グローバル・ソブリン債(グロソブ債)はどうなったのか。解約したほうがいい?
2006年ごろブームになったグローバル・ソブリン債。
通称はグロソブ債です。
高利回りかつ、毎月配当型という宣伝文句のもと証券会社の窓口や銀行の窓口なんかで行員に勧められるまま購入した方も多いのではないでしょうか。
証券会社も銀行も大口のお客だけに優良情報を流します。
個人投資家の方は勧められるままに買うというようなことを決してしてはいけません。
自分の手と足で情報を集め、頭でしっかりと考えた後に判断したいものです。
ソブリン債券とはどのようなものか
ソブリン債とは主要先進国が発行している国債や政府機関債などのことを指します。
政府関係機関債はあまり聞き慣れない言葉ですが、元利払いに各国政府のお墨付きがある政府保証債のことです。
特殊法人が出す債権ですね。またの名を特別債といいます。
グローバル・ソブリン・オープンは先進国のソブリン債権を投資対象とする商品
国の信用格付けが【A】以上の先進国に限ってのソブリン債に投資します。
三大信用格付会社といえばムーディーズ、フィッチ・レーティングス、スタンダード&プアーズです。
どれもアメリカに拠点を構えている時点で信用がありません。
自分たちの都合で格付けをしているのではないかという疑念がリーマンショック以降拭えないからです。
こんなことを言うと身も蓋もありませんから格付けA以上にはどのような国があるかちょっとみてみましょう。
2017年9月時のスタンダード&プア世界各国格付け
黄緑から深緑にかけてがA以上の国となります。
アフリカで唯一のAはボツワナ。ダイヤモンドだけでもっている国と思っていましたが格付けは高いのですね。
南米からは2国。フランス領ギアナとチリ。
ギアナはフランスということでAAとなっておりますが、チリは2017年7月に25年ぶりにAAマイナスからAプラスへと一段階格下げされてしまいました。
銅価格の低迷によるものです。
2002年にムーディーズが日本国債の格付けを下げたことによって日本はボツワナと一緒かよ!と話題になりました。
いくら格付けが同じだからといってボツワナに投資しようと考える人はあまりいないわけです。
グロゾブ債一時5兆円を超えた純資産額が1兆円を割り込む
2008年の7月には純資産額が5兆7000億円あったといいます。
それが2017年では5000億円台になってしまっています。
衰退の原因は様々考えられますが、一番の物は為替変動リスクです。
投資先はアメリカ、フランス、ベルギー、日本、アイルランドなど。
通貨は、米ドル、ユーロ、英ポンド、メキシコペソ、豪ドル
ニュージーランドドルなど。
グロソブ債が登場したときは1万円で月に60円の分配金がありましたが2017年8月からは10円となっています。
通貨建て金利の安定性が低いほど、債券保有者が直面するリスクは大きくなります。
経済が不安定な国の政府は、安定した経済を持つ国の通貨で債券を名目化する傾向があります。
デフォルトリスクのため、ソブリン債は割引で提供される傾向があります。
ソブリン債のデフォルトリスクは、国際債券市場によって評価され、債券の利回りで表されます。債券保有者は、よりリスクの高い債券から高い利回りを要求するように
なります。
このようにして人気がなくなってきています。
金融機関のいいなりになって商品を購入するのではなく、積極的に勉強して金融リテラシーをつけないとカモにされるだけです。
グローバル・ソブリン・オープンは解約したほうがよい
と多くの人が言っています。
最近ちょっと調子が戻ってきて再び注目を浴びつつあるという声もあります。
金利の上下、為替の動向にピリピリしていないといけないので入り時も難しいですし長期でどっしり構えないといけませんし、全く持って素人向けではありませんね。
投資はよく勉強のちに行いましょう。