中国包囲網は完成するか・アメリカが同盟国に協力要請。中共は崩壊するか

2020年8月20日

アメリカの本気度が分かったニクソン大統領図書館での演説

2017年7月13日にリチャード・ニクソン大統領図書館・博物館で行われたマイク・ポンペオ国務長官の演説で世界に取り上げられた部分は、

“If the free world doesn’t change, communist China will surely change us”

というものです。もし我々自由世界が中共を変えなければ、中共が確実に我々を変えにくるだろう。

アメリカはこのポンぺオ国務長官の演説の後の7月24日にヒューストンの中国総領事館をスパイ活動の拠点になっているとして閉鎖しました。

駐米中国大使館はワシントンDCに、総領事館はニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、そして今回閉じらたヒューストンです。

米大統領選で激戦区となるテキサス州のヒューストン中国総領事館を閉鎖したのはトランプ大統領の人気取りにも関係があるように思います。

アメリカは現在、

■中共の香港国家安全維持法の制裁として香港の優遇措置を廃止。
■中国の北京字節跳動科技が運営する中華アプリTikTok(ティックトック)の米国内使用禁止
■中国共産党員とその家族のアメリカ入国禁止措置の検討。
■台湾との軍事協力強化

などを行っており日に日に中国への圧力が強まっています。

あとはアメリカが台湾を国家承認してくれれば国際社会もそれに追従するので中共にダメージを与えられます。

アメリカの軍事力は世界第1位です。中国はロシアに次ぐ第3位。(グローバルファイヤーパワー調べ

まずファイブアイズ(アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダ・ニュージーランド)の動きを見てみましょう。

イギリス政府がついにファーウェイの排除に乗り出す

2015年には公式晩餐会で習近平はエリザベス女王とも会い、キャメロン首相と経済において相互協力を約束されイギリスとの結びつきは深まりました。

しかし米国も反中国の圧力をイギリスに与え続ける中、香港国家安全維持法はイギリスのメンツを踏みにじるものでありました。

2020年7月14日、イギリスのボリス・ジョンソン首相はファーウェイ製品を5Gから2027年まで締め出すことを発表しました。

また香港返還前のパスポートを持っている香港人(約300万人いるとされる)に対して2021年から特別ビザ申請でイギリスに移住できるはからいを発表。

経済優先から人権優先の流れにイギリスはなりつつあります。

金の切れ目が縁の切れ目という言葉がありますが、中国は金しかなく諸外国からの尊敬を一切勝ち取っていないので、引いていく時は一気に潮が引くように見放されることでしょう。というかそうあって欲しいと望みます。

イギリスの軍事力は世界第8位です。

中国のおかげで経済成長してきたオーストラリアもついに反旗を翻す

輸出の33%が中国で占められていて中国依存度の高いオーストラリア。

その額110ビリオン豪ドル。(約7兆円)

2位日本44ビリオン豪ドル、3位韓国22ビリオン豪ドル、4位アメリカ20ビリオンドル。日本、韓国、アメリカを合計しても86ビリオンドルと1位中国に届きません。

またオーストラリアは教育を海外に開放し留学生を魅了してきました。人口2500万人の国に留学生が約87万人もいます。

そしてそのうち30%である26万人が中国人留学生です。オーストラリアの大学の10%が中国人留学生ということになります。

しかし中国人に人気のUNSWは23%シドニー大学は24%と4人に1人は中国人留学生となっている大学もあります。

中国共産党員の子弟がオーストラリアに落とすお金は学費も加えて莫大です。その額年間10ビリオン豪ドルと言われています。

中国の経済成長とともにオーストラリアもリンクして経済成長しています。2008年のリーマン・ショックも全く影響のないGDP伸び率のグラフとなっています。

先進国のなかでもこれほど全く不況がなく経済成長している国はオーストラリア以外見当たりません。それだけ中国と密接であるということです。

しかしオーストラリア内で米豪同盟を破壊するための工作活動が散見されたり中国系の経済人を政権に入れようとするなどの試みが大々的になりオーストラリア政府も危機を感じるようになりました。

中国からの内政干渉を防ぐための法律や反スパイ法のような法整備にも力をいれるようになりました。

内政干渉工作活動をしていた中国人富豪の住居権を剥奪したり、ファーウェイの排除、また中国が主張する南シナ海の領有権を拒否するなどNO中国を叫ぶようになってきています。

