生活保護から総資産額1000億円を達成したハリー・ポッターの著者J・Kローリングの資産
イギリスのビリオネア作家J・Kローリングスさん
ジョアンヌ・ローリング(Joanne Rowling)さんは1965年7月31日イギリス生まれの作家・脚本家です。
彼女は勿論ハリーポッターの原作者として知られ世界でハリーポッターシリーズは累計5億冊以上売れています。これはシリーズ作品の累計売上としては史上最高です。
大学卒業後、人権擁護団体アムネスティ・インターナショナル、商工会議所、ポルトガルでの英語教師など職を転々としながらも原稿は書き続けていました。
25歳の時長年病気を患っていた母を亡くし、27歳で結婚、28歳で出産するも夫であったポルトガル人ジャーナリストにDVを受けておりそれが離婚の原因ともなりました。
イギリスに帰国するも父親は再婚しており実家に居場所はなく、妹を頼りながらのシングルマザー生活に突入します。
シングルマザーで生活保護を受けていたJ・Kローリングさん
大学卒業から7年たち、彼女は自分自身を落伍者であるとみなしていました。
結婚は失敗に終わり乳飲み子を抱えた状態で失業中。これで物語創作活動を自由にできる!と前向きにも考えましたが、病院にいけばうつ病と診断され、自殺願望もありました。
この時に発想されたキャラクターがハリー・ポッターの吸魂鬼(ディメンター)です。
そして生活が立ち行かなくなり生活保護を受ける決心をします。そんななか逃げてきたポルトガル人夫が彼女と娘を追いかけてスコットランドに来て彼女を更に追い詰めることとなります。
なんとか接見禁止命令を勝ち取り1994年に離婚が成立しました。
彼女はカフェで執筆活動をしていましたが、一番の場所は義理の弟が経営するNicolson’s Café でした。カフェで物書きしていたのは娘のジェシカは一緒に散歩に連れて行くと寝てくれたので、その勢いでカフェに入って執筆するという習慣になったのでした。
1997年ハリー・ポッターと賢者の石を出版
↑は初期のイギリス版のカバーです。いかにも児童文学といったイラストになっていました。
ハリー・ポッターと賢者の石はパソコンではなく古いタイプライターで書かれたものでした。
12の出版社に原稿を送りましたがすべて送り返されました。13社目のBloomsbury出版がようやく応じてくれました。
その会社の社長の8歳の娘に一章のレビューをさせたところ即座に二章目を要求され出版の決意を固めたといいます。
社長は出版は決めたものの児童書での儲けは知れているのでローリングさんにちゃんと昼間の仕事を探すようにアドバイスしました。
それもそのはず、初刷わずか1000部からスタートしたのです。そしてその内500部は図書館におくられています。
初刷の1000部は今では16000ポンドから25000ポンド(220万~350万円)の価値があるそうです。イギリスの古本屋でもし発見できれば僥倖ですね。
J・Kローリングさんの資産はどれくらいか
2004年にフォーブスはローリングさんを物書きで初めてビリオネアになった人物で世界第1062位のお金持ちであると評しました。2019年の世界長者番付はこんな感じ
彼女自身は「お金はたくさんあるけどビリオネアではないわ」と以前は否定していましたが、イギリス国内のお金持ちをリストアップする2020年のSunday Times Rich Listでは総資産795ミリオンポンド(約1120億円)で英国第178位のお金持ちにランクインしています。
反貧困と子供の福祉に力を入れてチャリティー活動をされています
ローリングさんは2008年のハーバード大学の卒業式スピーチで自身の困窮の経験から次のように述べています。
「貧困は人を気高くするようなものでは全くありません。貧困は恐怖、ストレス、そして鬱などを伴います。普通の人にとって取るに足らないようなものの欠乏が積み重なり荒んだ状況になります。」
自分も貧しく辛い体験をしたからこそ、同じような思いをしている人の力になりたい。というのが彼女の根底にあるものです。
2011年単年で160億円ほど寄付しています。その額はその時点の総資産の16%でした。100万円しか貯金ないのに16万円も募金できますか?割合的には同じことです。
慈善団体をいくつか所有し資金を集め世界の災害地域支援、シングルペアレント支援、孤児支援、子供の貧困などに多額の寄付を投入しています。
2010年の地震で孤児が増えてしまったハイチでは100人以上の子供たちを支援し里親探しに協力しました。
ハリー・ポッターシリーズの副読本クィディッチ今昔やファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅は慈善団体コミックリリーフの活動をサポートするために書かれ23億円ほど支援しました。
またエジンバラ大学に慈善団体アン・ローリング再生神経学クリニックを打ち立て難病治療の研究を支援しています。アン・ローリングは1990年に多発性硬化症で亡くなったお母様のお名前です。
2020年にはトランスジェンダーに関する彼女の考え方が物議を醸しましたが彼女自身が性差別者ということではなく、興味のある事物に対してはとことん考えた上で発言する理性の有る女性だと私は思います。
これからも社会のために役立ってくれるであろう素敵な女性です。