交通誘導や警備員のバイトを始める前に読むべき本。貧困アルバイト代表の仕事
貧困層や高齢者のセーフティーネットである交通誘導という仕事
学歴不問で10代から60代まで男女問わず幅広く採用される交通誘導の仕事やバイトは危険ではありますが専門スキル皆無で身一つあれば簡単にできる仕事です。
私ワープア太郎も勿論経験者ですが、必死で誘導灯を振っているのにスピードを落としてくれず車に轢き殺されそうになったことがあります。
メガネをかけた中年男性がドライバーでした。深夜の仕事帰りで疲れてぼ~っと運転していたのでしょう。急ブレーキを踏んでぎょっとした顔をした後両手を合わせてごめんなさいをしてくれたので心も命も救われました。
以降そのような時に身を交わせる場所を確認してから仕事をするようになりました。このように命の危険はあるものの中卒でも高卒でも年齢がいっていても雇ってくれる警備会社には愚痴も多々ありますが、働けるだけ有り難いとも思います。
理不尽なことが多い交通誘導の仕事も前もって心の準備ができたら大丈夫
ベストセラーの交通誘導員ヨレヨレ日記の漫画版です。
警備員なのに関係ないトイレ掃除を私服に着替えさせてやらせるパワハラ野郎や、土木の現場での交通誘導時に現場監督からいじめを受けたり、交通誘導のペアを組む相手がクズだったりと理不尽なことに我慢して耐えないと仕事は続けられません。
しかしそういうことが普通なんだと最初から知っていれば受けるショックも和らぎます。
悲しいのはこの本にある勤続15年の者よりも今日入った人間の方が日当が高かったりすること。人手不足だと新しい人に高い日当を提示して、今まで働いている人は安いままで使うというのが当然のように行われています。
著者の柏さんは73歳で負債が2500万円もあります。編集プロダクションを経営していた時の負債です。生きるためにはお金が必要ですが、この仕事をしている人たちにはあまり希望がない人ばかりが多いように思います。私の実体験も含めて。
しかし柏さんはこの仕事を2年半して本にまとめベストセラーになり今私はその漫画版を読み終わりました。73歳からでもベストセラー作家になれるなんて柏さんは本当に凄い人です。
気がつけば施設警備員になっていた。流れ流れて底辺労働
なんとなく交通誘導よりも施設警備員の方が楽そうだなあと施設警備員の仕事を探したことがありました。日給1万7000円!とかあって、え凄い!とか思ったら24時間勤務とあり、8時間×3なので日給は5600円で時給に直すと700円でした。誰がやるか!と思いました。
気がつけば警備員になっていたの著者堀田孝之さんは横浜国大を1年で中退して映画学校に入り直してその後26~29歳までの4年間の施設警備員をしていました。その体験からこの本を執筆しました。
映画監督になる夢を諦めできちゃった婚をした24歳。家族を養うためにエロ系の編集プロダクションで泥のように働くもいきなり糸が切れて会社も家族も捨て失踪。
のっけからスリリングな展開で自分が警備員の本を読んでいることを忘れてしまいました。
しかし東北をぶらっと回って3日で稲城の妻の元に帰ってきます。プロダクション退職の手続きは奥さんがしてくれ、思えば大学中退の手続きも母親がしてくれたのでした。おもしろすぎる!
家に帰ると奥さんは働き口を見つけていました。しかし奥さんに食わせてもらうわけにはいかない。家族のためにも俺は頑張るぞ!とハローワークに行って楽でスキルがいらず頭を使わないでも良い仕事に限って探しまくる26歳。
そしてめでたく?港区にある高層オフィスビルの警備員になったのでした。
ここまでがほんのプロローグ。この後も軽快なテンポで施設警備員記録が疾走します。
私のような文才のかけらもない底辺ワープアが感想を書いて良い本ではありません。
是非買って読んでみてください。
一言だけ言わせてもらえれば、どんな仕事であっても角度を変えて見ることで楽しめる要素は必ずあるもの。そしてそのことを面白おかしく他人に話せれば、人も幸せにしてあげられるということをこの本から学びました。
堀田さんの勤務していたのは港区の高層オフィスビル。巡回で一日10キロ歩き一ヶ月で10kg体重が落ちたそうです。楽そうだと思うと痛い目にあいます。私は高層オフィスビルの施設警備員にはならないでおこうと思いました。
食事に気を使えば底辺労働も健康に良い
職業に貴賤はありません。一番大切なのは金銭的にも健康です。ですから底辺であっても肉体労働は体に良いです。
しかしジャンクフードばかり食べていると当然どんな仕事でも健康を害します。
仕事で運動をし、かつ健康的な食事をしていれば医療費がかかることはあまりないでしょう。
健康でさえいればなんでも出来ますし生きる気力も湧いてきます。
そしてどんな仕事でも楽しむ余裕があれば幸せにもなれると思うのです。腐らず希望や楽しみをもって生活したいものです。