オーストラリアの軍事力は世界第19位です。

ファーウェイ問題で対立するカナダと中国

アメリカ政府の要請を受けファーウェイのCFO(最高財務責任者)である孟晩舟氏(Meng Wanzhou)が逮捕されのは2018年の12月のことでした。

カナダの裁判所は孟晩舟氏のアメリカへの引き渡しの審理を未だ続けており、彼女はGPS24時間監視下のもとバンクーバーで軟禁生活を送っています。

カナダはアメリカと隣接し貿易依存度も高くアメリカ頼みの経済から脱却すべくトルドー政権はアジアインフラ投資銀行に参加したり、FTAを中国と結んだりしていました。

このようにカナダを中国よりにしたのは中国政府の対カナダ政策の工作によるものだと「パンダの爪~Claws of the Panda」に書かれています。

残念ながら和訳されていませんが、電子書籍なら700円ちょいで購入できます。

カナダによるファーウェイ幹部の拘束から本格的に始まった対中包囲網ですが、カナダはアメリカと中国に挟まれ身動きが取りにくいようです。

カナダの軍事力は世界第24位です。

ファイブアイズ最弱国ニュージーランドの対中政策

名目GDP国別ランキングは1位アメリカ、2位中国、3位日本、5位イギリス、11位カナダ、14位オーストラリアそして飛びまして53位ニュージーランド。52位ギリシャの一つ下です。

同盟国のファーウェイ排除に同調しつつも貿易最大相手国である中国に嫌われたくないニュージーランド。

2019年4月1日にはジャシンダ・アーダーン首相は訪中し李克強と習近平と会談し両国の関係改善を図ろうとしました。

中国もファイブアイズ最弱国には強く出て同盟の弱体化を狙っていますのでニュージーランドには対中包囲網の一翼は任せられない感じです。

ファイブアイズ終わりましてその他の国を見てまいりましょう。

ニュージランドの軍事力は79位。軍事力も期待できません。

インド人の中国製品ボイコット運動は継続するか

2020年6月15日、カシミール地方の国境でインド軍と中国軍がこん棒や投石で衝突しインド人兵士20人が死亡しました。対中のインド側で死者がでたのは45年ぶりでした。

これ以降インド人の中国に対する反中感情は爆発し中国企業や製品をボイコットする運動に広がりました。

中国の国旗や習近平の写真を燃やし、中国の電気機器メーカーOPPOの看板に落書きをし、中国と中国製品に怒りをぶつけるインド人達です。

インド人芸能人達に中国製品のコマーシャルに出ないように圧力をかける団体も出現しているようです。

白黒の服を着たおじさんは中国製品を買うことでその売上が敵国パキスタンやインドのテロリスト支援に回るから中国で作られたiphonも使うのを辞めると言っています。

バザールの売り子さんたちも中国製品の在庫が捌けたら利益が減ってでもメイドインインディア製品を扱って売るよ!と言っています。

しかし外国貿易アナリストのおじさんはインドは中国経済に依存しているし、自国の製品を中国製品と入れ替えるための資金は調達できないからボイコットは現実的ではないと言っています。

人口はほぼ同じでも経済規模は中国の5分の1である中国。今は20人死者がでた後の一時的な感情として時が経てば沈静化するような気がします。

インドの国債格付けはこちら

しかしながらカシミールの衝突が起きる前にインドのモディ首相とオーストラリアのモリソン首相がオンライン首脳会議を開催し軍事関係を強化するパートナーシップを結びました。

ファイブアイズの中では昔を反省して頑張っている方のオーストラリアとインドが軍事協力を強めることは心強いです。

インドの軍事力は中国に次ぐ世界第4位です。

今にも中国に侵攻されそうな台湾

親日であり反中の日本が愛すべき兄弟とも言える台湾。蔡英文総統も中共の様々な脅しに屈しない強い態度を見せてくれています。

「一つの中国」政策により香港は完全に飲み込まれてしまいました。

中国が次に狙うのは台湾ではないかと囁かれています。

米国もそれを警戒し8月にアザー厚生長官を台湾訪問させました。台湾との断交以来最も高い地位のアザー氏を訪問させたことに中共は大激怒しています。

中共の怒りが冷めないタイミングで今度はチェコの政治家団体御一行が台湾訪問を発表。プラハ市長は中共から台湾の外交官を追放するように圧力をかけられ拒否した上に北京との姉妹都市提携を解消しました。

この一連の流れはついに台湾が世界に国家承認される日も近いのではないかと想起させてくれます。実際にアメリカのボルトン元大統領補佐官は台湾を国家承認すべきだと言っています。

台湾の国家承認ほど中共のメンツを世界的にぶっ潰せるものはありません。 もっと攻めて、「一つの中国」とは台湾のことである!なんてことになったら愉快すぎて1年くらいどんちゃん騒ぎできそうです。

