料理人の貧困問題。飲食の未来は悲惨。調理師になろうと思う前にまず読め!

飲食業界がブラックでパワハラが横行するのはなぜか

料理人や給仕、皿洗いを含め飲食業界は低学歴の人々の集まりです。料理人は調理師専門学校が最終学歴であることが殆どです。

故に賃金が安いです。

飲食業界の平均給与は、一般的な職種であれば、他の業界に比べて低い傾向にあります。たとえば、2019年度の厚生労働省の調査によると、20代の平均年収は、飲食業界が264万円、一般事務職が345万円、医療・福祉・介護が333万円であったことが報告されています。

劣悪な労働環境下でストレスを発散するために下の者をいじめてしまう

飲食業界では、店舗運営のために長時間働かされることが一般的で、過剰な労働時間や休日出勤が当たり前とされています。また、給料が低いことが多く、労働者は厳しい条件下で働かざるを得ない場合が多々あります。

そのような中で比較的高い立場にいる料理人は下の立場の後輩料理人を自身のストレスを発散するためにパワハラしまくる人も多いです。

もちろんパワハラやいじめ行為は許されるものではありませんが、それをする人も劣悪労働環境のもと精神が病んでいることも見逃してはなりません。

しかしながらそのパワハラが原因で飲食業界では自殺に追い込まれる人もいます。自殺するくらいならやめればいいのにと人は簡単に考えてしまいますが、自殺以外に解決策が思いつかないほど精神が病むのです。

自殺した人の家族も自殺に追い込んだ人も一生苦しまなければなりません。劣悪環境が大企業によるものであれば企業の責任でもありますし、個人経営の店であれば経営者の責任です。

自分の店を絶対に持ちたいという強い意志のあるものしか生き残れない世界

新入りの料理人は雑用ばかりさせられ、おまけにパワハラをされまくり、せっかく調理師専門学校を卒業したのに就職先のレストランを半年ほどで辞めてしまう人がいます。

飲食はこりごりということで他業種に転職する方も多いです。

そうなると専門学校の知識も職歴も意味を持たずただの高卒になってしまうので派遣に落ちてしまう確率が高まります。人生の早い段階での貧困化が確定してしまう恐れがあります。

ですから、「長時間労働、低賃金、パワハラ上等!俺は絶対10年後に自分の店を持つ!」などという強い意志と野望のある人間ではないとこの業界は生き残れません。

そして開業しないと救われないというのはとんでもないハードルであり、人並み外れた才能も必要になります。

仮に自分の店を持てたとしても成功できる確率は高くない

個人経営店のデータがあまり探せなかったのですが、開業して1年以内で倒産する率が50%はありそうです。

そして年を重ねるごとに廃業率も上がっていきます。

当然ですが料理の腕が一流で料理に対する情熱が誰にも負けなくとも自分の店を経営する能力とそれは無関係です。自分の店を経営するには料理人であると同時に経営者でなくてはなりません。

飲食の経営者に求められることにはさまざまな要素があります。たとえば、地域に合わせた適切な価格設定やメニュー開発、顧客サービスの向上、清潔で快適な店内の環境づくりなどです。また、広告や宣伝、SNSの活用などによる集客も重要です。

更にコスト管理や労働管理、販売戦略などに熟知し、常に顧客のニーズに応えることが求められます。

このような経営手腕と調理のスキルの二刀流ではじめて成功できるのであれば調理師専門学校出にとっては想像を絶する高みではないでしょうか。

繁盛して成功している店に就職し、料理の腕を磨きながらその店の経営手法も完コピするほどに盗み、かつ先輩のいじめに耐え抜くという無理ゲーを極めないといけません。

「俺は勉強できないけど料理は好きだから調理師になろう!」などと軽く決めてはいけません。親もそんな子供であれば全力で止めるべきです。

AIや自動化技術の導入で飲食業界はどう変わるか

新型コロナウイルス感染症の流行により、飲食店でもオンライン注文やデリバリーサービスが普及しました。今後もこのトレンドは続き、より便利で利便性の高いサービスが求めらます。

近年は、無人店舗やロボット技術を活用した飲食店のオープンも増えています。人口減少で人手不足の解消は日本では不可能なので、さまざまな自動化技術が活用されることになります。

一風堂とソフトバンクのコラボでのラーメン自動調理販売は度肝を抜かれました。

注文から調理、配膳、テーブルの片付け、会計まで全自動無人経営が広がってくると人間は本当に不要になってしまいます。

人間のシェフが作る料理はAIロボットに勝つ一部の超一流だけになり、それを味わえるのは一部の超富裕層だけという世界になるのかもしれません。

AIやロボットによって奪われる職は飲食に限らず多くあると思いますが、普通の人があえて飲食業界に進む意味はもうなくなったのではないでしょうか。