フェンタニルを使って中国がアメリカに仕掛ける麻薬戦争
画像:同様の効き目を得られるのに必要な量のヘロインとフェンタニルとの比較
アメリカ財務省がフェンタニルを輸出している中国企業に制裁発表
2023年4月。米財務省は2 つの中国企業と 4 人の中国人を対象とした制裁を発表しました。
米財務省は、「米国市場向けの違法なフェンタニルの生産のために、メキシコの麻薬カルテルに中国企業はフェンタニルを供給している」と主張しています。
制裁される中国企業は武漢朔康生物科技有限公司と蘇州小栗製薬有限公司の2社です。
バイデン政権は2021年以降何万人ものアメリカ人がフェンタニルの過剰摂取で亡くなったにも関わらず目に見える対策を何もとってきませんでした。今回これらの中国2企業に制裁を加えることで重い腰をやっと上げたと見ることができます。
フェンタニルとはどのような麻薬か
フェンタニル(Fentanyl)は鎮痛や麻酔に使われる合成オピオイド。手術の麻酔薬やがんの鎮痛薬として注射またはパッチとして使われています。
フェンタニルは、モルヒネよりも強力で、短時間で作用が始まり、効果が長く続くことが特徴です。
非合法ドラッグとしては近年安価で少量で効くので他のドラッグの混ぜものとして急激にアメリカで出回っているのです。
上の画像でもわかるように同じ効果を出すのにヘロインと比べていかに少ない量で済むかが見て取れます。ヘロインの50倍と言われているのです。
だから純粋なヘロインと偽ってフェンタニルを混ぜて正規のヘロインの値段で売るともっと儲かるということで麻薬カルテルは好んで混ぜているのが現状です。
最近のオーバードーズでは覚醒剤やヘロイン単体でのものはほぼなく、フェンタニルが一枚噛んでいるものがほとんどとなっています。それだけ人々がフェンタニルと知らずに薬物乱用をしているということです。
アメリカでの麻薬オーバードーズでの死者は年間9万人
2019年9月から2020年の9月の12ヶ月での米国麻薬オーバードーズの死者は9万人と過去最多を記録しました。
コロナパンデミックに入って2万人増えた計算になります。先行きの見えない経済、解雇、休業、失業などによる不安や精神状態の悪化をドラッグによって食い止めようとするものが増えている証拠です。貧困に拍車がかかる悪い状態。
米国国立薬物乱用研究所のNora Volkow博士によると麻薬を使用しているとコロナにかかりやすく重症化しやすいとのこと。つまり死にやすい。
麻薬使用により健康状態が悪く免疫システムも弱体化しているといのがコロナにかかりやすい理由。がしかし、死に至りやすいという面に対しては麻薬乱用者は麻薬の使用が発覚するので病院に行きたがらないというのが関係しています。
だからコロナに罹患し我慢して悪化したのちに救急医療に繋がるというケースもあります。コロナの症状を緩和させるためにドラッグを使用しオーバードーズで病院に行かずに死ぬというケースもあることでしょう。
アメリカのフェンタニルは中国産。米中麻薬戦争状態にある
フェンタニルが非合法ストリートドラッグとしてアメリカに出回り始めたのは2013年頃とされています。
中国はフェンタニル生産の最も多い国の一つでアメリカに入るフェンタニルのほとんどが中国産。個人ユーザーがネットで注文し国際郵便で届くといいます。中国からの郵便物は多く全てを税関検査することは難しいが押収量は年々増加している。
またメキシコの麻薬カルテルが中国からフェンタニルを仕入れヘロインに混ぜてアメリカに密輸しています。
中国のフェンタニル製造業者も中国から直でアメリカに郵送すると怪しまれるので、いったんメキシコやカナダ、カリブ海諸国に送り、そこから郵便で米国内に発送しアメリカ政府の監視をかいくぐっている。
これらの状況をしっかりと理解していたトランプ前大統領は2019年に郵便局と宅配業者に対してフェンタニルの探知を強化して配達拒否するように命令を出しました。またそれ以前にも習近平に対して規制物質としてきちんと取り締まれと要請をだしていました。
コカイン中毒の息子を持つ親中派バイデン政権に変わり中国からのフェンタニル流入に歯止めがかかっていないアメリカ。
イギリスが清朝をアヘン漬けにしてアヘン戦争をしたように今、中国がアメリカをフェンタニル漬けにしてフェンタニル戦争になっているのです。
サンディエゴで350万錠のフェンタニルが押収される
押収されたフェンタニル錠剤
CBP(アメリカ合衆国税関・国境警備局)によりますと2023年4月17日の月曜夜にアメリカ・サンディエゴとメキシコ・ティフアナ間のオタイ メサ通関で働く米国税関国境警備局の職員が、出荷されたインゲン豆に隠されていた 350 万個のフェンタニル ピルを摘発したとのことです。
錠剤の市場価値は 2,110 万ドル(約28億円)を超えるとのこと。
押収されたインゲンのダンボールの一つです。トレーラーでこれらのインゲンダンボールが大量に運ばれていたのですが、その中から308個のフェンタニル入った小包が発見されました。
もう一度この画像を掲載しますが、30と書いてあるのが見えます。
一方こちらはクロラゼペートという不安治療に用いる薬です。このように実際に存在する薬に似せてフェンタニルを加工して発覚を免れる巧妙な手口が広がっています。
中国、メキシコ、アメリカのフェンタニル三角貿易は現在進行系で人々を蝕んでいます。