貧困層を苦しめるアーカンソー州のとんでもない法律/立ち退き不履行法
貧しい州トップ10の常連、アーカンソー州の貧困
2ちゃんねる創設者のひろゆき氏が大学時代にセントラルアーカンソー大学に1年間留学していたました。
なぜアーカンソー州を選んだのか不明なのですが、多分日本人があまりいないだろうから日本人コミュニティーに入る必要がないので英語を強制的に話せるようになるからという理由ではないかと推測します。
それでアーカンソー州が気になって調べてみると全米でいつもワースト5に入るような貧困州でした。
小さいですが、赤く囲んだところがアーカンソー州です。これは2017~18年のアメリカ合衆国国勢調査局のデータです。
アメリカ合衆国が定める貧困ラインはこの表です。
左の数字は一人世帯から四人世帯を意味しています。ワシントンDCと48州プラスアラスカ州、ハワイ州の年収による貧困ラインです。
アラスカとハワイは生活費が高いので別枠となっています。
単身で一ドル100円ざっくり換算で120万円。四人世帯で260万円が貧困ラインです。
日本での単身も約120万円以下ですので、アメリカと似たような相対貧困ラインが引かれています。因みに日本全体での相対貧困率は15%ちょっとです。
よく6人に1人と言われるのはこの割合になります。
日本もOECD加盟国の中で見ると貧困率はかなり高めとなっています。
(OECDincome distribution database2017)
1位は意外な国イスラエル。今回はアーカンソー州の貧困なのでこのへんでやめておきます。
先程のマップをもう一度。
43.1%という度肝を抜くようなパーセンテージが右の方に見えますが、これはプエルトリコでアメリカのコモンウェルス(自治領)なので除外します。
ワースト1位はミシシッピ州の19.7%。以下19.5%でニューメキシコ州、18.6%でルイジアナ州、17.8%でウエストバージニア州、そして5位にランクインしたのが17.2%でアーカンソー州です。
アーカンソー州の見どころは、、、あんまりない
上の動画はアーカンソー州の魅力を伝える3分動画なのですが、これを見ても私は特に魅力を感じませんでした。
ナチュラルステイトということで大自然を売りにしていますね。
ウォールマートの本部がこの州のベントンビルという街にあったり、ビル・クリントン元大統領の出身地くらいしか有名なものはありません。
面積13万平方km(ほぼギリシャと同じ=日本の三分の一)に人口300万人弱。
これといった観光地や見るべきものがあまりない片田舎アーカンソー州の名物は貧困層を苦しめる立ち退き不履行法です。
アーカンソー州の名物は立ち退き不履行法。年間2000人以上の人々が被害にあっている。
17%が貧困ライン以下で生活しているアーカンソー州では人口の3分の1が賃貸生活をしています。
そして悪名高い立ち退き不履行法が存在しています。全米で唯一、賃貸料を延滞すると最悪刑務所に入れられます。
この法律は州法でアパートなどの賃借人が家賃のを期限内に払わないと施行されます。
支払期限をすぎると家主は10日以内に立ち退くようにという旨の手紙を送りつけてきます。3日以内に支払うか10日以内に立ち退くかしないと犯罪者として訴えられます。
上記のいずれもしない場合、裁判所から出頭命令がでます。
裁判で有罪になると罰金(立ち退き日から有罪判決が出た時までの日数×25ドル)と最大90日の投獄となります。
年間2000人以上がアーカンソー州で立ち退きの被害にあっているとのことです。
例え留学生であっても大学の寮に入れないのであれば、立ち退きで犯罪者に仕立て上げられる可能性もあるのでアーカンソー州の大学に留学すべきではないと思います。
現在ひろゆき氏の母校である中央大学の提携大学にアーカンソー州の大学は一校もありません。
家賃を一日でも滞納したら犯罪者として刑務所にぶちこまれる可能性があるなんて正気の沙汰とは思えません。
手厚く守られすぎのアーカンソー州の大家
アーカンソー州は全米で唯一大家に所有物件の修繕責任を認めていません。つまりどんなにボロボロであろうとも大家は修繕しなくてもよいのです。
全くもって意味不明であります。そのことを知らない賃借人が大家に修繕を求めて逆に立ち退かされたりすることもあります。
そしてこの報復の立ち退きが法律に触れないのはアーカンソー州を含め全米で10州あります。
また、立ち退きの手紙をもらった覚えがないのにいきなり警察がきて90日投獄されたり、立ち退かせたいがために故意に家賃を受け取らない大家もいたりします。その場合の賃借人は黒人だったりします。
大家側もボランティアでやっているわけでは勿論ないので、家賃の滞納は困りますが、気に入らない賃借人を追い出すために法を悪用している悪質な大家がいて貧しい人々を更に苦しめているのも事実であります。