ジャスダックに上場している日本銀行の仕組みと役割。歴代総裁にみる金融政策の是非。
日本銀行は明治14年に大蔵卿松方正義が創設
明治14年(1881年)、約1年間フランスで学んでいた松方正義が帰国して日本の中央銀行を創設しました。
この松方正義という人物は日本第四代、第六代の内閣総理大臣も勤めた元薩摩藩士でした。
パリで、フランス蔵相のレオン・セー(Léon Say)から、日本も通貨発行権を独占する中央銀行を持つべきとのアドバイスをもらいます。
レオン・セーに関してはロスチャイルドの使用人であるとする文献や日本語ネット情報がありますが、海外のネットを検索してロスチャイルドとの関わりを発見できませんでした。
日銀がJASDAQ(ジャスダック)に上場しているという謎
まずもってFRB(連邦準備制度理事会)が民間企業であるのと同様に日本銀行もまた民間であります。
法律上の位置付けでは「認可法人」ということになっています。認可法人というのは行政官庁の許可が必要な法人で、日本赤十字社や外国人技能実習機構などがあります。
日本銀行の資本金は1億円と日本銀行法により定められています。そのうち55,008千円(平成27年3月末現在)は政府出資であり、残りは民間等の出資となっています。なお、日本銀行法では、「日本銀行の資本金のうち政府からの出資の額は、五千五百万円を下回ってはならない。」と定められています。(日本銀行ホームページ)
約45%は民間出資と日銀のホームページに書いてあります。民間出資は誰がしているのでしょうか?公開されていないので不明です。
陰謀論では民間出資のほとんどがロスチャイルドということになっています。
銀行の銀行で政府の銀行なのに民間出資者が誰であるか伏せられているのは不誠実ではないでしょうか?もし本当にロスチャイルドであったらそれはとんでもないことですし、勿論公開したくない不都合な真実でしょう。
そしてなぜジャスダックに上場しているのかも謎です。
日本銀行の3つの役割を中学公民チックに
中学の公民って社会にでてから役に立つこと実感しますよね。
少し昔を懐かしみながら日本銀行について学びましょう。
1)発券銀行 日本銀行券である紙幣を発行
紙幣の製造は独立行政法人国立印刷局でします。
現在流通している紙幣は1000円、2000円、5000円、10000円の4種類ですが、2000年に発行された二千円札は2003年以降は作られていません。
国立印刷局の工場見学の貴重な動画がありましたのでご覧ください。
インターネットや電話で申し込むと工場見学ができるのだそうですが、人気で予約が取りにくいとのことです。
撮影できる箇所が制限されているそうで展示室内のみですが十分雰囲気を味わえる素敵な動画だと思います。
使っているインク、ホログラムのつけ方、断裁の仕方、偽札防止の工夫なんかが学べます。
2)銀行の銀行 一般銀行への資金貸し付け
銀行の銀行、つまり中央銀行ですね。
一般銀行が持っている日本銀行の当座預金にあるお金を使って銀行間決済などを一般銀行は行っています。
こうすることによって日銀は日本の金融システムの安定化を行っています。
中学公民の授業っぽい動画を日銀が作っています。再生回数が少なくて笑えます。
日銀は金融機関に直接出向いて立ち入り調査をしたり、電話アンケートをしたりして一般金融機関の経営状態に目を光らせています!
