良い

200Wのジャックリーのポータブル電源なら2万円。400Wなら4万5000円。200W以下の消費電力の家電しか使わないのであれば200W、それ以上使うのであれば家電に応じてWを決めると良いです。因みに1000Wの電源は14万円ほどします。

ソーラーパネルと併用すればバッテリーやガソリンのことを気にせず太陽光のみでポータブル電源を充電することができます。youtubeでどなたかが仰ってしましたが、ソーラーパネルを自動車の屋根に固定して設置するのは問題なのだそうです。

ソーラーパネルがあるイコール車内にポータブル電源がある!と宣伝しているようなもので、車を離れている時に窃盗に遭う可能性が上がるのだとか。ご注意下さいませ。

車中泊ホームレスをするのに最適な車種

室内が広く維持費もかからないほうが良いことを考えると軽自動車のワンボックスになります。

ホンダNBOX、スズキエブリイワゴン、ダイハツハイゼットカードのような車です。

三菱のミニキャブMiEVであれば完全電気自動車なのでソーラーパネルとのコンボで完全に燃料代ゼロが実現できます。これは災害などの緊急時に相当な威力を発揮するのではないでしょうか。

ミニキャブMiEVは災害時の車中泊専用の車としては最強ではないでしょうか。

災害時の車中泊ではなく車中泊ホームレス生活をするのであれば、生活保護を受ける準備段階の仮住まいということにしてなるべく短期間で終了させてください。

ノマドランドの車上生活・職を求めて各地を回る旅

中国出身の女性監督が撮った映画(クロエ・ジャオ監督)ということとなにかの賞を取った(ベネチア国際映画祭金獅子賞)という予備知識しかなく映画を見に行ったので主人公が女性(ファーゴのフランシス・マクドーマンド)でびっくりしてしまいました。

ネバダ州の砂漠の企業地帯の社宅に夫と一緒に暮らしていた女性はリーマンショックで会社が倒産し夫とも死に別れ、社宅を追い出されバン生活に追いやられます。亡き夫の遺品も詰め込んで思い出に浸りつつも貯金は皆無なので日銭を稼がなければいけません。

アマゾン倉庫が季節労働の稼ぎ先の一つとして登場します。アマゾン倉庫の過酷さはこちらのページで書きました。映画ではアマゾン倉庫では労働者同士の交流があるように描かれていますが、実際は労働者は過酷な時間ノルマをかけられロボットのように扱われています。主人公は60代の女性ですが、実際にそのような年齢の人々がアマゾン倉庫でも働いています。かなり過酷です。

そのほかにも砕石工場、国定公園のスタッフ、キャンプ場の清掃員などの短期季節労働を各地を転々としながら探して行きます。

様々なバックグラウンドと思いを持ってノマド車上生活に入った人々との交流が描かれています。主人公は自分はホームレスではなくハウスレスだと述べるシーンがあります。ホームレスという言葉には職を持たない路上生活者という意味合いが大きいので、仕事を求めながら車で放浪している彼女はホームレスと一緒にされたくないというプライドを持っていました。

ノマドキャンパーが集まり仕事が見つかるまでの待機場のような場所があり、お互いを助け合います。日本の車上生活と違い横の連帯がある分環境はましだと感じました。どのみちきついのですが。

アメリカでは全国で統一された車検はなく週毎に異なるのですが、チェックは厳しくなく日本ほど高額ではないのでその辺も長く車上生活を続けられる要因であります。

頼る者がいなくてやむなく車上生活をする人、主人公のように頼れる姉がいるのに好んでノマドする人、病気で余命宣告され自由に行きたいから車で好きな場所を気ままに行く旅を選んだ者など様々です。

ノマド車上生活支援者の男性が「我々は本当のさよならを言わない、またいずれ路上で会おう、そしてたいていはそうなる」というシーンが印象的でした。

どのように美しく描こうとも60代で貯金もなく車を修理するための20万円すら姉に無心しなくてはならない状況と死ぬまで働き続けないと生活が回らないという事実は年齢的にも一日一日を積み重ねるごとに絶望と死に近づき、自分で選んだ生き方だとしても、彼女をこのような生活に追い込んだ社会と政治が悪いという風に感じてしまいました。

格差社会と貧困を改めて呪いました。