一人あたりGDP1000万円超えの国スイスの貧困

人口865万人、一人あたりGDP約1100万円を誇る永世中立国スイス。2023年3月20にクレディ・スイスがUSBに買収されたというニュースが入りました。

5万人ほどいるとされるクレディ・スイスの従業員はどうなってしまうのでしょうか。スイスは一般的に豊かな国として知られていますが、一方で貧困問題も存在しています。貧困ブログでありますので、そこにフォーカスして見ていきましょう。

スイスの貧困線と貧困に苦しむ人々の人数

コロナが流行する前の2018にスイス連邦統計局が発表したデータでは、73万5000人が貧困に苦しんでいて、そのうち、有職者であったのは15万5千人で労働人口の貧困率は4.2%でした。

また、8人に1人(12%)が生活費に困っていると回答していることも明らかになった。5人に1人(約21%)は、月内に2,500スイスフラン(35万円ほど)の予期せぬ出費をこなすことができないだろうと述べていました。

貧困線は、スイス社会支援会議が定めた基準に基づいて算出されていて、単身者の場合は月額2,279スイスフラン(約31万円)、大人2人と子供2人からなる世帯の場合は3,976スイスフラン(約56万円)でした。

ビジネス・インサイダーの物価高い国ランキング2022ではスイスは世界6位にランクインしていました。物価は日本の2倍のようです。

スイスで貧困に苦しんでいるのはシングルマザー、高齢者、外国人

スイスは高所得国であり、福利厚生が整備されていることから、貧困率は比較的低いとされていますが特定の人々の間では貧困が深刻な問題となっていることが報告されています。

シングルマザーはスイスでも貧困に陥りやすいです。シングルマザーは、子育てや家庭の世話をしながら働くことが困難であるため、収入が不安定になることがあります。また、子供を養育するために必要な支援が不足していることが問題となっています。

また、外国人についても貧困が深刻な問題となっています。

スイスには多様な国籍の外国人が居住しています。近年は、EU諸国からの移民が多いことが特徴的。その中でも、イタリア、ドイツ、ポルトガルなどの国々からの移民が最も多いとされています。また、アフリカ、中東、アジアなどからの移民も多く、多様な文化や言語が共存する国となっています。

スイスでは外国人も働くことができますが、外国人には就労に関する制限があることがあります。例えば、就労ビザの取得が必要であったり、特定の職種には外国人が雇用されないことがあったりします。また、スイスでの就労にはドイツ語やフランス語、イタリア語などの言語スキルが必要となることが多いため、言語の壁に直面することもあります。

外国人に対して、スイス政府は多様な支援策を実施しています。社会保障制度の整備や、教育や就労支援、住宅支援などがあります。また、多様性や人権に関する取り組みも進められています。しかし、外国人に対する偏見や差別も存在しており、その問題にも対処する必要があります。

スイスでは高齢女性がホームレスになるケースも

高齢者は、年金などの収入が少ないことから、生活が困窮することがあります。特に、女性の場合は、男性よりも年金が低いことから、貧困に陥ることが多いとされています。

少ない年金で住居費が支払えなくなるとより安いアパートに引っ越しするべきですが、安いアパートの供給が不足しているためそのままホームレスにならざるを得ない高齢女性もいます。

スイス老人女性の貧困についての動画

7年前の動画ですが、65歳以上の一人暮らし女性の貧困線以下で暮らしている割合は約30%だそうです。

もうすぐ冬がくるので新しいコートや服が欲しいおばあちゃんですが、セールになるまで高くて服が買えません。

他のおばあちゃんはポテトとパスタだけで日頃凌いでいて、たまたま安売りのハムを見つけたから2,3日は美味しものが食べられると喜んでいます。

スイスでも高齢化が進んでおりこの動画の2016年当時で年金生活者が150万人いて30年後には270万人になると予想されています。