ケニア・ナイロビの凄まじい貧困とストリートチルドレン。唯一の救いが接着剤吸引

さてこの子達は何を飲んでいるのでしょうか。答えは次の動画内にあります。

フィンテック革命が進み経済も急激に発展している様子はこちらのページに書きました。

先に上のリンクを読んだほうがケニア経済と貧困についての理解が深まります。

ケニアのナイロビにはゾンビが住んでいる!?

動画の英語をサクッと理解する力

全身に蝿がたかってボロボロの服を着て舌とよだれを出して朦朧としている男性。

人々が手に持っているペットボトルの蓋を開けてその匂いを嗅いだとき、ソンビワールドもまたぽっかりと開けてくるのです、、、、。

ゴミ溜めの中のスラム・キベラスラムがゾンビワールド

フィリピンのスモーキー・マウンテンやインドでも発展途上国ではゴミの中から換金できるものを拾い集めて生計を立てるスカベンジャーという人々がいます。

キベラスラムも子供から大人までスカベンジャーが大勢いるのですが、特徴は皆ペットボトルを片手に携えていること。

匂いもキツく辛いのに稼ぎも少ないこの仕事には必要なものなのです。

接着剤吸引が貧しい人々をゾンビと化している現状

ペットボトルの中身は接着剤です。そうです。日本で言うところの昔の不良がシンナー遊びをしていたのと同じ感じであります。

しかしキベラスラムの彼らの主な目的は空腹を満たすためという絶望的な使いみちなのです。

接着剤吸引を続けると脳にダメージがいくため幻覚を見たりぼーっとしていたり気を失ったりとした状態でゴミの山で寝そべってしまうのです。

ラリって寝そべっている間はいいのですが、時に敵対意識むき出しで恐ろしく凶暴になることもあります。お互いを殺し合うようなことにも当然なります。ですがそれは接着剤吸引の副作用といってよいでしょう。

基本的には穏やかでフレンドリーなのがケニア人気質と言われています。ですからこのような凶暴性は貧困がドラッグに手を染めさせその副作用でそうなってしまった。その結果もう人ではない状態になり、それがゾンビというこの動画のタイトルになっているのだと思います。

一日働いても200円以下でどうやって生活しろと?

ゴミ山で一日ゴミ拾いを頑張っても1ユーロ50しか稼げないそうです。

それではかろうじて一日一食食べられる程度。そしてちょっとのお金で買える接着剤は必需品となっています。

ケニアにはストリートチルドレンが30万人いて、そのうち6万人がナイロビに住んでいるそうです。

そして儲かるという理由で大人が子供にも接着剤を売っているのです。もちろん動画の靴職人の大人はストリートチルドレンが接着剤を何に使用するかは分かっています。

ドラッグとしてのジェット燃料も安く手に入る!

ジョモ・ケニヤッタ空港(ナイロビ国際空港)付近ではジェット燃料が入りやすく、安いドラッグとして出回っており、子どもたちにも人気です。

少量を布やボロ布に含ませて吸引するとめまいとともに幻覚が体験できます。接着剤と同じで効果は数分しかもちません。

効果を長持ちさせるために一日で何十回何百回と吸引するものも多いです。そしてジェット燃料吸引は脳に致命的ダメージを与えるだけでなく呼吸器や血管をも蝕みます。

取材クルーがドラッグディーラーと接触!

ある最も危険なスラムの地域のデッドエンドにそのディーラーのアジトはありました。

細く栄養状態が行き届いていないような貧相な男ができてきます。空港から盗まれたジェット燃料を中間闇業者を通して買っているとのこと。

彼のもとには毎日100人を超える子供がジェット燃料を買いに来るというのを聞いたレポーターは子供に有害だと分かっっていてなぜ売るのだという殺されても不思議ではない質問を堂々とします。

そんな機会はないとは思いますが、犯罪者に道徳的に正論な質問をすることは避けましょう。

10分40秒あたりからの映像はクルーがいかに怯えているかわかる、なかなか日本ではお目にかかれない映像となっていますね。

凄まじい貧困状態の中では人はドラッグを使わずにいられない

住む家もなく、食べるものもなく、夫はいないし子供はいてシングルマザー。

お酒や本物のドラッグは高くて手がでない。となると安価な工業溶剤である接着剤やジェット燃料に手がでてしまうのも仕方がありません。

生きる上で何も希望がない状態なら例え一時であろうとも現実逃避できるなにかを人は求めると思います。

わずかの食料、お金、溶剤を手に入れるため母親は他の男と寝、子供は放置され野良犬のようにあたりをラリって徘徊。

教育は受けず、運良く死なずに大人になれれば、ギャングになって強盗などで身を立てるという選択肢しかありません。

腐敗した警察は因縁をつけスラムの人たちからもお金を取ろうとします。

番組の最後にボランティア団体に救われて貧困と溶剤から脱した話がでてきますが、救われるのは完全にジャンキーにはなっていないごく一部の子どもたちです。

ナイロビだけで6万人もいる子供を全て救える筈はありません。

ナイロビのスラムはほとんど希望がない生き地獄だと思います。