ニューヨークでホームレス生活をするヘロイン中毒夫婦のドキュメント

2022年11月11日

Tik Tokでホームレスの現状をレポートするカップル

ニューヨークでホームレスをしているカップルであるコートニーと夫のブリットンの物語です。

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youtubeではなくtik tokを使っているのはより拡散力のあるもので彼女たちホームレスの現実をより多くの人に知ってもらいたいというのがあります。

日本で夫婦ホームレスユーチューバーがいたらそれは再生数が伸びて稼げそうですが、彼女らの目的はそこにないのです。

人間としてみなされていないホームレスの人々を人間として見て下さい!そのような思いがコートニーにはあります。

若い女性がニューヨークでホームレスでいる危険性

ストリートや公園で寝ていると色々な輩が通りかかり悪さをしようとします。ブリットとコートニーが寝ているところに男がやってきてコートニーに話しかけます。半分だけ寝ていたブリットは飛び起きて彼女を守ろうとします。

男はコートニーがブリットと一緒にいることが分かりその場を立ち去ります。このようなことは毎日起こりブリットは夜にコートニーを決して1人にはさせません。

二人は施設に頼らない完全ホームレスをしていた時からの知り合いでホームレスを脱していない状態で結婚しました。

社会保障カードと出生証明書を所有していないために彼らはアポートを何度申請しても却下されています。

日本の役所の生活保護申請に対しての水際作戦のようなものがアメリカのホームレスにもなされています。安いアパートが全く足りていないことが原因です。

ときには過去に住んでいた住居を全て証明しろなどの難題も課せられます。ホームレス状態の彼らはそんなことどうやって証明すればよいのでしょうか。

コートニーはどうしてホームレスに落ちてしまったのか

コートニーは幼稚園に入る前にもう文字が読めるような賢い子供でした。学校でもいつもトップで4年制大学も卒業しています。

しかし彼女にはトラウマがありました。

彼女が15歳の時に家が火事になり愛する二人の妹を亡くしてしまいました。

ちょっと彼女の話ではいつどういうタイミングでホームレスになったのかわからないのですが、火事がトラウマでホームレスになりあらゆる麻薬中毒になって行ったと述べています。

ホームレスに仕事をしろ!とコメントする心無い人への回答

Tik Tokでホームレスのリアリティーを伝えているコートニーですが、誹謗中傷も多く受けますし特に多いのが「仕事をしろ!」というコメントです。

「仕事に就くには最低限シェルターにいる必要があるし、シャワーも浴びて清潔な服装も手に入れないといけないの」

シェルターには人があふれ、普通入所時間と退去時間が決まっています。毎日シェルターを確保できるわけではないのです。

基本ホームレスでたまにシェルターにありつくという人が大半です。

そうすると「誰かストリートで男を見つけて養って貰えばいいじゃないか」という意見も届きます。

そんな男についてくと性犯罪を中心にあらゆる犯罪に巻き込まれ命の危険にもさらされてしまうことになります。

また「ホームレスなのになんでスマホ持ってるの?」なんて質問も毎日きます。

シェルターの予約に必要ですし、仕事の申請をするにもスマホが必要です。政府の無料スマホ支援もあります。

彼女に届くコメントは悪意のあるものも多く彼らは自分がホームレスになるなんて露にも思っていない連中です。

アメリカのインフレと家賃高騰によって誰でもホームレスになりえるのです。

現在はメサドン麻薬治療中のコートニーと彼女の未来

ヘロイン中毒の解消に使われているメサドン(methadone)はオピオイド鎮痛薬でそれ自体も麻薬ですが、ヘロインの中毒症状を緩和できヘロインよりも毒性が弱いのでヘロイン解毒剤としてアメリカでは医師によって処方されています。

彼女はメサドンを服用しているのでヘロインへの強い欲求も抑えられています。

仕事やアパートを見つけることよりもまずホームレスの人がやらなくてはならないことは麻薬から足を洗うことです。

それが超難しいのでホームレスとして路上で死ぬこととなるのです。

行き着く末はケンジントンにある昼間からのゾンビタウンです。

ですからコートニーたちのように麻薬を抜いてなんとかまともな暮らしに戻りたいと考えているホームレスとその気力を遠になくしてゾンビジャンキーになっている者とは雲泥の差があるのです。

コートニーとブラットは薬物治療センターで2年半前に出会いそれ以来お互いを必要とし支え合い現在に至っています。

28日の治療プログラムは二人ともドロップアウトしてしまいました。

コートニーは25日目を迎えていたのにもかかわらずブラットのおへそをつついたことを咎められ二人共追い出されてしまいました。ちょっとのイチャつきも規則違反だったのです。

それから2年半、支え合っているといえでもホームレスと薬物依存状態は続いており精神的支えのない単身ホームレス者だったら絶望的だなと思わずにはいられません。

ドキュメント最後に彼女らは長期シェルターの入居が認められ、コートニーは仕事が得られるかどうかの知らせを待つ状態でいること、そして3ヶ月間ヘロインをやってないことが告げられます。彼らがホームレス状態から抜けられることを祈るばかりです。