ASモナコの会長でウラルカリ社長のドミトリー・リボロフレフ資産と豪邸と数々のスキャンダル
ASモナコの会長でウラルカリ社長のドミトリー・リボロフレフ。資産と豪邸と数々のスキャンダル
上の画像はアメリカはフロリダ州のパームビーチにあるMaison de L’Amitie(友情の家)と呼ばれる建物ですが今は更地になっているようです。土地の所有者は現在でもドミトリー・リボロフレフ(Dmitry Rybolovlev)です。
この館の最初の所有者は日本ではダンレポートでおなじみの信用調査会社Dun & Bradstreetの創業者家族でした。そこからハリソン・ウィリアムズ(富豪起業家)、ジェイン・ライツマン(石油長者の未亡人)、レズ・ウェクスナー(L Brands創業者)らへと次々と渡りました。
2003年、所有者のエイブラハム・ゴスマン氏が破産したため2004年オークションにかけられることになりました。
2005年、約43億円ほどでジェフリー・エプスタインに競り勝ったのがドナルド・トランプ氏です。
25億円ほどリノベーションにお金をかけ125億円ほどで売りに出していましたが、最終的に95億円ほどでドミトリー・リボロフレフが2008年に購入しました。
2019年フォーブス長者番付世界第224位にランクイン
総資産額は約6800億円。ドミトリー・リボロフレフ氏は化学肥料の原材料であるカリを生産するロシアのウラルカリ社のオーナーでした。
2007年ウラルカリはロンドン証券取引所に上場し、カリの価格が世界的に上昇していたことを追い風にロシアのIPOで最も成功したものだと当時絶賛されました。
2010年に持ち株をロシアの投資家集団に売却し、その額は明らかにはされていませんが、5300億円前後だろうと予想されました。
現ASモナコの会長ドミトリー・リボロフレフ
2011年からドミトリーはASモナコ運営の実権を握り、2016-17年シーズンのフランスリーグで優勝しました。
2011年当初、クラブはフランスの2部リーグでも下位に低迷し負債もありにっちもさっちもいかない様子でしたが、4年間で1億ユーロ投資する条件で1ユーロでクラブを購入したということです。
殺人を企てていたかもしれないドミトリー・リボロフレフ
ソビエト連邦が1991年に崩壊したあと国内は混乱状態となり、1995年に彼は自分の家族を安全上の理由からスイスのジュネーブに避難させました。そして家族の安全を確保した後に、ビジネスのライバルであったEvgeny Panteleymonovを殺害しようとした罪で逮捕されました。
証拠不十分のため結局は無実となりましたが、その判決がでる間の11ヶ月間を刑務所で過ごしました。
ロシアのカマ川を著しく汚染させたウラルカリ
ウラル山脈の西側をながれるカマ川(ヴォルガ川水系)
2012年、ドミトリーがまだウラルカリのオーナーだった頃、ロシアのNGO環境団体グリーンパトロールにロシアを汚染する企業トップ100にウラルカリが選出されました。
水質汚染物質には亜鉛とアンモニアを含む16もの有害なものが許容レベルを最大で1850倍を超えたものがカマ川に垂れ流されていたとのことです。
オーナーであるドミトリーの責任は重大でした。
プーチン大統領のスポークスマンとも呼ばれているドミトリー・リボロフレフはロシアゲートに関与か
2016年のアメリカ大統領選挙でトランプを勝たせるためにロシア側がサイバー攻撃などで干渉した疑義がいわゆるロシアゲートですが、それにドミトリーが関与していた疑いがもたれました。
他にも彼が取引していたスイスの美術商に美術作品の請求書を不当に水増しされたと裁判を長年行ってきましたが、裁判を有利にするためにモナコの司法当局に賄賂を送っていた疑いもかけられました。
殺人企てからロシアゲート、司法当局への賄賂と大変きな臭い人生を爆走中のドミトリー・レボロフレフ氏(53歳)ですが、2020年5月12日にコロナウイルス陽性で入院していることがわかりました。