ブルキナファソの金鉱山で生活する人々の凄まじい貧困と子供の労働問題

2021年4月2日

ブルキナファソ基本データ アフリカの貧国の一つ

人口約2000万人、旧フランス植民地。年間一人あたり所得8万円程。

海に面していない内陸国で降水量が少なく土地は痩せたラテライトと呼ばれる赤土で農業に向いていません。

首都ワガドゥグ(Ouagadougou)首都人口160万人。面積272,967平方キロメートル。日本より小さくニュージランドと同じくらい。通貨CFAフラン(西アフリカの一部で使われる共通通貨)

首都はどこでもそれなりに整備されているものです。2020年の首都ワガドゥグの様子は以下の動画(スライドショー)です。

首都はそれなりに栄えていますが、国民の半数であるおよそ1000万人が貧困ライン以下で生活しています。1日1.25ドル以下で生活する人々が900万人ほどですが、貧困ラインのちょっとだけ上にいる人々も相当数いるとみられ、都市部と農村部の格差はすさまじいです。

農村のみじめな生活から一発逆転を目指して金の採掘に挑む人々

農村部は灌漑設備が整っておらず、雨だけに頼る天気次第の農業で生計を立てなければいけません。牧畜と粟、タロイモ、トウモロコシ綿花などしか穫れない地であります。

そんな中、ブルキナファソの金生産量はアフリカで第4位となり年々増えています。

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現在では100万人以上の国民が金産出の仕事に関わっています。

外国資本の入った大掛かりな金山もありますが、洞穴や井戸のように個人で掘って金を探している貧民が大勢います。

子供も朝から金採掘作業に駆り出される

このような穴が住民が掘ったものです。画像だと大きさが分かりにくいですが、マンホールよりも少し小さいような穴も多くあります。

このような小さい穴に大人が入るのは難しいですから、比較的体の小さい大人や成長仕切る前の中高生くらいの年齢の子供が入って金を取る作業をする場合も多々あります。

金鉱石の中に金が入っている

地下にいる人が金が中に入っているかもしれない金鉱石を掘り出し、土嚢袋にいっぱいに詰めて地上の人がロープに巻きつけ地下から袋を取り出します。チームプレーなくしてこの作業はなりたちません。

画像に見える白い土嚢袋10個分の金鉱石からとれる金の量が約1gなのだそうです。人力でやるにはいかに効率の悪い作業かわかりますね。

それでもこの仕事にかけて大物をぶち当てて貧困から脱出!という夢はあるわけです。ですから隣国のマリの貧しい人々も一攫千金を狙って出稼ぎに来ています。

素人が作った坑道は脆くよく崩れて死者も出る

住民で金採掘に参加している人々は特別な資格を持っているわけではなく、他の人々から見様見真似でやっています。坑道の作り方もそうです。

雑に作ると時に崩れます。掘っているうちに地下水にぶち当たるとしっかり作ってあっても坑道が崩れてしまうこともまります。生き埋めになり素人採掘人はよく死にます。

佐渡金山跡は見学できるのですが、江戸に金を送るために事業として行われていましたから組織だっていますし、坑道の長さも400キロありブルキナファソの貧民坑道とは大違いです。

江戸時代の佐渡金山の様子ですが、組織で行っているのでブルキナファソの個人のものとは大違いです。

ブルキナファソ貧困金山坑道内にはホコリや土埃まみれですが、換気扇もなければ防じんマスクもせずに作業しています。確実に肺がやられてしまいます。

死の恐怖を抑えるためにドラッグに依存する

生き埋めになって死んでしまうことがよくあるので、その恐怖に打ち勝って坑道に潜らないといけません。ですから平静を保つためにはドラッグをやってハイになる必要があるという矛盾が生じます。

そして薬物を買うお金がなければ借金しないといけませんし、借金を返すためには坑道に入らないといけないという悪循環に陥ってしまいます。

コカイン、覚せい剤、マリファナなどは鉱山周辺の至るところに蔓延しています。

中国がアメリカにしかけているドラッグ戦争

金を抽出する時使う水銀で土地も川も汚染されている

発展途上国での人力の金採掘の際に、金を取り出す方法として水銀を用います。水銀は安く簡単に金を抽出できるからです。

このように砂と金が混じった状態に水銀を加えると、水銀に金だけが吸着します。

そしてその金と水銀のまじった物体を火で炙ると、水銀だけ蒸発して金が抽出できます。

猛毒である水銀を素手で扱うこと、そして水銀の蒸気を何の防御もせずに普通に吸っていることが健康を大きく損ねます。

水銀の蒸気を吸い込むと血液に取り込まれ脳などの中枢神経にも達し様々な障害を引き起こし大変危険です。

水銀を大量に使うことにより大気、土壌、地下水、川などを猛烈に汚染し、そこで採れた魚や野菜も水銀に汚染されています。

人々はそれらを食べたり飲んだりして生活しています。運良く金塊が見つかって家族が金持ちになれたとしてもその時点で健康はすでに害されていることになります。

町には水道もなければ電気も通っていませんし、町にまともな病院もありません。病気になると人はまともな治療を受けられないため簡単に死んでしまいます。

一体何重苦と言えば良いでしょうか。ブルキナファソでの貧民の金採掘現場は地獄と言ってもいいすぎではないでしょう。