ニトリの強さの秘訣は北海道拓殖銀行の破綻にあった!?無借金経営

北海道・札幌から全国へ飛び出した似鳥昭雄氏

1972年に似鳥昭雄氏が28歳の若さで北海道札幌市に株式会社ニトリを創設されました。

現在国内に550店舗、海外にも100店舗展開しており、テレビCMの「お値段以上ニトリ」のキャッチコピーとともに世界を席巻しています。

似鳥氏の学歴は北海道工業高等学校(現北海道科学大学高等学校)を卒業、札幌短期大学、北海学園大学経済学部卒となっておりお世辞にも良いものとはいえません。

昭雄氏一代で創業したということになっていますが、商売をされていてたお父様のおかげがかなり大きいようです。手柄を全て独り占めにしたいタイプでしょうか。

日本経済新聞の私の履歴書で実母からクレームがくる

2015年の4月から連載された日経新聞の似鳥昭雄氏の私の履歴書ですが、実母の似鳥みつ子さんから内容が嘘だらけと言われてしまい話題になりました。

貧乏で白米など食えなかった⇒ヤミ米屋をしていたからそんなはずはない
学生時代壮絶ないじめ体験⇒お調子者でそんないじめられてた印象はないBY同級生
母には日常的に父には月イチのペースでボコボコにされた⇒父年イチ、母はしていない
米俵で北海学園大学に裏口入学⇒授業料もすべて親が出す
自分で家具屋を創業⇒家族で考えて創業

貧しく頭も特別良くなくいじめられて家族にも虐げられた自分ですが、一代で立派に成り上がりました!というイメージを人に持ってもらいたい人物が似鳥昭雄氏なのかもしれません。

拓銀破綻時を振り返る似鳥昭雄氏

1998年、北海道拓殖銀行が破綻したことにより北海道内の多くの企業にも危機が迫りました。そのなかにはニトリも含まれており、北海道の地元テレビ局のインタビューを受けている似鳥昭雄氏の映像があります。

1分20秒あたりからです。

当時ニトリはスイス銀行から50億円転換社債の形で借り入れをしていた(保証は山一證券と拓銀)

拓銀破綻時にニトリのインドネシア工場にいたが連帯保証で山一證券があるから大丈夫だ!しかし1週間後、オーストラリアのパースで北海学園大学の同窓生と海で遊ぼうとしていた時に山一破綻の知らせをうけた。

そして3日以内に50億円を返せをスイス銀行から言われた。払えないなら不渡りにするぞと脅されます。

帰国し金策に奔走するもどこも貸してくれない。そんななか三井住友信託銀行が貸してくれることをとなり窮地を救われる。

この経験から金融機関に頼らない経営を決意することになります。

拓銀の倒産がなければ今も借金していたかもしれない。つまり拓銀の破綻が今のニトリの強い無借金経営につながっているとおっしゃっています。

2017年2月期まで30期連続の増収増益はまさにお値段以上の業績です。

2018,2019年も変わらず好調のようです。

物流を自前でできるのがニトリの強み

ニトリの商品の配達はニトリから分社化したホームロジスティクスが担当しています。

徹底したSPA(製造から販売までの工程を一社で行う)です。ユニクロのファーストリテイリングや無印良品の良品計画がSPA企業として有名ですが、彼らも物流までは行っていません。

物流までこなすことでもうワンランク安さを追求できることになります。

ニトリ通販部門の倉庫オートストアのピッキングの様子

川崎市にあるニトリの通販受注商品を発送する倉庫です。オートストアと呼ばれています。

こちらもホームロジスティクス社の仕事です。

ベッド周りリネン商品、タオル・バスタオル・、クッション、スリッパ、食器、雑貨のような小物はこれらの比較的小さなロボットが縦横自由自在に動き回り商品をピックアップして最終パッケージ場所にいる作業員のところに集めてくれます。

ロボットの上に取り付けたカメラによる映像は面白いです。それぞれがぶつからないよう、また渋滞にならないように走ったり止まったりをしながらスムーズに動いています。

ニトリのような会社が日本文化を破壊しているという一面も

ニトリだけに限ったことでは勿論ありませんが、大資本の会社が中小企業を駆逐していくと町並みを均一化されてしまいます。

日本中どこでも同一外食チェーン、コンビニ、モールなどで似たような町並みが多くあります。古都などではなく特に新興住宅地がそのようになってしまいます。

人口がある程度あり、ある程度の期間集客できる見込みがあればその中での便利な区画に大資本チェーンのお店が多く出店してきます。スクラップアンドビルドで人口が少なくなれば他の街に移動します。あたかもイナゴの大移動のようです。

日本国民が全体的に貧困化することで、従来の高級な家具は不必要になってしまいました。ニトリの安くてセンスもよく丈夫な家具で皆充分なのです。

これは没個性、均一化、ひいては文化の破壊にも繋がっていくのです。

マクドナルドやコストコ、イケアのような外資ではないのですから、ニトリには日本の文化を守る方面での社会貢献にも期待します。