ドイツの富豪クリストフ・グローナー氏は不動産開発会社の創業者社長

2018年9月10日

強欲不動産王クリストフ・グローナー

先進国では富める者とそうでない者の格差がとんでもなく広がっていますが、ドイツも例外ではありません。

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ドイツの不動産開発会社CGグループを一代で築いた上の画像のクリストフ・グローナー氏(Christoph Gröner)に迫ります。社名は自身のイニシャルからとっています。

内容はドイツのDWドキュメンタリーの映像からです。公開期限付きなのでここでは載せません。

ドイツの不動産王の錬金術~富が富を生むシステム

クリストフは言います。
「大金があれば消費で金は破壊できないんだ。例えば車を買うだろう。そうすると値が上がるんだ。住宅や不動産はもっと上がる。ゴールドを買えばゴールドが上がる。消費しても金はなくならないんだよ。」

一般的にも言われていることですが、金持ちは将来値上りが見込まれるものしか買いません。そして金持ちには金持ちの人脈や情報を流してくれる業者がバックにいるのでその精度も一般人とは全く違います。

ロレックスのこのモデルが将来値上りする可能性があるというようなちんけなものではなく、利益率の高い不動産でそれを行っているのです。

機関投資家向けの賃貸住宅に焦点を当てているので庶民は苦しむことになるのです。

都市部の住宅市場は右肩上がりの現在、CGグループが一番多くの物件をドイツで建設しています。

ここ20年間、ベルリンで4000棟のアパートを建設して現在も3000棟が建設中とのことです。

クリストフ・グローナー氏の成り上がりストーリー

今から20年ほど前にライプチヒで倒壊していたエリアに投資をしました。壊れていたビルなどを直して綺麗にし、賃貸ししました。

今ではライプチヒに立つ新しいアパートのうち3軒に1軒をCGグループが建てているといいます。

グローナー氏は生まれながらの経営者ではなく、以前は自らが建設現場で働く人間でした。ですから彼は足場組、石工、セメントの流し込み壁貼りなどすべて自分でこなすことができます。

ですから最初は建物建設の請負事業からスタートしました。

そこから建設プロジェクトを請け負うようになり今の会社の形態になったとのことです。

中世貴族達がプライベートバンカーにお金を預けて有利に莫大な資産を運用して子孫に残すやり方とは違うやり方で稼いでいます。

しかし、彼が貴族と関係ないのかはこのドキュメント映像では示されませんでした。

CGグループは500名の社員を擁し、全ての社員とクリストフ氏は契約を結んでいるそうで、全員が正社員ではないのかもしれません。ワンマンスーパートップダウン経営のようです。

貧乏人を郊外に追いやっていると住民らと衝突するCGグループ


高級マンション建設に反対する住民と対話するクリストフ氏

かつて工業団地で廃れたエリアにも投資を行っています。

そのような地価の安いところに割りと高級なアパートを建設し、本来その地域に住めた人を追い出すような形になっています。

ドイツ人の2人に1人は土地や家を所有できていません。狭いアパートに妥協して住んでいる人が多いようです。

ここ十年ほど住宅やアパートの賃料は上がり続けています。

特にライプチヒではこの傾向が顕著で住民の10%しか不動産を所有していません。

ベルリンもライプチヒも旧東ドイツです。この2つの都市は旧西ドイツと比べて物価も安いため人口が増加し続けています。

この流れに20年前から投資していたグローナー氏の勝利ですね。

もはやベルリンやライプチヒに元から住んでいた人々は自分達の都市にいられなくなっています。

CGグループがボンボン建てているアパートやマンションはほとんどの住民にとって手が出せる額ではありません。

少数の金持ち相手の広い間取りのマンション。

全室埋まらなくても土地建物の不動産価値が上がる見込みなのでCGグループは損しない
どころか益々儲かります。西側ドイツの富裕層や外国富裕層も呼び込める可能性をみているのでしょう。

上の画像の通り高級マンション建設反対の住民と対話をもったグローナー氏ですが、

「我々に対して出て行け!出て行け!と怒鳴り散らすことで本当に我々が撤退するとでも思っているのか?どこまでお前らはバカなんだ」と応戦しています。

大富豪とは人の痛みを全く感じることなく己の利益のみを考えることに秘訣があるのでしょうか。

中国の富裕層に高級住宅販売システムを売り込むCGグループ

2017年の動画ですが、グローナー氏自ら中国に出向いてプレゼンしています。

ドイツYTWO社の建設システムiTWOを使って生産コストを下げて高品質の建物を作れることを説明しています。

中国のマンションなどは突貫工事でとんでもないものが建っているイメージがありますが、先進国からシステムごと取り入れればそんなイメージは古いとなるでしょう。

先進国ドイツでも広がる経済格差と貧困

ドイツで共働きで子供が一人いる世帯の平均月収が2900ユーロ。

食費に321ユーロ、住宅コストが731ユーロ、交通費と娯楽がセットで328ユーロ、衣服、医療、子育てに255ユーロが平均的にかかるコストで全てを2900からひくと310ユーロ(日本円で約4万円)で収入の約10%を貯蓄に回している計算になります。

年間48万円にしかなりません。

大学の学費は日本やアメリカのように高くなくそこにお金は奪われませんが、年間48万の貯蓄では20年でも1000万円もいかないので大変厳しいと言えます。

銀行の利子も日本と同様に限りなくゼロに近いのでリタイヤした高齢者も貯蓄を切り崩し平均700ユーロの年金に頼るしかありません。高齢者の貧困率は40%にも上ります。

反対に富める者の資産は莫大です。毎年20億ユーロ(2560億円)が相続されています。相続税はなんと2%。最高相続税率55%の日本から見ても金持ち超優遇国家ですね。ドイツは。

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金持ちVS貧乏人の戦争が世界的におこる可能性はないのか

これだけ顕著に金持ちと貧乏人の格差が目に見えるようになってしまっては両者の衝突も近いうちにおこるのではないでしょうかね。

金持ちが貧乏人を兵隊にして戦争ごっこをして昔から儲けまくって来ました。

このことが露呈され格差も露骨になってきた今、貧乏人同士が戦争するのではなく圧倒的大多数の貧乏人が1%以下の富豪達と戦争する時代に突入するのではないかと思います。

超富裕層は最新兵器を持って要塞に立てこもるのでしょうか。彼らが本気になれば貧民は瞬殺されそうな気もしますが、、、。

CGグループのような住民に嫌われる儲け方は命の保証ができません。いくら屈強なボディーガードを従えようとも銃からは逃れられません。

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