地面師の不動産詐欺手口とその対策方法~カミンスカス操氏の行方

2018年10月27日

地面取引で詐欺をする地面師とは

詐欺にも色々な種類があります。

結婚詐欺、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、株や社債などの儲かります詐欺。

結婚詐欺なんかは一人で出来ますね。オレオレや架空請求などは組織がらみで暴力団や半グレなどが個人を相手にやっていることが多いですね。

一方地面師の場合は土地所有者になりすまして所有していない土地を第三者に勝手に売り払う犯罪詐欺行為です。

なりすましで土地を一時的に窃盗し、そしてそれを不動産業者などに売り渡すので土地所有者と業者を二重にペテンにかけるという点で上記した詐欺よりも格段にレベルが高い頭脳詐欺と言えます。

大阪市に本社を置く積水ハウスが五反田にある600坪の土地代を地面師に55億円も支払ってしまった事件は世間を仰天させました。

地面師は一番暗躍したのは第二次世界大戦直後だった

↑終戦直後1945年8月の映像だとあります。

この年の3月10日の東京大空襲では10万人以上が犠牲になりました。

なかなか目にすることができないカラー映像で食い入るように見てしまいました。

東京は焼け野原となってしまい、国の行政機関である登記所なんかも大量の書類とともに燃えてなくなってしまいました。

そのどさくさに紛れて地面師たちは本物の登記書類が焼失しているのをいいことに書類の偽造やりたい放題で大金を得たのでした。

まさに火事場泥棒です。悪い連中というのは景気に左右されず、普通の人には逆境である場面で稼ぐ能力があります。

思考回路が人の不幸をベースにしているので一大事の時の瞬発力も普段から鍛え上げられているに違いありません。

アメリカ禁酒法の時代にのしあがったアルカポネを思い出してしまいました。

ビール=ドイツで悪!第一次世界大戦直後で穀物をお酒に使う余裕がなかったなどの理由でアメリカは禁酒法を作ったのですが、それが悪用されマフィアの資金源となりましたね。

地面師に狙われる土地は東京にはまだまだたくさんある!?

空家率の上昇、そして東京オリンピックに向けての地価の上昇。詐欺師どもが暗躍できる条件が揃っています!

都心の価値ある場所かつ不動産屋が飛びつきそうな垂涎物件で、更地もしくは人が住んでいない土地。もっといえば所有者が遠方にいる場合。

このような土地は地面師の格好の標的となりやすいです。

土地所有者になりすました人間が所有者本人と鉢合わせしてしまうと計画が水泡に帰します。

そうならないためにも遠方に住んでいたり、フットワークの鈍い資産家お年寄りがターゲットにされます。

地面師に土地を騙しとられないための地主側の対策

実際の所、本物の土地所有者は偽造された登記書類や印鑑証明、本人証明書などに一切関与していないので、何の責任も負いません。

不動産詐欺が発覚した時点で土地売買の取引は無効なわけですから買わされた業者はお金を騙し取られたことにになりますが、地主側は何も取られていません。

地面師によって登記移転された登記名義を戻すよう土地購入者に請求するような面倒な作業をしないといけないハメには陥ります。

またニュースなどになると望まないのに世間の注目の的になり嫌な思いをするかもしれません。

瑣末なことですが、それを防ぐためには、杜撰な土地管理をせず地面師に目をつけられない努力が必要です。

具体的には荒地や廃墟として放置せず、綺麗な状態で土地所有の看板なども定期的に新しいものにするなどです。

あの看板がさび付いていてペンキ落ちして土地も雑草伸び放題になっていると長年放置されていることが一目瞭然です。危険です。

各種書類、実印、印鑑証明も闇業者は簡単に偽造できるようですが、きっちり本物と一緒にはどうしてもできません。一番困るのは本物全てを盗まれることです。

そうなると法的に問題のない取引が成立する恐れがあります。

実印と印鑑証明をセットで盗まれることがないように別々に保管することも大切かと思います。

積水ハウス事件の主犯格カミンスカス操氏はフィリピンに高飛び

今頃はマニラかセブ島かでリゾート満喫、女遊び全快でしょうか。

おおっぴらに遊んでいると捕まってしまうでしょうか。

日本人犯罪者の高飛び先として人気のフィリピンですが、犯罪人引渡し条約を結んでいない国で(日本が結んでいるのはアメリカと韓国だけ)、貧しいため色んな方面に賄賂が
通用するので囲ってもらいやすいのですね。

ですがさすがにフェラーリなんかに乗って豪遊していると目立って捕まりそうです。

いくら持って逃げているか分かりませんが多分一生フィリピンに潜伏しても大丈夫なお金は持っていることでしょう。

しかし逃げ回る生活はいくらお金があってもまっぴらですよね。

フィリピンの国債格付けはこちら

カミンスカス容疑者ついに逮捕される

2018年12月19日にフィリピン当局に捕まり国外退去となり、2019年1月11日日本で逮捕されます。約2ヶ月の逃亡生活は満喫できたでしょうか。

前科もあるようですから長期刑務所お勤め確定ですね。

しかし国際指名手配されるまでに約1年もかかったあたりが警察と暴力団と地面師の癒着も指摘されています。

似たような名前の詐欺師?クリス岡崎氏

漫画村の星野路実容疑者もフィリピンで拘束

海外に高飛びと聞くとタイやフィリピンをすぐ思い浮かべてしまいがちですが、フィリピンはドゥテルテ大統領になってから犯罪取締りを強化していて、国際指名手配の人物は徹底的に拘束する方針で三流国からの脱却をしようとしています。

飛行機での脱出は入管も通らないといけないし、逃亡には向きません。ボートピープルをするか国内の人口が多い都市で身を潜めるほうがより安全でしょうね。って犯罪はハナからしてはいけません!