3)政府の銀行 税金など国のお金の取り扱い業務
税金、社会保険料の受け入れや年金、公共事業費の支払いをしています。それから財務省が発行する国債を買い取ったり売ったりしています。
日銀が民間金融機関が所有している国債を買うことを国債の買いオペレーションといい、反対に売ることを国債の売りオペレーションといいます。
買いオペの場合市場に流通するお金は増えるので金利が下がり売りオペの場合市場のお金は減るので金利が上がります。
歴代日銀総裁一覧とその政策
初代から日清戦争前後までの日銀総裁明治29年まで(1896年)
※日清戦争終了ではなく川田氏の在職終了まで
初代 吉原重俊 薩摩藩士。アメリカ・イエール大学留学を経て外務省⇒大蔵省⇒松方正義にかわいがられ初代総裁へ。
2 富田鐵之助 仙台藩士。アメリカ・ニューアーク商業学校留学を経てニューヨーク副領事⇒上海総領事⇒イギリス公使館書記官⇒大蔵省、2代総裁。
松方正義大蔵大臣と対立して辞任。
3 川田小一郎 土佐藩郷士の家。三菱岩崎弥太郎の補佐役。日銀の法王と呼ばれ絶大な権力があった。
日露戦争前後までの歴代総裁 1911年まで
4 岩崎彌之助 土佐。三菱創業者岩崎弥太郎の弟。
アメリカ留学⇒三菱商会⇒明治29年から二年間日銀総裁
5 山本達雄 豊後国藩士。三菱商業学校⇒日本郵船⇒日銀
⇒日銀総裁
6 松尾臣善 姫路の郷士の子。大蔵省から日銀総裁。
日露戦争中の総裁。
第一次世界大戦までの総裁 1919年まで
7 高橋是清 仙台藩士。米国留学中にホストファミリーに騙され奴隷として売られる。帰国後
教師、文部省を経て日銀総裁。第20代の内閣総理大臣。
8 三島彌太郎 鹿児島出身。マサチューセッツ農科大学⇒貴族院議員
⇒日銀総裁。
日中戦争までの日銀総裁
9 井上準之助 大分県出身。 帝大卒から日銀へ。
世界恐慌の混乱の収拾に活躍した。
10 市来乙彦 鹿児島出身。 日銀総裁となり金融恐慌と立ち向かう。
11 井上準之助 9代に同じ。
12 土方久徴 ひじかたひさあきら。東京出身。帝国大学から日本銀行。低金利政策。
13 深井英五 群馬県出身。同志社英学校から国民新聞社。ジャーナリストから松方正義の秘書を経ていろいろあって後の日銀総裁。
14 池田成彬 山形県出身。三井銀行退職後、日銀総裁。
第二次世界大戦までの日銀総裁
15 結城豊太郎 山形県出身。酒造業の家。帝大から日銀。
安田銀行⇒日本興業銀行総裁⇒日本商工会議所。
16 渋沢敬三 渋沢栄一の孫。民俗学者としての顔もあった。
戦後の日本銀行総裁
17 新木栄吉 石川県出身。東京帝大から日銀⇒総裁。
アメリカの占領政策公職追放により総裁辞任。
18 一万田尚登 いちまたひたと 大分県出身。
在任期間歴代最長3115日。
戦後の経済界、金融界に絶大な影響を与えた。この人も三代川田小一郎と同様に法王と呼ばれた。
19 新木栄吉 17代と同じ
20 山際正道 東京出身。帝大、大蔵省、一旦公職追放。のち総裁。
21 宇佐美洵 うさみまこと 東京出身。
14代池田成彬の親戚。慶応大から三菱銀行頭取⇒日銀総裁。
22 佐々木直 山口県。東京帝大、日銀。
23 森永貞一郎 宮崎県。東京帝大、大蔵省、東京証券取引所理事長
24 前川春雄 東京帝大、日銀、各国駐在など経て総裁。
25 澄田智 群馬県。東京帝大、大蔵省。
平成になって日銀の総裁を務めた人物
26 三重野康 東京。東大、日銀。金融引き締め。平成の鬼平と呼ばれる。バブル崩壊、日本経済を崩壊させたという人もいます。2012年死去。
27 松下康雄 兵庫県出身。東大、大蔵省、太陽銀行頭取
日本がデフレ経済突入するのを防げなかった。ノーパンシャブシャブの責任を取って総裁辞任。2018年死去。
28 速水優 兵庫県。一橋大、日銀、日商岩井。
世界初世界初ゼロ金利政策を導入。2009年死去。
29 福井俊彦 大阪。東大、日銀、キッコーマン、
日銀副総裁をノーパンシャブシャブ事件の責任で辞任。
5年後総裁で返り咲き。金融の量的緩和政策を速水氏より更に進める。
辞任後に村上ファンドに1000万円投資していた。
30 白川方明 福岡県。東大、日銀、シカゴ大大学院、
京都大学大学院教授、日銀副総裁、総裁。
リーマンショック、東日本大震災、欧州金融危機など災難に見舞われる。
デフレ脱却に少しも貢献しなかったと評価する人も。
シカゴ大で学んだ氏はミルトン・フリードマンのシカゴ学派なのか。デフレ大好き庶民の敵か。
31 黒田東彦 福岡県。東大、大蔵省、
オックスフォード大、一橋大学大学院教授、アジア開発銀行総裁。
現日本銀行総裁。リフレ派。これまでのデフレの責任は日銀にある!と名言。
2018年国際コンファランス 黒田総裁挨拶英語スピーチ
日本銀行金融研究所が主催した国際コンファレンスの黒田日銀総裁による冒頭挨拶です。
字幕がついておりますので、半年以上たって500回ちょいしか再生されていない動画でありますが是非ご覧ください。
子供にお馬鹿な行動を見せている悪いユーチューバーになんか負けずに日銀紹介の動画をもっと広く国民に見せる努力をして頂きたいです。