台湾は自国で戦闘機を作っていますし、更にアメリカからF16戦闘機を66機購入することがつい先日(8月18日)決定しました。

中国からの侵攻を想定しての軍事訓練も行っています。

台湾の軍事力は世界第26位

日本人よりも反中感情が強いベトナム

中国はロシアと並び14カ国との国境があり世界で最も他国と接する国です。

東南アジアではミャンマー、ラオス、ベトナムです。

ベトナムは社会主義国で古くから中国の歴代王朝から支配されたり侵略されたりを繰り返してきました。

1847年のフランスによる侵略、第二次世界大戦での独立、ベトナム戦争、中越戦争と血に塗れた複雑な過去を持つ国ですが、その歴史の中で中国を信用しておらず、反中感情は常に大きい状態です。

絶えず領土問題に晒されてきたからです。

ベトナム戦争でアメリカ軍が撤退後の1974年、中国は宣戦布告もせずに西沙諸島を奇襲攻撃し一帯を今も実効支配しています。大国のプレゼンスが弱まったと見るとその隙を突いてくるのが中共の常套手段です。

現在では南沙諸島の領有問題です。1988年のスプラトリー諸島海戦で中国はベトナムが実行支配していたジョンソン南礁を武力で強奪。他にも複数の岩礁やサンゴ礁を強奪して現在に至っています。

習近平はそれらを元から中国の固有の領土と主張しています。

ベトナムはベトナム戦争があったにも関わらず親米です。それはベトナムの貿易相手国の1位は中国ではなくアメリカだからです(中国は2位)。

米中貿易戦争が激化して中国からベトナムへ工場を移す流れも加速しているのでコロナ禍にあっても経済成長している数少ない国となっています。

ベトナム戦争ではアメリカを撤退させました。世界一ゲリラ戦に長けている国と言えます。

軍事力ランキング世界22位のベトナム。中国包囲網の一翼をきっちり担ってくれそうです。

南シナ海領有問題で揺れるインドネシアと中国の関係

世界第4位の人口2億7000万人を抱え経済発展著しいインドネシアは現在世界GDPランキング16位で、ジョコ・ウィドド大統領は2045年までに第5位まであげると息巻いています。

インドネシアが領有している南シナ海のタトゥナ諸島周辺への中国船のちょっかいが多く危機を感じたインドネシアは2018年に軍事基地を設置しました。

人口比数パーセントの華僑が経済を支配している中でインドネシア人の反中感情は激化しています。

高速鉄道の建設を安さで中国に奪われてしまった日本です。しかしコロナで工事が遅れて完成予定が2021年と2年延期され混乱しているようです。

ジャカルタ~バンドン間を中国、バンドン~スラバヤを日本にという案が出ているらしく日本を困惑させています。

ようやく中国の杜撰さに気づいたということでしょうか。

政府は中国よりなので国民の反中感情に寄り添って欲しいところです。インドネシアは2024年に首都をジャカルタからボルネオ島に移そうとしています。

中国に依存して首都作りを進めると短期で倒壊するビル群など後で取り返しのつかない都市になるでしょうから慎重に対応しないと国が滅びます。

自国の工事さえまともに出来ない中国が他国の工事をまともにするはずがありません。安く受注するということはその分確実に手抜き工事するということです。

インドネシアの軍事力は世界第16位。経済ランキングと軍事ランキングが一致しています。

国民が反中でも政府が中国よりのフィリピン

南シナ海南沙諸島のパグアサ島はフィリピンが実行支配していますが、中国戦績が周囲をうろつき隙あらばと狙っています。

そのことに対する国民感情は怒りで爆発しており時折中国大使館前で「中共は国からでていけ!」とデモをしていますが、政府は馬耳東風気味です。

フィリピンは1991年にクラーク米空軍基地、92年に スービック米海軍基地をアメリカから返還してもらい、米軍はフィリピンから撤退しました。

しかし中共の南沙諸島進出に歯止めをかけるためフィリピン内の5基地の米軍使用を認める協定を2016年に結んでいます。

国民は反中でもドゥテルテ大統領が親中、中共擁護姿勢を見せているので中国包囲網としては頼りないです。

フィリピンの軍事力は世界第48位。

日本はどうするのか?まずは親中勢力の一掃から

国連の報告書で東シナ海に資源埋蔵の可能性が発表された1969年以降になって急に尖閣の領有権を中国が主張しはじめて現在に至っています。

中国船が尖閣諸島の接続水域への連続侵入が4月から111回と最多記録を更新し、日本への挑発行為がエスカレートしています。

コロナのどさくさに紛れて、そして習近平を国賓として迎えようとしていたことから中共に完全になめられているのではないでしょうか。

そのきっかけを作った二階俊博氏とその一派の動きを封じ込めないといけません。

日本の軍事力は世界第5位です。

政治

Posted by mogu